「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

治療方法 (1) (治療者の資質)

2008年06月17日 21時52分13秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
 BPDの人に対応する 専門家が持つべき資質は、

 以下のようなことがあります。

 これらは 通常の対人関係にも 当てはまります。

・一貫性

 BPDの人の人間関係は、信頼の欠如と裏切りで 彩られてきました。

 行動や話し方の 一貫している態度が、

 彼らに安定感を与え、信頼を育む上で 大切です。

・正直

 誠実であることも、信頼を維持するために 必要です。

 BPDの人は 搾取されてきた過去があるので、

 正直で正しいことをする人と 接することによって、

 人間や世界は 信頼できるという希望を 持つようになります。

・約束

 BPDの人は 見捨てられることを恐れているので、

 関係を続けていくと 宣言する必要があります。

 BPDの人は 白か黒かの考え方をするため、

 相手が自分に 傷つけられたり怒ったりしても、

 関係を維持していこうとするのが 理解しにくいからです。

・柔軟性と寛大さ

 BPDの人は、自分の同一性や感情に 自信がないことが多いので、

 人に方向づけをしてほしいと 求めます。

 しかし コントロールされたい気持ちは、相手に取り込まれる恐怖と 表裏一体で、

 裏目に出ると 相手は怒りの対象になってしまいます。

 柔軟で寛大な態度が 人間関係を健全なものにします。

・見通し

 BPDの人は すぐ自暴自棄になってしまうので、

 巻き込まれないよう 見通しを持っておくことは重要です。

 忍耐強く、堂々とし、機を見計らったユーモアがあれば、

 BPDの人から よい反応を引き出せるでしょう。

・敬意と称賛

 BPDの人が 自分の痛みに直面し、一歩を踏み出そうとしていることに、

 敬意と称賛を示します。

 それが強いつながりを 生むでしょう。

・共感

 BPDの人の 突然の変化は、他人には奇異に映ります。

 自傷行為や妄想,解離などの背後に 何があるのか、

 理解して共感を示し、気持ちを通わせることが 欠かせません。

 BPDの人が 自分の言動を理解し、

 逸脱しないよう サポートすることで、関係が育まれます。

〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54779892.html