一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『この世でいちばん大事な「カネ」の話 』

2009-01-05 | 乱読日記
僕などより数十倍出入りの激しい人生を送ってきた人の話です。

最近は『毎日かあさん』毎日新聞を背負って立っている感もある西原理恵子ですが、無頼と叙情と常識がないまぜになった確信犯的な開き直りと気持ちのゆれが伝わってくる作品は、大笑いしながらも最後の一瞬ちょっと考えさせられるところが魅力です。

本書は西原理恵子が「よりみちパンセ」という中学生以上向けのシリーズに書いた本。

自分の体験を基にして人生とお金について、自分の子供たちに読ませるためかのように、他の作品漫画と比べて行外の含意(作品を外から見ている作者の意識)を感じさせずにストレートに書かれています。

貧乏という負のループから脱すること、借金・ギャンブルのこと、希望を実現するためにはあきらめないことが大事なこと、希望・夢がないときに考えてみるべきこと、底まで落ちたところから切り返すために大事なこと、そして「人の気持ちとお金を当てにして生きる」ことのリスク。
それらについてすべてお金が関わってくる、お金との付き合い方に自覚的にならないといけない、ということが、今までの人生経験と、確信犯的ともいえる無頼の仕事(注)の経験を通じて実感えをこめて語られます。


自分にも共感できる部分や目からウロコの部分がたくさんあります。
「格差社会」や若者の閉塞感を語る前提としても必読書だと思います。




(注)
いしかわじゅんが西原理恵子を評して「女の無頼は西原理恵子一人で充分」と言ったという逸話がありますが、あまりご存じない方にネットで読めるものをご紹介します。

「西原理恵子の太腕繁盛記FX」

FXキングという業者のサイトにあるキャンペーン用の、自腹を切って投資したドキュメンタリー漫画です。
一喜一憂しながら損を出し続けるあたり、ある意味とても教育的かもしれません。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする