なぜ,日本の女性技術者は少ないの?
本当に切ないけど、小さい子供を抱えて仕事をする女性の突き当たる壁というのは、これなんじゃないかと思う。
もっと切ないのは、企業経営者が女性の登用ということを、きれい事かも知れないけど口に出している一方で、バックラッシュ。現場の男性たちは、成果主義や年功序列の否定という状況の中で、女性たちを優遇するなと、言わんとしているような。
この溝はどこまで言っても埋まらないかも知れないという悲しい予感を感じつつ、日本の経済の今後は、女性とか外国人とか非正規雇用者とか日本の企業社会の中でマイノリティと思われてきた人々をどう活用するかということなんだよなぁとも思わずにはいられない。
大手電機メーカーを退職し,現在は大学院の博士課程で学ぶある女性技術者は,調査報告書に収録された座談会の中で次のように語っています。
「6時15分に職場を走って出ないと間に合わないというときに,職場の人に『そんなに急いで帰ってどうするんだ。子供なんか別に放っぽり出されるわけじゃないだろう。保育園に10分15分遅れたって,良心があるから見てるだろう。子供の顔をそんなに早く見たいのか』と言われて,もう何を話してもむだだなと思いました」
これは特別なことではないでしょう。筆者も12年前,0歳児を保育園に迎えに行くのに6時に会社を出ようとしたら,当時の編集長に突然「6時半からの会議に出ろ」と言われて途方に暮れたことがあります。
毎日定時退社することに対して後ろめたさを感じ,一方で保育士に遅刻して迷惑をかけられないというプレッシャーから,必要がなくても走ってしまうのが母親の心理です。これが毎日,毎日,長い人は10年以上も続きます。この現実を理解できていたら,このような言葉が口から出ることはないでしょう。
本当に切ないけど、小さい子供を抱えて仕事をする女性の突き当たる壁というのは、これなんじゃないかと思う。
もっと切ないのは、企業経営者が女性の登用ということを、きれい事かも知れないけど口に出している一方で、バックラッシュ。現場の男性たちは、成果主義や年功序列の否定という状況の中で、女性たちを優遇するなと、言わんとしているような。
この溝はどこまで言っても埋まらないかも知れないという悲しい予感を感じつつ、日本の経済の今後は、女性とか外国人とか非正規雇用者とか日本の企業社会の中でマイノリティと思われてきた人々をどう活用するかということなんだよなぁとも思わずにはいられない。