あたりはまだ闇に包まれ、冷たい空気だけがその存在感をあらわにしています。
広く拓けた農村地帯。
遠く東の空がオレンジ色のグラデーションに彩られ、その手前には高圧線の鉄塔に点滅する赤いランプ。
そんな景色を貫く国道17号線を、まるで昇る太陽めがけて走るように東にハンドルを取ります。
「杉戸町新春マラソン」
杉戸町とは埼玉県東部の町。
隣に春日部市や幸手市などの頭部の中核都市に囲まれた静かな町です。
会場となる杉戸小学校は国道4号線から少し北に入った場所。
”町の小さな大会”
そんなイメージの大会でも、ゲストランナーにはおなじみ、気象予報士の平井信行さん、井田寛子さん。
そしてオリンピアの大島めぐみさんと豪華。
出場種目の10kmの部のスタートは、この日の震えるような寒さもまだ残る9時半と、寒さ嫌いの私にとっては辛いこと然り。
この日は最初から気持ちが走る方向へ向きませんでした。
自宅から約1時間と40分。
道すがら、思ったのが(たった10㎞のために・・・)
短い距離を走る時に決まって思うそんな気持ちをどうしても捨てきれません。
会場に着いたものの、そのまま走らず帰って練習にその時間を費やそうとか、他の家の用事を済ませちゃおうかとか、丸っきりやる気ゼロの状態。
その想いはどうしようもなく、だから短い距離の部門への参加をしばらく控えていたのはそんな理由でもあるのです。
しかし、ここまで来たのだからとアップを開始。
出かける時の氷点下の気温は、生憎雲にかくれた太陽に温められることもなく冷え切ったまま。
とてもこれでは肌を出して走る気にもなれず、長袖のシャツにウインドウブレーカーのパンツに毛糸の手袋。
周りを見てもこんな格好でスタートを切るランナーさんは見受けられません。
(みんな、強いなぁ)

スタートしてすぐに、自分の調子の悪いことに気がつきます。
(足が、お尻が、ガチガチに固まって自由に動かない)
(どうも着地が変だ)
(からだは前に行きたがってるのに足がついてこない)
(腿が上がってないのか、それともストライドがまったく伸びない)
(何とかしようと足掻くけど、どうにもズムが取れない)
思うことは下向きなことばかり。
それでも気持ちを取り戻して、きっとからだが温まればと後半に望みをつないでここは自重しようと、3kmくらいまででしょうか。
ほぼ、白旗状態です。
ラップを確認することもなく前を行くランナーにしがみつきますが、簡単に振りほどかれ惨めな思いに。
そうして8km過ぎでしょうか。
若干、足に余裕ができてちょっとだけスピードアップ。
(やっときたか)
しかし、それを打ち消すように、他のランナーさんもつられたようにスピードを上げていきます。
そりゃそうですね、ラスト2kmくらいになれば、あとは野となれ山となれ、捨て身のラストスパートをかけるのは当り前。
長い距離のレースとは違い、ラスト付近になっても落ちてくるランナーさんは殆どいません。
自分の出せるスピードを簡単に打ち破る若いひとたち。
(ああ、自分もあのくらいに走れたらなあ)
もうタイムは散々、、、覚悟してます。
時計なんか見たくもありません。
失意のゴールです。

(やっぱり走らなきゃよかった)
さっさと着替え、何も食べることもなく一目散に帰宅。
帰れば大阪国際女子マラソンで前田穂南選手が日本最高記録を樹立とな。
MGCで期待されながらも惨敗を喫して涙した選手の見事なリベンジの姿を見ることになるのです。
その感動は打ちひしがれた自分の気持ちを癒してくれたのでしょうか。
大会プログラムにあるQRコードを読み取ると、この日の大会のリザルトを確認できるシステムになっています。
会場ではリザルトなんか見る気にもなれませんでしたが、もう自分に期待もなく諦めの心境で”物見遊山”的な覗き見です。
するとどうでしょう。
ギリギリですが、ひとけた順位の中に自分の名前があるじゃないですか。
時間なんて47分台。
(こんなタイムで???)
で、やっと自分の計測したタイムとそのデーターを確認するのですが、ラスト2kmをかなり上げたと思っていましたが、ほぼイーブンのタイムで鹿ありませんでした。
(なんだこれは)
もっと上手く走っていればな、そんな気持ちもないわけではありませんが、やっぱりこの日は感覚が狂っていたようです。
ペースを下げた、上げた、実際にはキロ当たり数秒しか変化はありませんでした。
(感覚まで凍り付いていた?)

反省しようにもこの結果、言葉になりませんでした。
そもそも、前レースの5kmの結果が22分台。
だったらこの結果も至極当然。
何を期待していたのでしょう。
いや、タイムもそうですが、いつものパターンは後半のペースアップ。
それができていないということは、余裕がなかった、そこに尽きるのでしょう。
もちろん、10㎞のレースなんてこの頃じゃ滅多に走りません。
レースプランの無さもい、経験値もないそんなレース運びでうまく走れるわけもありません。
でも、違うんです。
口で言うのは(文字にするのは)できませんが、違うんです。
(ここじゃない)
走り方も、気持ちも、そして結果もなにもかもが違うんです。
どうしたら納得できる、いつもの自分らしい走りができるのか、本当に分からなくなってきています。
いつかの大会でこんなささやきが聞こえてきました。
「10K、1時間かからず走れるって凄いよな」
今はそれだけを自分の支えに走るだけ、そんなことで納得はできるはずもありませんが、早く自分を取り戻したい気持ちでいっぱい。
それが今回走った「杉戸町新春マラソン」でした。
広く拓けた農村地帯。
遠く東の空がオレンジ色のグラデーションに彩られ、その手前には高圧線の鉄塔に点滅する赤いランプ。
そんな景色を貫く国道17号線を、まるで昇る太陽めがけて走るように東にハンドルを取ります。
「杉戸町新春マラソン」
杉戸町とは埼玉県東部の町。
隣に春日部市や幸手市などの頭部の中核都市に囲まれた静かな町です。
会場となる杉戸小学校は国道4号線から少し北に入った場所。
”町の小さな大会”
そんなイメージの大会でも、ゲストランナーにはおなじみ、気象予報士の平井信行さん、井田寛子さん。
そしてオリンピアの大島めぐみさんと豪華。
出場種目の10kmの部のスタートは、この日の震えるような寒さもまだ残る9時半と、寒さ嫌いの私にとっては辛いこと然り。
この日は最初から気持ちが走る方向へ向きませんでした。
自宅から約1時間と40分。
道すがら、思ったのが(たった10㎞のために・・・)
短い距離を走る時に決まって思うそんな気持ちをどうしても捨てきれません。
会場に着いたものの、そのまま走らず帰って練習にその時間を費やそうとか、他の家の用事を済ませちゃおうかとか、丸っきりやる気ゼロの状態。
その想いはどうしようもなく、だから短い距離の部門への参加をしばらく控えていたのはそんな理由でもあるのです。
しかし、ここまで来たのだからとアップを開始。
出かける時の氷点下の気温は、生憎雲にかくれた太陽に温められることもなく冷え切ったまま。
とてもこれでは肌を出して走る気にもなれず、長袖のシャツにウインドウブレーカーのパンツに毛糸の手袋。
周りを見てもこんな格好でスタートを切るランナーさんは見受けられません。
(みんな、強いなぁ)

スタートしてすぐに、自分の調子の悪いことに気がつきます。
(足が、お尻が、ガチガチに固まって自由に動かない)
(どうも着地が変だ)
(からだは前に行きたがってるのに足がついてこない)
(腿が上がってないのか、それともストライドがまったく伸びない)
(何とかしようと足掻くけど、どうにもズムが取れない)
思うことは下向きなことばかり。
それでも気持ちを取り戻して、きっとからだが温まればと後半に望みをつないでここは自重しようと、3kmくらいまででしょうか。
ほぼ、白旗状態です。
ラップを確認することもなく前を行くランナーにしがみつきますが、簡単に振りほどかれ惨めな思いに。
そうして8km過ぎでしょうか。
若干、足に余裕ができてちょっとだけスピードアップ。
(やっときたか)
しかし、それを打ち消すように、他のランナーさんもつられたようにスピードを上げていきます。
そりゃそうですね、ラスト2kmくらいになれば、あとは野となれ山となれ、捨て身のラストスパートをかけるのは当り前。
長い距離のレースとは違い、ラスト付近になっても落ちてくるランナーさんは殆どいません。
自分の出せるスピードを簡単に打ち破る若いひとたち。
(ああ、自分もあのくらいに走れたらなあ)
もうタイムは散々、、、覚悟してます。
時計なんか見たくもありません。
失意のゴールです。

(やっぱり走らなきゃよかった)
さっさと着替え、何も食べることもなく一目散に帰宅。
帰れば大阪国際女子マラソンで前田穂南選手が日本最高記録を樹立とな。
MGCで期待されながらも惨敗を喫して涙した選手の見事なリベンジの姿を見ることになるのです。
その感動は打ちひしがれた自分の気持ちを癒してくれたのでしょうか。
大会プログラムにあるQRコードを読み取ると、この日の大会のリザルトを確認できるシステムになっています。
会場ではリザルトなんか見る気にもなれませんでしたが、もう自分に期待もなく諦めの心境で”物見遊山”的な覗き見です。
するとどうでしょう。
ギリギリですが、ひとけた順位の中に自分の名前があるじゃないですか。
時間なんて47分台。
(こんなタイムで???)
で、やっと自分の計測したタイムとそのデーターを確認するのですが、ラスト2kmをかなり上げたと思っていましたが、ほぼイーブンのタイムで鹿ありませんでした。
(なんだこれは)
もっと上手く走っていればな、そんな気持ちもないわけではありませんが、やっぱりこの日は感覚が狂っていたようです。
ペースを下げた、上げた、実際にはキロ当たり数秒しか変化はありませんでした。
(感覚まで凍り付いていた?)

反省しようにもこの結果、言葉になりませんでした。
そもそも、前レースの5kmの結果が22分台。
だったらこの結果も至極当然。
何を期待していたのでしょう。
いや、タイムもそうですが、いつものパターンは後半のペースアップ。
それができていないということは、余裕がなかった、そこに尽きるのでしょう。
もちろん、10㎞のレースなんてこの頃じゃ滅多に走りません。
レースプランの無さもい、経験値もないそんなレース運びでうまく走れるわけもありません。
でも、違うんです。
口で言うのは(文字にするのは)できませんが、違うんです。
(ここじゃない)
走り方も、気持ちも、そして結果もなにもかもが違うんです。
どうしたら納得できる、いつもの自分らしい走りができるのか、本当に分からなくなってきています。
いつかの大会でこんなささやきが聞こえてきました。
「10K、1時間かからず走れるって凄いよな」
今はそれだけを自分の支えに走るだけ、そんなことで納得はできるはずもありませんが、早く自分を取り戻したい気持ちでいっぱい。
それが今回走った「杉戸町新春マラソン」でした。
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