(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53994177.html からの続き)
弁証法的行動療法 (DBT) は、
BPDの 自殺行為や自傷行為を 減らすために開発されました。
ワシントン大学の マーシャ・リネハンが創始者です。
歪んだ思考を訂正して、不適切な行動を変化させるという、
認知行動療法の形を取ります。
目的は 現在の気分や行動を 変えることであって、
過去を振り返って 意識下の洞察をすることは 重要ではありません。
そこが、精神分析的精神療法と異なる点です。
「白か黒か」 の思考に直面し、そこから脱却して、
「白と黒」 の状態を目指します。
「 or 」 ではなく 「&」 であり、
相反するものを 共に受容するという、逆説や矛盾を強調します。
今の自分自身を 受け入れると同時に、将来に向け 自分を変えていくという、
弁証法的な矛盾に 焦点を当てるのです。
曖昧さに耐えられない BPDの人にとって、それは欲求不満を招くでしょう。
自己受容は、重要な努力目標です。
DBTは 次の4つの要素で 構成されます。
1.集団療法
ソーシャルスキルを向上させます。
2.個人療法
動機付けを維持し、対処法を補強します。
3.電話相談
治療以外の場での 技術の応用をします。
4.チームコンサルテーション
治療メンバーのサポートをします。
リネハンは、治療者の持つべき特性について、こう言っています。
「 患者の今ある能力を 理解し、適応行動や自己コントロール力を 強化し、
BPD患者が自分で対処できるときには 手助けをしない。」
患者を問題に 直面させる際には、温かさと厳しさの バランスを保ち、
毅然とした態度と ユーモアが大切です。
DBTが最優先するのは、自傷行為を防ぐことです。
第二には、治療を継続させることです。
それらが達成されたあとで、生活の質の向上を 目指していきます。
〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕
〔参考記事: http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45269689.html 〕