風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

朴の木、開花の観察記録

2020年05月12日 | 庭の植物
うちの庭にある樹木たちは
それぞれ色んな経緯でここに来て
適当に植えられながらも、たくましく育っているのですが
その中でも、特別な存在である「朴の木」に今年
植えてから初めて花が咲きました(#^.^#)


特別な存在というのは・・・
この木は母がまだ50代の頃、山歩きの途中に見つけた
菜箸くらい細く小さな実生の朴の木を、うちへ持って帰ってきて
庭のすみに植えたものです。

「土に突き刺した菜箸に、それと同じ太さの添え木・・・」
2本の棒が仲良く並ぶ光景を思い出すと、今でも笑えてきます(^O^)

あれから20年以上経ちました。
今では大木に育った朴の木を見上げながら
「一輪でいいから、花が見たいね~」と、毎年母と話していたのですが
その言葉を聞いていたのか、本当にひとつだけ(笑)
つぼみを付けてくれました。

見つけた時の、嬉しかったこと!!

***********************

狭い庭に、ひしめき合うように木が植えてあって
朴の木も、毎年剪定するので、こんなヘンテコな樹形です(^^ゞ


大きな葉です。


重なり合った葉の下に入ると、木漏れ日が本当に気持ちよくて
これだけで「森林浴」をしている気分になります。


5月9日の午後
つぼみを見つけてから5日後、皮がめくれて、花の先っぽの白色が見えてきました。


翌日の5月10日午後、花が開きました\(^o^)/
なんて運がいいんだろう(^m^)
つぼみが付いた枝が、一番低い場所の枝で
花をじっくり見られるので
開花から散るまでを、観察してみたいと思います!


朴の木の、花の寿命は短くて、だいたい3~5日だそうです。
開花初日は、花びらはずっと半開きです。


花の中央にある、赤い「雌しべの集合体」が反り返り、先端が開いています。
花粉を待っているようです。


翌朝、8時半に庭へ出てみると、花は閉じていました。
花粉が付いた雌しべを、大切に守っているように見えました。


お昼になると、花びらが大きく開いて
昨日はシュッと畳まれていた「雄しべの集合体」が
まるで花が開くように、広がっていました。


2日目の花は、雄しべが優位で、花粉を出し始めます。
昨日開いていた雌しべの先端は、ピッタリと閉じられています。
これは自分の花粉で受粉しないようにする仕組みだそうです。


*********************

朴の木の花には、蜜がありません。
なので、蜜を集める蜂やアブなどの「花から花へ離移動する」昆虫が来訪せず
花粉を食べる甲虫類などを強い香りで誘い、受粉をしてもらっています。
甲虫はひとつの花で、どっしりと腰を据えて、食事をするので(笑)
こうして雌しべと雄しべを時間差で優位にしても
自家受粉してしまう確率が高いのだそうです。

自家受粉でできた種子は、発芽してからの生育にかなり悪影響があって
生存率は、他家受粉の種で芽生えた個体の半分以下で
生き延びるのに適した性質の度合い「適応度」は、わずか2%しかないそうです。

それでも、朴の木は1億年も前からこのスタイルでやってきて
ちゃんと生き残っているのですから、すごいです。
「やっぱり蜜を出そうかな?」なんて考えずに、これからも我が道をゆくのでしょう(^m^)

*****************************

同じ日の午後3時半。
大きく開いた花びらが、反り返っていました。


役目を終えた雄しべが、早くも散り始めています。

朴の木の花は、力強く長期間咲いていると思い込んでいましたが
雌しべや雄しべは、たった1日だけに、受粉のチャンス賭けて
花を咲かせていたんですね・・・

3日目の朝です。
花びらは少し起き上がりましたが、もういい匂いはしなくて
少し触れるだけで、雄しべがパラパラと落ちていきます。


ちょっと切なくなりました。


4日目、今日の花です。


この後、雌しべはどうなっていくんだろう?
実は膨らんでくるかな?


うちの近所には、朴の木はないので
他の花の花粉での受粉はできなかったと思うけど・・・
もしも実が膨らんで、種ができたら嬉しいので、
この後も、観察を続けていきたいと思います(^-^)ゝ

短い時間でしたが、とても楽しませてもらいました!
ありがとうございました(#^.^#)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 番外編、コアシナガバチの巣... | トップ | 定点観察「ユリノキ」「モミ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ウルウル…(/_;) (stella)
2020-05-15 08:12:41
遂に咲いた朴の花。
咲こう咲こうと頑張っていた、聞いていた\(^o^)/
何て感動的!!
涙ぐんでいる私を想像してください。
そして、数日で散ってゆく…。
例え数日でも、fuyuさんとお母さんを喜ばせ
人生を全うしたんですねぇ。
返信する
感受性豊か! (fuyu325)
2020-05-16 15:24:23
stellaさんがウルウルしているの
想像してたら、私まで・・・(^m^)

自由に大きくしてあげられないのに
花を咲かせてくれた朴の木に
ありがとうと言いました。
母は本当に嬉しかったみたい(#^.^#)

コメントいつも
ありがとうございます\(^o^)/
返信する
Unknown (suimaruhakase)
2020-05-16 18:00:49
朴の木。
私はこの木の存在も『朴』もヤフーで『木にトの読み方』で検索して 初めて『ホウ』と読むことを知った程。

fuyuさんの記事を読んで 朴の木に生き方に感動です。
そして20年以上経って 今年咲いてくれるなんて。世の中がこんな時だから お庭に連れてきてくれたお礼にと、生きる力を見せてくれたのかもしれませんね。

生き物の力でこの後 種が出来てくれると良いですね。

私からも朴の木さんにお礼が言いたいです。
『ありがとう(^^)私も頑張るね』
返信する
Unknown (fuyu325)
2020-05-16 20:58:30
すい丸さん、興味を持って検索までしてくれたの
とても嬉しいです!ありがとうございます(#^.^#)

動植物の名前は、カタカナで表記するのが一般的だそうです。
でも、そのものによっては、和名が似合うというか
和名でしかその植物の雰囲気が出ない!みたいなものがあって(笑)
ホオノキは「朴の木」でしか、あの木の良さが出ない気がします(^m^)

植物もそうだけど、蜂やアリも、その他の生き物たちの
一切の迷いがない「生きる力」って本当にすごいと思います!
返信する

コメントを投稿

庭の植物」カテゴリの最新記事