○ マインドフルネスと瞑想
マインドフルネス・スキルは 東洋の瞑想の伝統と 直接結びついています。
多くの医療の専門家たちは、
ストレス, 慢性疼痛, 不安, うつ病, がんの治療にも、
マインドフルネスを適用することに 関心を持つようになりました。
健康やヒーリングのための訓練は、 特定の信仰を必要としません。
親切な心, 思いやり, 広さ, 静けさといった 「心のこもった」 特性に、
より意識的に注意を向けることで、 マインドフルネスをサポートしてくれます。
○ 親切な心や思いやりを用いて、 マインドフルネス・スキルを強化する
DBTの中核的な 「how」 スキルとは、 価値判断をしないことです。
マインドフルネスを基にする ストレス緩和法で、
最初に必要な姿勢が、 価値判断をしないことです。
全部で7つの姿勢があり、
忍耐, 初心者の心, 信頼, 無抵抗, 受容, 解放があります。
価値判断と批判の習慣は、 ほぼ全ての人の中に 深く植えつけられたものです。
瞑想の師たちは、 長い間、
親切な心や思いやりの姿勢で マインドフルネスを築く 重要性を説いてきました。
注意, 認識, 理解, 思いやりが、 全ての瞑想の基本を 形成しています。
思いやりは瞑想の根本原理であり、
瞑想とは、 自己愛的な自己本位の軌道ではありません。
マインドフルネスとは、 いかにして注意を払うかについてです。
7つの姿勢に加え、 マインドフルネスの 感情的 (心の) 側面に対応するための、
5つの 「心の」 特質として、
感謝, 優しさ, 寛大さ, 共感, 慈愛があります。
慈愛の形の瞑想は、 マインドフルネスを支持し、 治癒的可能性を持ちます。
慈愛は、 許しと無条件の愛に満ちた 特質です。
慈愛は マインドフルネスのパワフルな助力となる 可能性があります。
思いやりと慈愛を 注意の中に組み込み、 親切心に任せるのは、
価値判断や批判といった 根深い習慣に陥るのを防ぎ、
真に価値判断をしない DBTの 「how」 スキルを サポートするでしょう。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]