朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

伊賀肉のすき焼き

2009-05-07 | 食べること、レストランなど
伊賀は牛肉の銘柄産地でもあります。
 産地呼称が、現在ほど厳密では無かった時代、「松阪牛」をこの地域からも供給していました。「神戸ビーフ」も同様に、但馬、丹後や丹波などの農村で生産されていたと思います。

 清酒の産地も同じ。昔は地方の中小醸造所の製品を「たる」で納入して、灘や伏見の全国ブランド清酒として販売したようです。
 OEM(相手先ブランド)の走りです。

 無名地方の産物を販売するための手法です。特に、清酒製造業は厳密な「免許制」ですが、その反面手厚い「保護」を受けています。酒税の税率は極めて高いので、倒産回避や脱税販売を規制するという大義名分により、当時の大蔵省が手厚く保護しました。販売力のない地方清酒を大手ブランドとして販売させたのでしょう。

 この「寿き焼き」は、調理方法が東京風とは異なります。

 まず、鉄ナベを適度に熱しておき、牛脂で鍋に油を敷きます。
 そこに、いきなり霜降り肉を敷き詰めて、ジャーンと焼きます。上から白い砂糖をはらはらと振りかけます。ひっくり返して、肉の焼き上がり。
 生卵を溶いた付け碗にとっていただきます。

 ふんわりと軟らかく、甘く、爽やかなうまさでした。

 その後は、野菜、豆腐、しいたけ、糸こんにゃくを入れて、さらに肉をかぶせるように乗せて焼きます。野菜は、たまねぎ、白菜、青ねぎ、人参ですが、今回は青ねぎの端境期で、なんと「たまねぎの葉」を使いました。それがまた、しっかりとした旨みが出てきて美味しかった。

 いわゆる「割り下」は使いません。砂糖と醤油だけ。あとは野菜からの水分のみ。ここが東京との違い。

 伊賀市の肉屋兼すき焼きやとして元祖の「金谷」にて食しました。この店での熱源は都市ガスでした。(京都三嶋亭では電気、松阪和田金では炭火)

 外国人の知人を連れてきたことも2回ほどあり、大変に喜ばれました。もう相当に昔の話しですが。

 町家の二階に並ぶ畳の座敷、床の間付きの部屋にてすき焼きを楽しみました。








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