DSMの診断項目を、 思考, 感情, 行動をコントロールする特徴の、
3つのグループに整理し直すことができます。
思考, 感情, 行動は 次々に順番に起こります。
○ 思考の障害
鍵になるのはスプリッティングです。
思考が現実を形作り、 反応の仕方を決定します。
それは自動的で 習慣性があります。
「感情は事実に等しい」 という歪みです。
認知の歪みには 次のようなものがあります。
・ 感情は事実に等しい: 感情は解釈に影響を与える
現実とかけ離れた解釈をする
・ 早合点: 自分の考えと反対の事実を 退ける
・ 読心術: 他者が自分を 悪く思っていると思い込む
・ 破局視: 最悪の事態が起こり、 何もできないと考える
自傷や自殺企図などにつながりかねない
・ 批難: 責任を他者に負わせる
自分の考えと反対の事実を 打ち負かす
・ 肯定的な事柄の無視: スプリッティングと似ている
望ましいことも無視する
・ 精神のフィルター: 自分への批判に反応し、 深い傷となる
称賛は退けられる
○ 感情の障害
激しい怒り, 不安定で苛立った気分, 見捨てられ不安,
圧倒的で持続的な空虚感があります。
自分は無力で、 価値がないと感じています。
○行動の障害
自己にダメージを与える衝動性で、
自殺行動, 自傷行為, 怒りの制御困難などです。
他者を混乱させることや、 批判や脅しなどが含まれます。
BPDの王様と言える特徴は、
極端な理想化と 価値下げの間を行き来する 対人関係です。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕