(前の記事からの続き)
○暗闇
淳一が 全身激しい痙攣に 襲われている。
意識傷害を起こし、 うわ言をわめいてい
る。
美和子が狂乱して 淳一を抱きしめる。
美和子 「ジュン……!! しっかりして、
ジュン………!!」
震えつづける淳一。
美和子 「死んじゃイヤ…… 死なないでェ……
…!! ジュン! ジュ~~~~ン……
…!!」
○佐伯宅・ 美和子の寝室
がばっと 夢から覚める美和子。
べっとり 脂汗をかいている。
美和子 「………」
額の汗をぬぐい、 ベッドから立つ。
ガウンをはおり、 そっと部屋を出る。
○同・ 淳一の部屋の前
美和子が来る。
静かに ドアに顔を近づける。
○同・ 淳一の部屋の中
淳一が光の中、 サングラスをかけて 眠っ
ている。
○同・ 淳一の部屋の前
美和子、 ドアの前で 膝を抱えて座る。
頭を垂れ、 目を閉じる。
○東央大病院・ 第二内科
美和子、 若林が 淳一に交換輸血をしてい
る。
世良もいる。
淳一 「やっと 来るべきものが来たって 感じで
すね」
若林 「一過性かもしれないし、 心配しなくて
も大丈夫だ」
世良 「ジュンくん、 頑張るんだよ」
若林 「当面は週一回 交換輸血をして、 それか
ら 光線治療の光量も強くしよう」
淳一 「取り替えるならインバーターにして
よ」
美和子 「……肝臓も 取り替える……」
淳一 「………(美和子を見る)」
美和子 「………」
淳一 「(目を背けて) ………きのうは悪かっ
たな………」
美和子 「………(安堵)」
(次の記事に続く)