風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

てんとう虫が羽化しました

2021年05月21日 | テントウムシの仲間

庭の、小さな鉢植えの栗の木に
産み付けられた卵から孵化した
テントウムシのチビちゃんたち
アブラムシを食べてくれる
頼もしい「チビテン」部隊が・・・
3日間、強風が吹き荒れた後
栗の木から、こつぜんと姿を消してしまいました。

葉っぱを一枚ずつめくって、一生懸命探したのですが
1匹もいません(ll゚д゚)
なぜ?どこへいったの??
あの強風で飛んでしまったのかな。

よく見ると、アブラムシもきれいさっぱりいなくなってる!
エサを食べ尽くして
どこかへ移動したのか?(そう思いたい)
もしかして・・食料不足で共食いした?

もう一度、念入りに葉裏を点検したら
ポツンと1匹だけ、残っている子を見つけました!
どうして、ひとりぼっち?
みんなどこへ行ったの?
聞きたいことは山ほどあるけど・・・
この子を部屋へ連れてきて、成虫になるまで飼育することにしました。


さっそくエサ探しです。
庭ではいま、ミカンの木がアブラムシだらけですが
アリがアブラムシを完璧に守っているので、手が出せず
近くの土手で、びっしりアブラムシが付いた
ノゲシを摘んできました。


連れてきた幼虫を、花の上にそっと乗せると
よほど空腹だったのか、すぐにアブラムシを食べ始めました。



いままで、飼育観察する虫のために採ってくるのは
葉っぱ、植物だけで
生餌しか食べない生物は、飼えないと思っていたのに
まさか自分が「アブラムシ」を採取する日が来るなんて・・・

アブラムシも、生きてる虫なので
じっくり見てしまうと、可愛く思えてきちゃいそうで
なんだか複雑な気持ちになりました。


それにしても、チビテンちゃんはよく食べます。
調べてみたら、テントウムシは幼虫期間が14日ほどあって
その間、毎日20匹くらいのアブラムシを食べます。
今回、栗の葉の裏には30個ほどの卵があったので
30匹の幼虫×20匹のアブラムシ×14日で
成虫になるまでに、8,400匹のアブラムシが必要になる計算です。
テントウムシの食欲に
アブラムシの「クローン増殖」が勝てなかったようです(^^ゞ


食べられずに生き残ったアブラムシは
ケースの中で脱皮して、翅の生えた成虫になっていきます。
そうするともう、テンちゃんは、それは食べたくないようなので
毎日、家から離れた場所へ翅アブラを放しに行って、その帰りに
新しいアブラムシをとってくることになりました(笑)

うちに連れてきて2日後
いつものように観察しようとケースを見ると
幼虫の体が真っ白になっていました。




脱皮したみたいです(^^)
ケースの壁面に脱皮痕がありました。
お尻から粘着物質を出して、体を固定して脱皮します。


テントウムシは成虫になるまで
3回脱皮するそうです。
今回の脱皮の数日後、サナギになったので
1回目と2回目は、外で済ませてきたようです。
栗の葉の裏に、何度目か不明ですが、細長い脱皮痕がありました。


脱皮の2日後、体色は黒く
背中の両わきに、オレンジ色の帯が出てきました。


この頃のテントウムシの幼虫は、体長が1センチくらいです。
アブラムシは1ミリ、2ミリかな。
こうして写真に撮って拡大してみると
アブラムシがけっこう可愛い顔をしていて
テントウムシは怪獣みたい。


もしも、もしもの想像で・・・
人間から見て、アブラムシが役に立つ益虫で
テントウムシが、害虫だったとしたら・・・
この姿、旺盛な食欲から
益虫を食べ尽くす「極悪害虫」なんて呼ばれるんだろうなぁ

**
この後すぐ、幼虫はあまり動かなくなって
エサも食べなくなりました。
そして3日後、ケースの隅っこでサナギになりました。


サナギになってしまえば、アブラムシはもう必要ないのですが
エサとして採ってきた葉に、アブの幼虫がくっ付いていて(^^ゞ
引き続き、アブラムシを採取する毎日が続きます(笑)

アリを蹴散らして、ミカンの葉にいた
アブラムシをとってきました。

サナギは変化なしです。
動けなくなったからと言って
仕返しに、サナギの汁は吸わないでね(笑)


***
サナギになってから6日後の朝
テントウムシが羽化していました\(^o^)/
あれ?星がふたつ?


卵を産んだのは、栗の木にいた10個星がある
こちらのテントウムシ、これが親だと思っていたので
とても意外でした。


そこで、またまた調べてみると・・・
このテントウムシは「ナミテントウ」という種類で
ナミテントウは、模様の違いで4パターンに分類されるそうです。

まず黒地に赤や黄色の「斑紋」(まだら模様)がある
①「二紋型」②「四紋型」③「斑型」と
赤や黄色地に黒い斑紋がある④「紅型」
他にも、斑紋が無く、赤や黄色一色のタイプがあるそうです。
この子は①の「二紋型」フタホシテントウでした。

テントウムシの斑紋のパターンは、遺伝子で決まるのですが
ナミテントウの斑紋の種類はとても多くて
約200種類くらいあるそうです。

※academist Journal様より画像をお借りしました

違う模様の親同士が交配すると
生まれてくる子の斑紋は必ず
両親の斑紋を重ね合わせた模様になります。
その時、赤と黒が重なる部分だけは、必ず黒くなるそうです。


黒一色のナミテントウがいない理由は、まったく逆の模様が無いからかな?
星の数がまちまちでも、鳥などの天敵から
「コレは不味い虫だ」と認識して貰えているのかも謎で・・・
昆虫の世界は奥が深いです(^^)


****
テントウの「フタホシ」ちゃんを栗の木に放しにいきました。
テントウムシは成虫になってから、約2か月生きるそうですが
その間、1日に100匹のアブラムシを食べるそうです。
それを養っていくアブラムシは、害虫といえども
とても重要な虫なんですね。


テントウムシって身近にいて、みんなに愛されている昆虫なのに
知らない事ばかりでした。
機会があれば、卵からまた観察してみたいと思いました。
翅があって、好きなところへ飛んでいけるので
アブラムシをたくさん食べて
里帰りしてくれると嬉しいです(#^.^#)