褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 どん底(1957) 僕の人生もどん底だけれど

2010年05月16日 | 映画(た行)
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 群集劇という映画におけるジャンルがあるそんな群集劇を代表する映画として、グレッタ・ガルボ出演のグランドホテルが代表的な映画として挙げられるだろう1932年の作品だから古典的名作に挙げられるだろう
 世界でも憧れの超高級ホテルであり、大金持ちしか泊まれないグランドホテルだが、そんなグランドホテルを舞台に様々の登場人物の悲哀を描いた名作
 しかし、このような群集劇いえばロバート・アルトマン監督ショート・カッツは面白い映画だった1993年の映画だけれど、超豪華スターの大競演
 まさに最初は何の関係もないと思われた10組ぐらいのカップルがストーリーが進むに連れて、人間関係が連なっていき、しかもここに出てくるカップルたちの馬鹿さがブラック・ユーモアたっぷりに描かれている
 最近ではゼア・ウィル・ブラッドポール・トーマス・アンダーソン監督マグノリアは大傑作
 多くの不幸に見舞われる人間たちが、ある1つの天変地異の出来事をきっかけに登場人物たちの運命が変わってしまうストーリーだけれど、トム・クルーズが怪演を披露しているのも見所で感動作である
 他にもジャン・ルノワール監督のゲームの規則、ニキータ・ミハルコフ監督の機械仕掛けのピアノのための未完成の戯曲など、巨匠たちによる群集劇の名作は多い
 しかし、群集劇の欠点として知らない俳優ばかりだと多数出演するとなると、日本人にとって西洋人はみんな同じ顔に見える時があるから、ヨーロッパ系の群集劇において無名な俳優がたくさん出てくると、何が何だかわからない映画になってしまう時があるそういう映画は2回は観ないと理解できないときがあるし、その映画が持つ本来の面白さを理解出来ないときがあるのが残念
 日本の映画で僕はそのような群集劇を観たことがなかったのだが、僕的には意外なところから日本映画の群集劇に出会ってしまった
 それが今回紹介する黒澤明監督どん底です一流監督はどんな分野でも上手だね群集劇というのは、多くの出演人の個性を引き出さないといけないから難しいと思うけれど、黒澤明監督というのはどんな映画を撮るにしても登場人物の役割をわかりやすく描いてくれる
 七人の侍においても、”七人の侍”のそれぞれの個性を描き出しているが、また農民たちのそれぞれの人物に対しての配慮がなされている事もこの映画を面白い作品として描き出している
 まさに人生の”どん底”に生きている人生模様を描いたどん底を紹介します
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 冒頭のショットから凄い下から上空になぞるショットによって、舞台が四方を石垣で囲まれた場所であることがわかるし、石垣で囲まれて生活をしている者が”どん底”で生活している人間であることがこの冒頭で想像できる
 石垣に四方で囲まれた場所において、廃屋寸前の家があり、その家はまさに人生において堕落、貧困、クビなど諸事情によって”どん底”な人生を送ることになってしまった人間たちが別棟にいる大家に金をせびられながら住んでいる
 しかし、どん底での生活をおくりながらも、この廃屋寸前の家において暮らしている殿様(千秋実)と呼ばれる元武家人、博打好きの遊び人の喜三郎(三井公次)、今やアル中で役者だった通称そのまま役者(藤原釜足)、そして死も間際で寝たきりの女房を持っている貧乏職人の留吉(東野英治郎)、そして泥棒の前科がある捨吉(三船敏郎)など、時にはみんなが歌を歌い、噂話で盛り上がるなど外見の傾いた廃屋とは裏腹に自堕落、気ままな生活を送っている”どん底”の人々は意外に暗さが無いしかし、彼らは自分の人生に絶望しているのも確かだった
 しかし、廃屋寸前の大家の夫婦で特に妻のお杉(山田五十鈴)は威張り散らしていて、”どん底”達の間では非常に疎い存在だった
 ある日、お杉(山田)の妹のかよ(香川京子)が、姉のお杉(山田)から乱暴を受けていた

 実は元々お杉(山田)は捨吉(三船)と不倫の関係になっていたのだが、捨吉(三船)の心が妹のかよ(香川)の方に向いているのに嫉妬したいたのだ
 そんな”どん底”たちの中にお遍路参りをしている嘉平(左卜全)がやって来た
 嘉平(左)もこの”どん底”たちと一緒に暮らすようになるが、彼は人生に絶望している”どん底”たちに、もっと希望を持てるような言葉をかけていく
 やがて嘉平(左)は”どん底”たちに生きる希望を与えていく存在になっていく

 ある日、かよ(香川)がお杉(山田)やその夫の六兵衛(中村雁治郎)から、再び虐待を受けていたその虐待している場面を見つけた喜三郎(三井)は一緒にいた嘉平(左)と一緒に、その場を収めようとするが嘉平(左)は意外な行動に出る・・・続きは映画を観てください

 このタイトルどおりどん底というタイトルがピッタリの映画
 一度落ちぶれたり、罪を犯すと人間は立ち直れないこの”どん底”にあえいでいる人々の個性を上手く描き出している黒澤明監督は素晴らしいね
 このような群集劇はなかなか人物が把握しにくいのが欠点だけれど、黒澤明監督作品の常連が多い事もあり特に人物関係で難しいとは思わなかった
 しかし、この多くの登場人物の中では、やはり左卜全が1番目立っているこの人が登場してから雰囲気が良い方向に向かっていくのだが、ラストシーンでの黒澤明の人生を見る目は厳しいねそして山田五十鈴さんは黒澤明作品において、蜘蛛巣城と今回のどん底の悪女ぶりは、本当に憎たらしいぐらい
 底辺で暮らす人々の悲哀を感じさせるストーリー、そして俳優たちの演技、そして黒澤明監督ならではのユーモアが随所に散りばめられている映画です
 僕もどん底の人生から這い出ることは難しいですが、頑張らなければ

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コメント (3)
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