秋葉原で無差別殺人事件が 起きてしまいましたが、
治安は本当に悪くなっているのか、6月10日の朝日新聞からの記事です。
殺人,強盗,放火,強姦で逮捕された 「凶悪犯」 は、
2000年は7488人でしたが、06年は6459人に減っています。
ところが 04年の調査では、61%の人が 「治安が悪い」 と感じ、
75.5%が 「過去より治安が悪くなった」 と 答えています。
実際は 悪くなったとは言えないのに、
体感治安が悪化しているのは 何故でしょうか?
通り魔的な事件が 頻発していることが、ひとつの要因と 指摘されています。
犯罪と無関係だった人間が 突然、
面識のない 不特定多数の人たちに 狂気の刃を向ける。
自分もいつどこで 被害に遭うか分からない、という恐れでしょう。
共同体の崩壊と 人間関係の希薄化が、漠然とした不安を 招くとも言います。
犯行動機が明らかでない 事件が増えていることも、
社会に不安を与える という意見もあります。
動機不詳の凶悪犯は、00年の103人から、03年には140人に 急増しました。
また、凶悪事件を大々的に取り上げる、ワイドショーやネットなど
メディアの影響力などもあるだろうと、個人的には思います。
しかし それでもまだ、他の国に比べれば 日本は安全だといいます。
殺人事件の認知件数自体は、戦後混乱期を頂点にして 現在まで減り続けており、
約3分の1になっているのです。
ところで 12日の記事にも書いたように、終身刑を設けている 多くの国は、
仮釈放を認めており、実質的に 日本の無期懲役と同じです。
一方、昨日の記事のように、
日本の無期懲役は 仮釈放のない絶対的終身刑に 近寄っています。
死刑,終身刑,無期懲役刑を 考えるに当たって、
このような事実を きちんと踏まえておく 必要があるでしょう。
国民が量刑も決める 裁判員制度では、
感情やムードに流されない 理知的な判断が 求められると思います。