○ 他の人との マインドフルなコミュニケーション
マインドフルネスなコミュニケーションは、
よりうまくいく関係の 秘訣となることが多いのです。
相手に価値判断な発言をすると、 関係を失う可能性は高いでしょう。
ここでは、 自分が人に送るメッセージに対して、
よりマインドフルになる方法を 検討しましょう。
次の発言について 考えてみてください。
① 「君には腹が立つ」
② 「君があんまり嫌な人なので 声を上げそうだ」
③ 「あなたがあまり 私の気を逆なですると、 全て終わりにしたくなる」
④ 「あなたは 私を傷つけるためにそうしたんだろう」
これらの発言に共通するのは、 全て相手についての 価値判断であるということです。
これらの発言を 誰かに言われたら、 あなたはどのように感じるでしょう。
あなたは同じような 怒りの発言を返し、 喧嘩になるかもしれません。
その結果、 何も解決されません。
解決策のひとつは、 「あなた」 を主語にした発言を、
マインドフルな 「私」 を主語にした発言に 変えることです。
それは 以下のような特性があります。
・ あなたがどう感じるか、 あなた自身の マインドフルな認識に基づいています。
・ あなたがどう感じるかの、 より正確な表現です。
・ あなかがどう感じるかを、 価値判断でない形で 人に知らせます。
・ 相手に より大きな共感と理解を 喚起させ、
それによって 相手があなたのニーズを 満たすのを可能にします。
先の4つの例を 「私」 を主語にした発言に 変えてみましょう。
① → 「いま私は とても腹を立てている」
それほど価値判断したり、 非難しているように 聞こえなくなりませんか?
② → 「私はとても怒っていて、 声を上げそうだ」
相手は、 自分が非難されていると感じることはなく、
より進んで 話を聞こうとするでしょう。
③ → 「私はとても気分を害し、 絶望的に感じて、 ひどく落ち込んでしまう」
④ → 「私は、 あなたがそうしたとき、 とても傷ついた」
マインドフルな 「私」 を主語にした発言は、
あなたがどう感じるかを より正確に伝え、
あなたのニーズが叶えられる 可能性がより高くなるのです。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]