風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

折れた心

2025-03-07 06:08:48 | 日記・エッセイ・コラム
4月より、新しい仕事に就きます。

その前に・・・。

農産物直売所に出荷する運びになっている、我が家の農家事情。

これがね、色々大変なんです。

先ずは、直売所の出荷者承認と登録が必要で、それが認証され大まかな栽培計画を提出するのです。

ところが、農家の出荷するものなんて殆ど変わりがないのは当り前。

だって同じ地区で、同じ土地柄で栽培するものに違いなんてあるはずがないもん。

例えばブロッコリーって、どの家でも栽培してますからね。

もう出荷過多になっていて、売れ残りが発生している訳ですよ。

名の知れた産地でもあるねぎであっても、いくら品質がよくても無理。

消費者さん、お客さんの数に対して出荷者さんが多すぎるという訳です。

多くのお客さんはこの町の周辺にお住まいの方で、良く知っておられますし、自宅でもちょっとだけ栽培してる方もいらっしゃいます。

売れ筋はほぼ決まってる感じなのでしょう。

店長から、栽培計画のうちこれとこれは辞めてくださいと。

ほう、そうですね、、、売れ残ってしまってはお店のイメージってものもありますからね。

ほぼ売り切って、品切れと言う方がお店にイメージとして、”良い物が揃ってる人気店”と感じさせたいのでしょう。

ここは足りなくても困るし、多すぎてもダメ、、、その兼ね合いが大切って事なんでしょうな。



それじゃぁ、この季節、何を作付けしようかと。

ビニールハウスでもあれば、案外何でも栽培できるんですよ。

だけど、そんな施設はありませんからね。

路地ではこの寒さの中、それでも何か栽培しようとすれば小トンネルで葉物野菜でも、と言うことになるのですよ。

ところが、一向に雨の降る気配がない。

雨が降らなければ種を播けない。

仕方なく播種後にじょうろで潅水しても発芽に適したような湿り気にはほど遠く・・・。

そうして苦労を重ね、やっと雨が降ればその雨が雪となり、、、見事に小トンネルを押しつぶしてくださるのです。



本職の農家さんは竹を割ったものを弓として小トンネルを作るのです。

これが優れもので、弾力もあれば強度もある。

このくらいの雪ではビクともしない。

ところが、こちらは親の代で使っていた強化プラスチックの細い弓。

いちころでしたわ。

もう見たくもない、目を負うような散々た現実。

あ~あ、そう簡単にはいきませんわな。

農家だって、いや、農家だからこそ資金力や技術、それと判断力が必要なのです。

にわか農家では太刀打ちできませんわな。

苦労がいっぺんで潰えましたわ。

まあ、小トンネルは崩壊しましたがね、その中の種は発芽し、そして育ってくれるとは思いますがね。

こんな苦労をしているなどと、消費者さんはこれっぽっちも知らずにいるんでしょうね。

お米の高騰、、、お米を買っている我が家の家計には厳しいですがね、農家さんにしてみればこのくらい高くても当然だと思っていることでしょう。

農家の道は厳しく、そして辛い。

潰され、折れ曲がり、まっぷたつに折れたコトンlを目の当たりにした今、本当の自然の厳しさや栽培の難しさを思いさらされたのであります。

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