平成23年9月 靖国神社社頭に掲示された遺書
三重県度会郡城田村出身 陸軍曹長 中西 八郎 様 (23歳)
昭和18年9月14日 東部ニューギニア ラエ付近にて戦死 合掌
この度の 「遺書」 はお兄様からご弟妹に送られた最後のお言葉です。
兄ハ此ノ度、大東亜戦争ノ第一千戦ニ参加スルノ光栄ニ浴シ、勇躍征途ニ就ク。
固ヨリ毫モ生還ハ期セズ。 (中 略)
兄ハ、オ前達一同ノ健康ヲ祈ルヤ切ナリ。
昭和18年6月24日 兄ヨリ
弟妹一同ヘ
この度、千葉県女性部研修旅行にて靖国神社昇殿参拝の機会に恵まれ、社頭に掲示されておりました中西 八郎 様の遺書を拝読することができました。
お若いお方が、弟妹様達に「家名ノ隆昌昂揚ニ勉ムベシ。・・・」 と宛てた遺書に拝読しましたお仲間の皆様と涙が溢れました。
と同時にお参りをしてくれる子供が居ります父達の幸せに想いを寄せることができました。
今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたのでご紹介させて頂きます。
お目を通して頂けましたら幸に存じます。
いつまでも父を思ひつ母は言ふ痛い膝をば擦りに来たと 甲州市 遺児女性
密林を抜ければ続く泥の道英霊の島ガダルカナルは 富士吉田市 遺児男性
はろばろと父の精霊乗せ来しか蜻蛉盂蘭盆の墓石をめぐる 青森県 遺児女性
収骨を終へて帰り来ふる里の流れに沿ひし彼岸花の赤 出雲市 妻
父散華踏ん張り来し母九十四三人(みたり)の子らも七十を超ゆ 南相馬市 遺児男性
営門に別れしきりの夫なりき戦死の公報戦後にきたる 諫早市 妻
荘厳の靖国の社に風薫る御霊寧かれ国弥栄に 篠山市 遺児男性
吾四歳戦死の父の葬列の先頭行くも死の意味分らず うきは市 遺児男性
忘れまじ「ヒロシマ」「ナガサキ」福島の復興願ひつ共に生きなむ 名古屋市 遺児女性
百二歳命あらばと父の齢年々数ふ終戦の夏 香川県 遺児女性
靖國の宮居にたてば七十年の刻とどまりて夫の声聞く 常滑市 妻
船上の祭壇に並ぶ供物類ラベル美しきな地酒が多し 千葉市 私 (71首目)
この度の九月号は、多くの行事掲載の為、いつもより到着が遅れましたことのお詫びがありました。
私の歌は八月号は未掲載でしたので、九月号を心待ちにしておりました。
不安な中の旅行から帰宅、ポストに届いておりました紙面の九段短歌の先頭に我が歌の掲載を頂き、回復の一助に感謝をいたしました。