「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDを説明する 統合的アプローチ

2013年12月28日 22時40分07秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 DSMの診断項目を、 思考, 感情, 行動をコントロールする特徴の、

 3つのグループに整理し直すことができます。

 思考, 感情, 行動は 次々に順番に起こります。

○ 思考の障害

 鍵になるのはスプリッティングです。

 思考が現実を形作り、 反応の仕方を決定します。

 それは自動的で 習慣性があります。

 「感情は事実に等しい」  という歪みです。

 認知の歪みには 次のようなものがあります。

・ 感情は事実に等しい: 感情は解釈に影響を与える

  現実とかけ離れた解釈をする

・ 早合点: 自分の考えと反対の事実を 退ける

・ 読心術: 他者が自分を 悪く思っていると思い込む

・ 破局視: 最悪の事態が起こり、 何もできないと考える

  自傷や自殺企図などにつながりかねない

・ 批難: 責任を他者に負わせる

  自分の考えと反対の事実を 打ち負かす

・ 肯定的な事柄の無視: スプリッティングと似ている

  望ましいことも無視する

・ 精神のフィルター: 自分への批判に反応し、 深い傷となる

  称賛は退けられる

○ 感情の障害

 激しい怒り, 不安定で苛立った気分, 見捨てられ不安,

 圧倒的で持続的な空虚感があります。

 自分は無力で、 価値がないと感じています。

○行動の障害

 自己にダメージを与える衝動性で、

 自殺行動, 自傷行為, 怒りの制御困難などです。

 他者を混乱させることや、 批判や脅しなどが含まれます。

 BPDの王様と言える特徴は、

 極端な理想化と 価値下げの間を行き来する 対人関係です。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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