まとめて時間をとる

　隠居は引退と同じような意味を持つが、家督と関係した言葉だ。
　しかし、歴史上の人物が家督を継ぐとか、家督を譲って引退し隠居した、といわれても何のことだかわからない。家督とはなんなのかもわからない。資産と資産以外の行政上の権利や義務か、ぐらいのところかな、という理解だ。

　現代では、会社の社長の役目に追加で全従業員の生活の保証をする、という感じかもしれない。日々の精神的な圧力は相当なものだろう。従業員の生活は拡大していくのに、会社が拡大するとは限らない。ある程度のところで譲りたくなるだろう。その後は悠々自適で好きなことをやれる。これが夢だったのかもしれない。

　散歩しながら会話や、一人で何かを考えて業績につなげる、ということをした偉人が多い。
　管理監督の権限を持つ人は、一日の中でまとまって時間をとることはなかなかできないらしい。引退されると自由な時間ができて、ひとつのことを時間的にまとめてできる。
　伊能忠敬が家督を早く譲ったのはこういうことかもしれない。

　欧米では現役で散歩しながら偉大な業績を残した人が大勢いる。まとめて時間を作れた人々だ。室内にいてもひとくくりの時間を作れる人は業績を残しているはずだ。記録に残っていないだけだろう。

　農作業でも畦の草刈りなどは散歩しているのと同じだ。ただ、季節限定で毎日ではない。ロボットが発売されるのをまっている。