褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 悪い奴ほどよく眠る(1960) 社会の不正を暴く現代にも通用するストーリー

2010年01月18日 | 映画(わ行)
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 やはり世界に通用する日本人といえば現在は野球のイチローだろうしかし悲しいことに野球はアメリカでは盛んだけれど、世界的に盛んなスポーツではない事はオリンピックの現実を見れは、むしろマイナーなスポーツといえるかもしれない
 しかし映画界において、黒澤明の名前は世界に燦燦と輝く日本の宝だといっても言い過ぎではないだろう
 僕も彼の映画で七人の侍を観た時は本当にビックリしたこのような痛快娯楽アクション映画が過去の日本映画にもあったことにそれから彼の映画を観る機会がふえたけれど、まだ僕も彼の映画を全部観ているわけではない実は今回紹介する悪い奴ほどよく眠るは初めて観る映画です
 僕はアメリカの映画を観て現代、及び過去におけるアメリカの闇の部分を描いたたくさんの映画を観たけれど、日本の映画にはどうして現在においてもそのような映画が生まれてこないのか不思議だったしかも、これが社会主義国家のような国ならばわかるのだが、日本は戦後は民主主義国家として歩いてきて、あらゆるテーマを映画化するのに不自由の無い国であるおっぱいバレーみたいな映画を作っている場合ではないだろうと思っていたら、まさにジャストタイムで財界と企業の癒着、権力を利用した悪を暴いた映画を観る事になるとは・・・
 しかも、監督は黒澤明改めて彼の偉大さ、そして社会を観る確かさに対して感服せざるを得ない今の日本の政治は大揺れそんな現在の日本にも通用する悪い奴ほどよく眠るを紹介しよう
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 未開発土地公団の副総裁岩淵(森雅之)の娘佳子(香川京子)と岩淵(森)の秘書である西(三船敏郎)の結婚式が始まろうとしている時に、多くの記者団が結婚式になだれ込んできた

 公団と建設企業による不正疑惑を記者団たちが嗅ぎつけたのだそして、そんな時に刑事が二人やってきて、公団の課長補佐の和田(藤原釜足)が連れて行かれる
 そんな時に記者たちは五年前に当時公団の課長補佐だった古谷が7階の公団のビルから飛び降り自殺した事件を思い起こしその話をしていると、結婚式の途中にケーキで作られた公団のビルの7階の部分に赤いバラが突き刺さったケーキが用意されてきたのである一体、このケーキは誰が注文したかは不明だった
 そして、岩淵の息子であり、佳子(香川)の兄であるが、仕事もせずに毎日飲んだくれている辰夫(三橋達也)が、親友の西(三船)に向かってスピーチをするが、お前がどうして足の不自由な佳子と結婚したかったのかわからないが、妹を幸せにしないと殺すぞという異様なスピーチをする
 
 そんな時に検察側は公団と建設業者の不正のために、公団の課長補佐和田(藤原)と建設会社の役員を尋問するが、2人は黙示を続ける
 検察側もついに2人を釈放するが、建設の役員は会社の顧問弁護士からこの件は必ず黙っているように告げられるが、通りがかりの車に飛び込み自殺する
 一方和田(藤原)の方は、公団が権利をもっている未開発土地の地獄谷に遺書を置いて飛び降り自殺をしようとするが、いつの間にか西(三船)が来ていて彼の自殺を止める
 
 ある日、和田(藤原)の葬式が行われていたその葬式の会場に公団の管理部長の守山(志村喬)と公団の課長白井(西村晃)が参加しているのを、遠くの車の中から西(三船)と実は生きている和田(藤原)が遠くから見ていたのである
 そして、西(三船)は和田(藤原)にテープレコーダーを聞かせるその内容は守山(志村)と白井(西村)が和田(藤原)の自殺した事を喜んでいる様子だった
 そして、西(三船)の正体は5年前に公団の7階のビルから飛び降りた古谷の息子であり、彼は父の復讐のために公団の副総裁岩淵(森)に近づき、佳子(香川)と愛の無い結婚をしたのである

 そして西(三船)(西という名前は友人から戸籍をもらった名前)は次第に復讐の網を狭めることに成功しつつあったが、守山(志村)の調査で西(三船)の素性がばれてしまう

 西(三船)は友人の板倉(加藤武)と、戦後の焼け野原の崩れた建物を隠れ家にして、そこで和田(藤原)と、西(三船)の策略によって捕らえられて発狂寸前になっている白井(西村)と一緒にいるしかし、西(三船)には誤算があった佳子(香川)の事を本当に愛するようになったのだ

 そして隠れ家に佳子(香川)も和田(藤原)のおかげでやって来て、西(三船)は事実を彼女に話すが・・・西(三船)の復讐への想いは悪の権力に潰されてしまう

 戦後の焼け野原を示す状況から、この当時の時代性が観ていて伝わってくるそして、今政治の世界で大金が動く不正疑惑の問題が浮上しているが、実はこの映画が公開された50年前と何も変わっていない現在の姿があることに驚いた
 しかも、この映画のラストシーンは凄いまさに巨大権力の前には、何の抵抗も出来ない一般市民の苦しみがまるで黒澤のメッセージのように思われる
 しかし、実はこれは政治の世界だけではなく大きな会社でもありえること上司にとって、自分の悪の秘密を握られている部下を何とかして自分の立場を守るためにクビにすることはあると思う

 それにしても黒澤明の、この社会派映画でありながら見事にエンターテイメントとしての娯楽的要素を取り込む彼の演出力は凄い
 そしてまるでそのシーンだけコメディのように思わせる音楽の使い方、そして最初の人物をうまくストーリーに融合させながら紹介していくシーンは黒澤明が世界的に優れた映画監督ということの証明に思える
 この映画は今だからこそ観て欲しい映画ですそしてこのような社会悪を描いたエンターテイメント作品がもっとこれから作られていく事を日本映画に望む思いです

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