褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 巴里の空の下セーヌは流れる(1951) パリの1日の人間模様を描く

2012年12月12日 | 映画(は行)
 最近は絆(きづな)という言葉をよく耳にし、また漢字をよく見かける。あの3.11の大震災以来それは顕著なような気がする。人間同士のつながりの関係が希薄になってきたと言われて久しいが、孤独死など色々な問題点が浮き彫りになってきた。そういう意味では、知り合いになった人とのご縁は非常に大事なんだと痛感する日々を送っている。
 そして今回紹介するフランス映画巴里の空の下セーヌは流れるは、パリを舞台に、知らない人間同士が出会うことによる悲喜交々が描かれている。
 知らない人同士による助け合い精神に涙する映画だ、と書きたかったのだが、時に映画は現実よりも残酷な問いかけを観ている我々に突きつける。

 この映画に登場する人物は様々。文通相手に出会うためにパリに出てきた女の子、お金が無いのに猫を飼いまくっているお年寄り、医者になるための試験に落ちまくっているインターンの医学生、スト中の工場で働くお父さん、テストで0点をとってしまって家に堂々と帰れない女の子、そして彫刻家兼人殺し等々がパリの1日を舞台にそれぞれの人間模様が重なりあう展開が描かれている。
 それぞれに違った悩みを抱えた登場人物たちだが、不思議なご縁によってお互いが癒されていく。この癒されていく過程が物凄く良い。
 しかし、この映画はみんながみんなハッピーエンドで終わらない。良い出会いもあれば、偶発的に最悪な出遭いもある。個人的には、この世の中お互いに助け合うためにはご縁が大切だと言うことは大いに賛成するのだが、どれだけ運が悪くても人殺しとは、くれぐれもが無いことを祈るはかり。

 登場人物は多いが決して見分けが付かないことは無いし、なんだか聞き覚えのある音楽が良い気分にさせてくれる。そしてモノクロですがパリの街並みが良い感じ。凄い事が起こっている割に淡々とストーリーが進む印象がありますが、この世の中において独りぼっちで生きていくことの惨めさ感じることができる巴里の空の下セーヌは流れるは、こんな時代だからこそお勧めしたい映画です

巴里の空の下セーヌは流れる [DVD]
ジュリアン・デュヴィヴィエ,ルネ・ルフェーブル
アイ・ヴィ・シー


 監督はフランス、いや世界映画史に名を遺すジュリアン・デュヴィヴィエ。この人のお勧めはジャン・ギャバン主演の名作望郷。よくあるのが名作と呼ばれる映画が必ずしも面白いとは限らないこと。しかし、この映画は名作の風格を残しながらも決して飽きることが無いし、人生の奥深さを感じさせます。
 そして舞踏会の手帖も人生の奥深さを感じさせる名作で、女性の人にはお勧めです

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