庭の、小さな鉢植えの栗の木に
産み付けられた卵から孵化した
テントウムシのチビちゃんたち
アブラムシを食べてくれる
頼もしい「チビテン」部隊が・・・
3日間、強風が吹き荒れた後
栗の木から、こつぜんと姿を消してしまいました。
葉っぱを一枚ずつめくって、一生懸命探したのですが
1匹もいません(ll゚д゚)
なぜ?どこへいったの??
あの強風で飛んでしまったのかな。
よく見ると、アブラムシもきれいさっぱりいなくなってる!
エサを食べ尽くして
どこかへ移動したのか?(そう思いたい)
もしかして・・食料不足で共食いした?
もう一度、念入りに葉裏を点検したら
ポツンと1匹だけ、残っている子を見つけました!
どうして、ひとりぼっち?
みんなどこへ行ったの?
聞きたいことは山ほどあるけど・・・
この子を部屋へ連れてきて、成虫になるまで飼育することにしました。
さっそくエサ探しです。
庭ではいま、ミカンの木がアブラムシだらけですが
アリがアブラムシを完璧に守っているので、手が出せず
近くの土手で、びっしりアブラムシが付いた
ノゲシを摘んできました。
連れてきた幼虫を、花の上にそっと乗せると
よほど空腹だったのか、すぐにアブラムシを食べ始めました。
*
いままで、飼育観察する虫のために採ってくるのは
葉っぱ、植物だけで
生餌しか食べない生物は、飼えないと思っていたのに
まさか自分が「アブラムシ」を採取する日が来るなんて・・・
アブラムシも、生きてる虫なので
じっくり見てしまうと、可愛く思えてきちゃいそうで
なんだか複雑な気持ちになりました。
それにしても、チビテンちゃんはよく食べます。
調べてみたら、テントウムシは幼虫期間が14日ほどあって
その間、毎日20匹くらいのアブラムシを食べます。
今回、栗の葉の裏には30個ほどの卵があったので
30匹の幼虫×20匹のアブラムシ×14日で
成虫になるまでに、8,400匹のアブラムシが必要になる計算です。
テントウムシの食欲に
アブラムシの「クローン増殖」が勝てなかったようです(^^ゞ
食べられずに生き残ったアブラムシは
ケースの中で脱皮して、翅の生えた成虫になっていきます。
そうするともう、テンちゃんは、それは食べたくないようなので
毎日、家から離れた場所へ翅アブラを放しに行って、その帰りに
新しいアブラムシをとってくることになりました(笑)
うちに連れてきて2日後
いつものように観察しようとケースを見ると
幼虫の体が真っ白になっていました。
脱皮したみたいです(^^)
ケースの壁面に脱皮痕がありました。
お尻から粘着物質を出して、体を固定して脱皮します。
テントウムシは成虫になるまで
3回脱皮するそうです。
今回の脱皮の数日後、サナギになったので
1回目と2回目は、外で済ませてきたようです。
栗の葉の裏に、何度目か不明ですが、細長い脱皮痕がありました。
脱皮の2日後、体色は黒く
背中の両わきに、オレンジ色の帯が出てきました。
この頃のテントウムシの幼虫は、体長が1センチくらいです。
アブラムシは1ミリ、2ミリかな。
こうして写真に撮って拡大してみると
アブラムシがけっこう可愛い顔をしていて
テントウムシは怪獣みたい。
もしも、もしもの想像で・・・
人間から見て、アブラムシが役に立つ益虫で
テントウムシが、害虫だったとしたら・・・
この姿、旺盛な食欲から
益虫を食べ尽くす「極悪害虫」なんて呼ばれるんだろうなぁ
**
この後すぐ、幼虫はあまり動かなくなって
エサも食べなくなりました。
そして3日後、ケースの隅っこでサナギになりました。
サナギになってしまえば、アブラムシはもう必要ないのですが
エサとして採ってきた葉に、アブの幼虫がくっ付いていて(^^ゞ
引き続き、アブラムシを採取する毎日が続きます(笑)
アリを蹴散らして、ミカンの葉にいた
アブラムシをとってきました。
サナギは変化なしです。
動けなくなったからと言って
仕返しに、サナギの汁は吸わないでね(笑)
***
サナギになってから6日後の朝
テントウムシが羽化していました\(^o^)/
あれ?星がふたつ?
卵を産んだのは、栗の木にいた10個星がある
こちらのテントウムシ、これが親だと思っていたので
とても意外でした。
そこで、またまた調べてみると・・・
このテントウムシは「ナミテントウ」という種類で
ナミテントウは、模様の違いで4パターンに分類されるそうです。
まず黒地に赤や黄色の「斑紋」(まだら模様)がある
①「二紋型」②「四紋型」③「斑型」と
赤や黄色地に黒い斑紋がある④「紅型」
他にも、斑紋が無く、赤や黄色一色のタイプがあるそうです。
この子は①の「二紋型」フタホシテントウでした。
テントウムシの斑紋のパターンは、遺伝子で決まるのですが
ナミテントウの斑紋の種類はとても多くて
約200種類くらいあるそうです。
※academist Journal様より画像をお借りしました
違う模様の親同士が交配すると
生まれてくる子の斑紋は必ず
両親の斑紋を重ね合わせた模様になります。
その時、赤と黒が重なる部分だけは、必ず黒くなるそうです。
黒一色のナミテントウがいない理由は、まったく逆の模様が無いからかな?
星の数がまちまちでも、鳥などの天敵から
「コレは不味い虫だ」と認識して貰えているのかも謎で・・・
昆虫の世界は奥が深いです(^^)
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テントウの「フタホシ」ちゃんを栗の木に放しにいきました。
テントウムシは成虫になってから、約2か月生きるそうですが
その間、1日に100匹のアブラムシを食べるそうです。
それを養っていくアブラムシは、害虫といえども
とても重要な虫なんですね。
テントウムシって身近にいて、みんなに愛されている昆虫なのに
知らない事ばかりでした。
機会があれば、卵からまた観察してみたいと思いました。
翅があって、好きなところへ飛んでいけるので
アブラムシをたくさん食べて
里帰りしてくれると嬉しいです(#^.^#)