汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

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叙情の詩 ~生命という孤独~

2012年03月11日 | 初期中期の詩
 生きていくということ、幸せを見つけるということ、自由を夢見るということ。しかし、本能的に、何かを奪取することによって成り立つ世界の秩序。それぞれが孤独でいながら、それでいて、存在している。幸せの在り処は判らない。叙情をしたためることでしか、人間の存在は、ありえないのか。幸せを願う心が、窮屈になってきた。それは、幸せを夢見るということの不幸の連鎖か。一年が四季の循環の中にあって。人は、自身の存在意義を確かめようと強情になる。時に哀切に、時に傲慢に、生命は循環の裡に、一つの核心に迫る。それは、自分が存在しているという真実。それは、何ものにも代えられない真実。自分の認識の中で、世界は胎動し続ける。まるで夢のように、美しい詩は、創造されていく。孤独を愛するが故に、人は個人であり続ける。儚さも愛しさも胸に抱えて、意識は、波のように寄せては返す。命が揺れる。花のような朗らかさを抱えて。無数の支流は、やがて、一つの終着点に流れ着く。淋しさを抱えた一つの生命が、無数の歓びと悲しみを背負って、この場所に辿り着く。温かな本流へ。未知なる未来を想像しながら。
 一片の花弁、美しいものは儚さの中に。人は夢を見るからこそ、美しいものに惹かれるのか。幻想が細やかな、生きていくという苦渋に、小さな花が咲く。季節の循環の中で、生命は美しく咲き誇る。まるで夢を見るように。幻想の揺れる故郷を想う詩。絶えず繰り返し、命は、生命であり続ける。命は限りある航路を彷徨い、生命は永遠の愛の中で揺蕩う。
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