○ 診断基準1: 見捨てられ不安
BPDの人は、 現実あるいは 想像上の脅威にも反応します。
彼らは想像力に富んでいます。
見捨てられるということは、 愛情そのものの喪失です。
それは感情的な距離, 「一体感」 における 大きすぎる隙間です。
BPDの人の場合、 大切な人との意見の相違は、 小さなことでも影響を及ぼします。
感情の距離は、 何によっても引き起こされます。
BPDの人は この距離を拒否として感じ、 必死に防衛することになってしまいます。
○ 診断基準2: 理想化と価値下げを行き来する 不安定な関係
この思考プロセスは 「スプリッティング(分裂)」 と呼ばれます。
それは知らぬ間に起こり、 世界, 自分自身, 親密な関係に 影響を及ぼします。
そのため ほとんどの問題の 裏に潜んでいます。
BPDの人は、
ある人に対する肯定的, 否定的な感情を 調和させることができません。
そして自分の意見を 一瞬のうちに変えることができます。
これまで違った感じ方をしてきたことは、 記憶から消えてしまうのです。
あるいは、
反対に感じていたことを 思い出すことができても、 それが何故か分かりません。
酔っぱらいのように、 馬鹿げたことをして 翌日目を覚まし、
どうしてそんなことをしたか 分からないようなものです。
○ 診断基準3と7: 不安定な自己像と空虚感
夫や母親などの 役割を果たすことで、 空虚感はいくらか満たされます。
しかし子供の自立や 離婚の恐れなど、 役割が脅かされると 殻が崩れ始めます。
実際にはBPDの人も、 中核的信念をひとつ持っています。
「自分は価値のない人間だ」 ということです。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
(次の記事に続く)