千葉実年大学校 歴史倶楽部 平成20年5月定例会
1.開催日 : 5月16日 (金)
2.集 合 : JR佐倉駅改札口前広場 9時30分
3.参加者 : 75名
4.佐倉市について
佐倉市は、千葉県の北部に位置する都市で東京の衛星都市として知られています。
人口役18万人で、千葉県では千葉市、船橋市、松戸市、柏市、市原市、八千代市に次いで人口第8位。
今年は日米修好通商条約が締結されて150周年になる記念の年と伺いました。
堀田正睦の人となりを 「日米修好通商条約締結と堀田正睦」 のパネル展見学の機会にも恵まれ、役員の皆様の素晴らしい企画に参加をさせて頂きました。
5.見所紹介
文化財施設 (旧堀田邸、佐倉順天堂記念館及び武家屋敷) については、小グループに分かれてボランティア・ガイドの説明を頂きました。
1)「旧堀田邸」(国指定重要文化財)
旧堀田邸正門 さくら庭園の一部
① 佐倉藩11万石堀田家六代藩主(最後の藩主)堀田正倫(1851~1911)は明治時代になると華族として東京に住んでいましたが、佐倉で国の基となる農業と
教育の発展に尽くそうとし、佐倉に邸宅を構え、その周辺に堀田家農業試験場を明治30年に作りました。
又、学問のため奨学会を作り、当時の佐倉中(現佐倉高校)へ多額の寄付等をしました。
② 旧堀田邸は堀田正倫の邸宅で、明治23年に竣工。明治44年には東宮殿下(後の大正天皇)の来訪に伴って、主屋に湯殿が増築されています。
現在では、「主屋・土蔵・門番小屋」といった建物と庭園が残されています。
③ 旧堀田邸のような明治期における和風建築と庭園が、ともに残された旧大名家邸宅の遺例は、全国的にみても珍しいものです。
④ 庭園は、眼下の高崎川や下総台地を借景にし、景石やマツ・サルスベリなどが配されていて「さくら庭園」佐倉市指定文化財名勝・千葉県指定文化財名勝)は市民の憩いの場となっています。
2)「佐倉順天堂記念館」(千葉県指定史跡)
佐倉順天堂記念館正門 役員さんお疲れ様です(順天堂の縁側で)
山田 安朴著
泰然は佐倉で開業した時にこの 「順天堂」 という堂号を用い “順天” とは 「天道に従う」すなわち「自然にの理に従う」 と説明あり、の額が正面玄関に掲げられてありました。
① 「順天堂」は、天保14年(1843)に蘭医・佐藤泰然が蘭医塾兼外科の診療所として創設したものです。
② 泰然が佐倉に移住してきた背景には、当時佐倉藩では藩主の堀田正睦(幕末の老中)が徹底した学問・武術の奨励による天保の改革を推進していたことが挙げられます。
正睦は 「西洋堀田」 とあだ名されるほど西洋びいきで、蘭学に理解があったので西洋医学を進んで藩に取り入れようとしていました。
その頃、江戸では、長崎遊学後の蘭医学の塾を開きながら外科を専門に開業していた泰然が評判を集めていました。
正倫は泰然を佐倉に招いて藩内の学問向上につなげようと考えました。
③ 佐藤泰然は、優秀な弟子であった尚中を養子にし、順天堂の後継者としました。
実子を後継者とすることにこだわらず、医者として有能な人物を選んだ進歩的選択は代々受け継がれ、これが順天堂の発展する一要因となりました。
尚中は藩医として慶応2年(1866)の医制改革に参画し、藩校・藩医から漢方医を廃して蘭方に一本化しました。
又、明治2年明治政府から大学大博士を任ぜられ大学東校(東京大学医学部前身)の初代校長として、わが国への近代医学導入の礎を築く。
順天堂は、明治の医学を発展に寄与した多くの人材を育てました。
④ 東京・湯島 「順天堂大学」 は学祖泰然として創設されました。
天保9年(1838)蘭方医学 「和田塾」 が創設。同14年(1843)佐倉順天堂創立。明治6年(1873)東京順天堂設立。昭和21年(1946)順天堂医科大学と改称。
3) 「甚大寺」 市内唯一の天台宗の寺院。佐倉城主堀田家の墓所。
4) 「宗円寺」 佐倉蘭学の興隆を図った順天堂関係者が埋葬される墓地。
5) 「歴史生活資料館 」 地元のボランティアの方々が運営している所。
企画展 「日米修好通商条約締結と堀田正睦」
今年は日米修好通商条約が締結されて150年になる記念すべき年。
締結に至る経緯と、佐倉藩主でもある堀田正睦の藩政改革を含む人となりを、パネル展示しています。
6)「佐倉新町おはやし館」 麻賀多神社の祭礼(秋祭り)に奉納される佐倉囃子の伝承の場。
郷土の文化・伝統行事・物産を紹介
各町内の所有する6体の山車人形のうち2点が展示されています。
7)「昼食・新会員歓迎会」 おかやま食堂
新会員26名の皆様をお迎えして親睦の会食をいたしました。
お一方ずつ自己紹介を頂き、代表役員による歓迎の言葉、役員紹介等に2時間ほど親しく懇談のひとときを過ごしました。
又、このお店はマラソンの高橋尚子選手・監督等の皆さんが良く通ったお店と伺いました。
8)「佐倉市立美術館」 佐倉ゆかりの作家、浅井 忠などの作品を収蔵。
エントランスホールは旧川崎銀行佐倉支店(県指定文化財)の建物。
9)「麻賀多神社」 佐倉の総鎮守で、香取秀真ゆかりの地
10)「武家屋敷」 3棟とも江戸後期の建築で、佐倉藩士が暮らしていたものです。
武家屋敷のうち、現在は 旧河原家 (千葉県指定文化財)・ 旧但馬家 (佐倉市指定文化財)・ 旧武居家の3種類の屋敷が公開されています。
華美を戒めた質素倹約な造りの中に、それぞれの石高に応じた違いがみられます。
庭の様相や屋敷の裏に作られた畑からも、当時の武家の生活が垣間見られます。
旧但馬家住宅 旧武居家住宅
旧河原家住宅 旧武居家住宅
久々にに恵まれた新緑萌え出る爽やかな5月の佳き日、会長さんを初め、役員の皆様のご尽力をいただき「古きを訪ねて新しきを知る」の佐倉の歴史に触れることが出来ました
素敵な企画に感謝を申し上げております。
万歩計は16,000歩を表示、程良い疲労感に健康の有り難さにも感謝の一日でございました。
誠に有り難うございました。