脳情報通信で「こころ」の伝達を可能に、大阪大とNICTが共同研究
(2009年1月8日(木)00:30 Internet Watch)
国立大学法人大阪大学と独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は7日、脳情報通信分野における融合研究プロジェクトの基本協定を締結した。脳のメカニズムの研究をベースに、人の「こころ」を伝達する技術や、脳のメカニズムを応用した次世代の情報通信ネットワーク技術の実現を目指す。
基盤技術として高度な脳計測技術が確立すれば、例えば、頭の中で「あ」「い」「う」「え」「お」……と考えた時に、それぞれ脳のどの部分が活動するかをマッピングできるようになる。これにより、頭の中で考えた言葉(内語)を言葉に出さずとも情報端末機器に出力できる「内語タイプライター」の可能性が生まれる。さらには、目で見ている情景を脳の活動をもとに再現したり、頭の中でイメージしているだけでディスプレイに出力できる「心象イメージイラストレーター」といった新しいインターフェイスも期待される。
科学の進歩自体はいいことだと思うのですが、脳の活動をそのままアウトプットできるのは便利なことなのかどうか。
仕事などの会話では「あ、この人よくわかってないけど相槌だけうってるな」とか「自信がないので総論でごまかしているな」と思うことがあります。
後で調べるなりして結果的にうまく回れば問題はないのでそこでいちいち問いただすのは大人げないということになるわけですが、頭の中のイメージを出力するような技術ができてしまうと「とりあえずその場をしのぐ」ということがしにくくなります。
自分の知識とか理解力が白日のもとにさらされてしまうとなると、逆にコミュニケーションに対して構えるようになってしまうかもしれません。
昔(昭和の時代)によくいた「まあちゃんとやってよ」という指示しかしない上司は昨今はさすがにつとまらなくなっているのですが、この技術が発展するとだいたいの方向性を示して細かいところは部下のほうが詳しいから任せるよ、というような指示をしようとしても、「まずは成果物のイメージのすり合わせをちゃんとやりましょう」ということになりかねません。
上司が楽ができなくなるのは世の中の趨勢で仕方ないかもしれませんが、あまり事前のすり合わせを精緻にやりすぎると、上司の頭の中の範囲にある予想された結果しか出てこなくなり、問題解決や新しい提案などは全体のパフォーマンスは逆に低下してしまうように思います。
こういう技術は、僕が歳とって、その場しのぎやあいまいな指示に安住する前に開発しておいてほしかったです(苦笑)。