「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

徹底的受容と初心者の心

2016年08月03日 19時41分10秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 徹底的受容とは、
 
 自分や他人を 価値判断したり批判したりせず、 状況を観察することです。
 
 しかし、 肯定的な価値判断もまた、 問題である可能性があります。
 
 圧倒されるような感情を持つ人は、
 
 相手が自分によくしてくれるときは その人を好きですが、
 
 彼の気分を害することをすると、 彼は怒り、
 
 その人に  「悪い人」 というレッテルを貼ります。
 
 私たちは、 信頼している人に 傷つけられることもあります。
 
 完璧な人やものなどはないので、
 
 誰かを100%よい, 信用できると判断してしまうと、 失望しやすくなるのです。
 
 だからといって 誰も信用すべきでないというのではありません。
 
 人や状況に対して、 よいか悪いかなど、
 
 肯定的, 否定的な価値判断をせずに アプローチするべきということです。
 
 これは 「初心者の心」 と呼ばれます。
 
 どんな状況や関係にも、
 
 それらを全く初めて見るかのように 入っていくべきだという意味です。
 
 この繰り返し起こる目新しさが、
 
 現在の瞬間に 以前の価値判断を 持ち込むことを防ぎ、
 
 マインドフルでいることが可能になるのです。
 
 状況を新鮮なままにしておくことは、 感情をよりよく 管理する点でも役立ちます。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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