山本周五郎原作の小説赤ひげ診療譚を原作とする映画化作品が今回紹介する赤ひげ。多くの名作を生みだしてきた黒澤明監督の作品の中でも人気が高い映画だ。小石川養成所が舞台になっているのだが、この場所について少しばかり説明しておこう。江戸時代は八代将軍徳川吉宗の時に江戸に設置された無料の医療施設。当時の江戸は人口増加が著しく、その中には貧困に陥ってしまう人もいた。そんな人でも必要な医療処置を受診できるために設置されたのだ。
そこでの老医師と青年医師の師弟関係、そして彼らとそこに集まる貧しき病人達との交流が描かれている。まったく病を治せないような医者のことをやぶ医者と呼ぶが、だったら逆に名医と呼ばれる医者とはどのようなものか。末期症状の人でも治せてしまう医者のことか、重い症状に罹っている病人を即効で元気にさせてしまう医者のことか。本作を観れば、医者のあるべき姿が大なり小なり理解できるし、勿論医者で無い人が観ても自らの人生を省みることが出来る。
江戸時代の医療事情、底辺社会で暮らす人の生き様が描かれているストーリーの紹介を。
長崎で最先端の医学を学ぶために留学していた保本(加山雄三)は帰ってきたら幕府の御番医になれると思ってウキウキな気分だったのだが、何と出向させられたのは小石川養成所。そこの所長は目付きが鋭く不愛想に見える通称赤ひげこと新出去定(にいできょじょう)(三船敏郎)。保本は理想と現実のギャップにショックを受けてしまい、初日から不貞腐れてしまう。
しかし、患者だけでなく困っている人を助けようとする赤ひげの善意からの行動を間近で見ているうちに、保本は赤ひげの偉大さに気付きだすのだが・・・
ドクター赤ひげのキャラクターが面白い。社会悪を徹底的に憎み、弱者を助けるためならば裏で脅迫は厭わないし、ヤクザが10名ほど掛かって来ても医者のくせにアッと言う間に叩きのめす。そして、医者がこんな事をしたらダメだなと自ら反省しながら悪い手本を弟子の保本のために教えてやる。そして『医学は自分のためではなく、公のために使うものだ』なんて俺の知っている元議員にも教えてやりたいような台詞がポンポンと出てくるあたりは本当に気持ち良い。
赤ひげは見た目は少々怖いが、行動で優しさを見せる。その行動が周囲にも良い影響を及ぼし、人間の誰もが持っているはずの優しさを引き出すエピソードの数々が感動的に描かれる。そりゃ~、こんな師匠が傍に居てくれたら、自分の人間としての器の狭さを反省し、誰にも優しくなろうと思えるし、成長するって。
黒澤明監督は自分の想いを作品の中にも投影する人だと思う。特に本作は自らの伝えたいメッセージを赤ひげに言わせているように感じる。映画史において名監督と呼ばれる人の作品は難解な作風の場合も多々あるが、黒澤明監督作品は理解しやすいし、面白い。娯楽、社会派、ヒューマンドラマとどんな分野を撮らしても一流。感動的エピソードが満載の作品として今回は赤ひげをお勧めに挙げておこう
監督は前述したとおり黒澤明監督。お勧め多数。個人的にベスト10を1位から順番に挙げておく。七人の侍、悪い奴ほどよく眠る、隠し砦の三悪人、天国と地獄、生きる、用心棒、椿三十郎、野良犬、羅生門、どん底、そして蜘蛛巣城も挙げておこう
そこでの老医師と青年医師の師弟関係、そして彼らとそこに集まる貧しき病人達との交流が描かれている。まったく病を治せないような医者のことをやぶ医者と呼ぶが、だったら逆に名医と呼ばれる医者とはどのようなものか。末期症状の人でも治せてしまう医者のことか、重い症状に罹っている病人を即効で元気にさせてしまう医者のことか。本作を観れば、医者のあるべき姿が大なり小なり理解できるし、勿論医者で無い人が観ても自らの人生を省みることが出来る。
江戸時代の医療事情、底辺社会で暮らす人の生き様が描かれているストーリーの紹介を。
長崎で最先端の医学を学ぶために留学していた保本(加山雄三)は帰ってきたら幕府の御番医になれると思ってウキウキな気分だったのだが、何と出向させられたのは小石川養成所。そこの所長は目付きが鋭く不愛想に見える通称赤ひげこと新出去定(にいできょじょう)(三船敏郎)。保本は理想と現実のギャップにショックを受けてしまい、初日から不貞腐れてしまう。
しかし、患者だけでなく困っている人を助けようとする赤ひげの善意からの行動を間近で見ているうちに、保本は赤ひげの偉大さに気付きだすのだが・・・
ドクター赤ひげのキャラクターが面白い。社会悪を徹底的に憎み、弱者を助けるためならば裏で脅迫は厭わないし、ヤクザが10名ほど掛かって来ても医者のくせにアッと言う間に叩きのめす。そして、医者がこんな事をしたらダメだなと自ら反省しながら悪い手本を弟子の保本のために教えてやる。そして『医学は自分のためではなく、公のために使うものだ』なんて俺の知っている元議員にも教えてやりたいような台詞がポンポンと出てくるあたりは本当に気持ち良い。
赤ひげは見た目は少々怖いが、行動で優しさを見せる。その行動が周囲にも良い影響を及ぼし、人間の誰もが持っているはずの優しさを引き出すエピソードの数々が感動的に描かれる。そりゃ~、こんな師匠が傍に居てくれたら、自分の人間としての器の狭さを反省し、誰にも優しくなろうと思えるし、成長するって。
黒澤明監督は自分の想いを作品の中にも投影する人だと思う。特に本作は自らの伝えたいメッセージを赤ひげに言わせているように感じる。映画史において名監督と呼ばれる人の作品は難解な作風の場合も多々あるが、黒澤明監督作品は理解しやすいし、面白い。娯楽、社会派、ヒューマンドラマとどんな分野を撮らしても一流。感動的エピソードが満載の作品として今回は赤ひげをお勧めに挙げておこう
監督は前述したとおり黒澤明監督。お勧め多数。個人的にベスト10を1位から順番に挙げておく。七人の侍、悪い奴ほどよく眠る、隠し砦の三悪人、天国と地獄、生きる、用心棒、椿三十郎、野良犬、羅生門、どん底、そして蜘蛛巣城も挙げておこう
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