ひがし茶屋街に隣接する「加登長」。
看板や幟に統一感がまったくなくて、いかにもローカルな食堂という雰囲気ですが、、、
(金沢名物ハントンライスという言葉にも惹かれましたが)
「…金沢に住んでいた頃、よくカドチョウのうどんを食った。(加登長)といえば、かつて芥川龍之介がやってきて、何か食べた店だと聞いている。
東の廓で夜おそく、具のほとんどはいっていない加登長のうどんを太鼓の音など聞きながらすすっていると、なにやらひとかどの遊び人のような気分になったものである。
金沢のうどんは、関西のように殊にコクがあるわけでもなく、関東のように濃い味でもない。ちょうど中間の、ややたよりない味なのだが、そこが持ち味ではあるまいか。
うどんそのものもコシがあるような、ないような、いかにも前田家ゆかりの町らしいうどんなのだ。たよりないところが旨い、といえば身びいきと取られそうだ。
ネギも中途半端である。京都のように青いネギでもなく、東京ふうの白ネギでもない。どっちつかずの金沢のうどんは、まことにその土地の気風をよく反映しているように思われる。…」(引用:五木寛之著作)
とあるので、「東の郭」(ひがし茶屋街)のうどん屋といえば、この店でしょうか。
そういえば、郭という言葉もすっかり風化してしましました。