「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

治療方法 (4) (弁証法的行動療法)

2008年06月25日 21時18分28秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54837215.html からの続き)

 弁証法的行動療法 (DBT) は 認知行動療法のひとつで、

 BPDに対する治療として 最も系統的な研究がなされています。

 この治療は、誤った考え方の癖 (認知) が 不適切な行動を招き、

 心理的な苦悩を招くという 仮説に立っています。

 感情のコントロール技術を学び、治療意欲を高めるために、

 週1回の 個人療法と集団療法を受けます。

 学んだ技術を 個々の状況で応用するため、電話相談も勧められます。

 治療には 4段階のステージがあります。

 ステージ1は、行動をコントロールするための スキルを伸ばします。

 ステージ2では、過去のトラウマに注目し、それを乗り越える手助けをします。

 ステージ3は、自尊心について取り組みます。

 ステージ4の目的は、一人でいても幸福と 感じられるようにすることです。

 
 DBTは 他の支持的療法に比べて、治療に取り組みやすく、

 自傷行為や入院が少なくすむ という結果が出てきます。

 物質依存や過食症の治療にも、期待ができるようになってきました。

 
 認知行動療法の修正版では、生活の中で 他者の存在を重んじています。

 このプログラムは 「STEPPS」 と呼ばれます。

(Systems Training Emotional Predictability and Problem-Solving)

 制御できない激しい感情に 重点を置いています。

 家族,友人,恋人,医療者など、BPD患者を取り巻く 交流関係を重視し、

 グループ教育が行なわれます。

 患者と周囲の人に、BPDに関する 情報を提供し、

 不適切な行動を変えるための 技術的トレーニングを行ないます。

 病気について知ってもらい、患者の役に立つための 方法を学んでもらうためです。

〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54891882.html
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする