「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

マインドフルネスの実践

2016年08月11日 20時04分04秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
○ 他の人との マインドフルなコミュニケーション
 
 マインドフルネスなコミュニケーションは、
 
 よりうまくいく関係の 秘訣となることが多いのです。
 
 相手に価値判断な発言をすると、 関係を失う可能性は高いでしょう。
 
 ここでは、 自分が人に送るメッセージに対して、
 
 よりマインドフルになる方法を 検討しましょう。
 
 次の発言について 考えてみてください。
 
① 「君には腹が立つ」
 
② 「君があんまり嫌な人なので 声を上げそうだ」
 
③ 「あなたがあまり 私の気を逆なですると、 全て終わりにしたくなる」
 
④ 「あなたは 私を傷つけるためにそうしたんだろう」
 
 これらの発言に共通するのは、 全て相手についての 価値判断であるということです。
 
 これらの発言を 誰かに言われたら、 あなたはどのように感じるでしょう。
 
 あなたは同じような 怒りの発言を返し、 喧嘩になるかもしれません。
 
 その結果、 何も解決されません。
 
 解決策のひとつは、 「あなた」 を主語にした発言を、
 
 マインドフルな  「私」 を主語にした発言に 変えることです。
 
 それは 以下のような特性があります。
 
・ あなたがどう感じるか、 あなた自身の マインドフルな認識に基づいています。
 
・ あなたがどう感じるかの、 より正確な表現です。
 
・ あなかがどう感じるかを、 価値判断でない形で 人に知らせます。
 
・ 相手に より大きな共感と理解を 喚起させ、
 
  それによって 相手があなたのニーズを 満たすのを可能にします。
 
 先の4つの例を  「私」 を主語にした発言に 変えてみましょう。
 
① → 「いま私は とても腹を立てている」
 
 それほど価値判断したり、 非難しているように 聞こえなくなりませんか? 
 
② → 「私はとても怒っていて、 声を上げそうだ」
 
 相手は、 自分が非難されていると感じることはなく、
 
 より進んで 話を聞こうとするでしょう。
 
③ → 「私はとても気分を害し、 絶望的に感じて、 ひどく落ち込んでしまう」
 
④ → 「私は、 あなたがそうしたとき、 とても傷ついた」
 
 マインドフルな  「私」 を主語にした発言は、
 
 あなたがどう感じるかを より正確に伝え、 
 
 あなたのニーズが叶えられる 可能性がより高くなるのです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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