( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54529668.html からの続き)
BPDと解離の関係について、
遺伝子が関与しているかもしれない という研究もされています。
特定の染色体が、BPDの解離現象に 強い関連があると言われます。
また、解離を起こしている人の 脳内の代謝変化を調べると、
外的なできごとによって 情緒反応をきたしている部分に、
異常な活性化が起きていることが 明らかになりました。
特に前頭野の 異常な反応は、解離状態のBPDの人が 自傷するとき
痛みを感じないことの 説明になるかもしれません。
解離症状は、体内のエンドルフィン (モルヒネに似た働きをする) に
関連するという 仮説があります。
重度のストレスがあるとき、痛みや不安を減少させる 鎮静物質の分泌が促されます。
BPDの 急性の精神病様症状は、統合失調症や双極性障害,薬物中毒にも似ています。
しかし 治療方法は異なるので、正確な診断が重要です。
精神療法は BPDの治療の中心ですが、他の疾病に施されることは 余りありません。
統合失調症や双極性障害は 慢性的で、脳内の変化による 疾患と見なされており、
薬物療法と行動療法が 適すると考えられています。
抗精神病薬は BPDの現実認識のゆがみを 軽減します。
不安とうつにも 効果があります。
○BPDの精神病症状との付き合い方
BPDの人が 非現実感や妄想を経験しているとき、論理的な会話は役立ちません。
その人を落ち着かせるよう、優しく語りかけることが 初期の最善の方法です。
見捨てられることの恐怖は、多くの場合 精神病様症状を突然引き起こしますが、
静かな心地よい環境で、親しく信頼できる人に 守られることが最適です。
ナイフなどの危険物は 取り除きます。
一人のときは 家族や友人の 助けを借りましょう。
医療スタッフの援助が 必要なこともあります。
これらの症状は 一過性であることが多いため、徐々に、または 突然に消失します。
穏やかで安全な 環境が整えば、すぐに現実感を 取り戻すことができます。
〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕