今は昔、武蔵の国に義侠心の強い鼠小僧の流れを汲む「小鳩」と申す野盗団があったそうな。「ひのもと」と申す城に押し入ったところ、そこにはすでに「時効(ジコウ)」と申す領主の姿はありませなんだ。金銀がうずたかく積まれていると踏んで楽しみにしていた大蔵を調べるとそこにはなんと金はなにもなく借金の証書だけが積まれていたとさ。毎年の年貢は役人のシロアリ軍団とともに使い切り借金によって城の経費をまかなっていたとのこと。シロアリ役人軍団は「小鳩」団の登場をたいそう喜んだそうな。一揆がこわくて年貢を上げることもできない旧領主「「時効(ジコウ)」を「おかげでわしら役人専門の保養所も作れない」と、とうに見限っていたのだからさ。「小鳩」団は鼠小僧のように奪った金を貧民にばら撒こうとしたのだけれどこれではとても無理とわかりがっかりして引き上げようとしたのさ。しかし「なにをいってるノダ」「年貢を引き上げれば良いノダ」というシロアリ役人軍団にとりこまれた若手が出てきて旧領主「時効」と手を結んで、百姓、領民を痛めつけることはできないという義侠心の強い「小鳩」生え抜きの長老たちを追いだしてしまったそうな。元老のいうことを聞かず城の外で沸き起こる領民の訴え悲鳴を雑音ととらえる若手が治める「ひのもと」城は空の見張りのオスのミサゴが旋回プレイをして落ちてきたのをきっかけに崩壊の危機を迎え、それを察知した子ネズミたちがつぎからつぎへと逃げ出してやっぱり城は崩れ落ちていったそうな。めでたし、めでたし。
fumio
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