誰かのために、何かをできること。自己満足でしかないのだけれど、やっぱりうれしい。日常の会話から、特別のことでなく、当たり前のことが、いつも通りにできることの、何とささやかではあるものの、心が穏やかになることだろうか。
共に過ごせた5年間を感謝します。ありがとう。最初は、啖呵を切られてびっくりしたのよ。好き嫌いがはっきりで、お寿司が大好きだったね。昼食に作ったのを、おいしい、おいしいと口に運んでいた。インスタントは直ぐ見分け、残していたものね。
私ね。おいしいと食べてくれるよう、一生懸命に教わったの。心を込めて作ることが、美味しくなるってわかったのよ。たくさんの思い出を、一緒に過ごさせてもらって、今日までの日々は、感謝に堪えません。ほんとうにありがとう、ばあちゃん。
高齢者には、今日という日への思いしかないのかも。と、ふと考える。生きていれば、必ず死は訪れる。では、自分の死がわかって、怖くないのだろうか?これから死ぬんだ。とわかるまで、死への思いに囚われはしないのか。
生きているのが、どうだってよくなって、心底楽になりたいと思うから、逝けるのだろうか。御仏の心に想いが通じるから、旅立てるのだろうか。生きることも、死せることも、自然の、神のなせることなのに違いない。
青い月。冴え冴えとした宇宙に輝く。何という美しさであろうか・・・月の女神セレネの魅力に、身も心も奪われていきそうになる。