オダサク・グルメツアーをやってくれないか、と以前より頼まれていた。
こちらの不調もあったので、延し延しにしてきたが、もうこれ以上は逃げられぬ。
2月に受けることになったが、考えればよりによって厳冬期である。
何も寒い中を年配者連れて、店々を行脚することはない。
居ながらにして食べられることを考えた。
そこで考えたのが作中に出てくる食べ物をギュッと詰め込んだ、『オダサク弁当』である。
え~っと…ゼヒもんは…
「自由軒の名物カレー 」
レトルトが確か売っている筈である。
しかし、カレーの匂いが漂うと、他の食品が負けてしまう。
「船場いづもや」のまむし
これもたびたび作中に登場する。
相合橋東詰のいづもやが一番と柳吉にいわせてるが、もはやミナミにいづもやは一軒もない。
ここ船場センタービルの店は、千日前店で30年板場に立った職人が主人。
いづもやの本流の味はここに残されている。
「夜店の一本2銭のどて焼き」
これもなかなか難しい。 最初に予定していたどて焼きは脂抜きしていないような
ワイルドなもので、それはそれで美味いが食するのは年配者である。
やさしいどてを探して、おでんの「よかろ」のどて焼きにする。
ここのは食べやすく、味も相当行ける。
「食堂かね又」のシュチュー
小説「アド・バルーン」に出てくる、かね又食堂とシュチューの文字。
この手の戦前型のシチューを出す店も数少なくなってしまった。
弁当に汁ものを入れる訳に行かないので、別の容器でつけるか。
そして・・・法善寺「夫婦善哉」のぜんざい。
これも昔のままではないが、名前からして入れておくべきだろう。
デザート代わりに出そうと思う。
その他、「夫婦善哉」の読者なら、蝶子の父・種吉の一銭天麩羅、寿司捨の鉄火巻きと鯛の皮の酢味噌、
だるまのかやく飯、たこ梅のたこ煮とサエズリ…なども思い出すだろう。
だが哀しむべきことにモデルとして記された店の大半は、平成28年の現在まで生き残っていない。
こうして頭を悩まして、企画した弁当は…なかなかおつなもんでした。
では、次回のおたのしみに
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