汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

音楽レビュー 「ダニエル・パウター」 ダニエル・パウター

2012年03月17日 | 音楽レビュー
ダニエル・パウター(初回限定スペシャル・プライス)
クリエーター情報なし
ワーナーミュージック・ジャパン

 

そこには、不安がある。彼にとって、この世界はあまりにも大きすぎて、殺伐としているのだろう。しかも、その不安をうまく表現することのできない彼のもどかしい情緒の困惑を感じる。そこは灰色の茫漠とした、無機質な世界の秩序だけがある。曲が進むに連れて、不安は増すばかりだ。この世界に生まれて、その意味を模索しているような感覚。しかしそれでも、一点の小さな光のように、人を信じ想い続ける感情があるのを感じる。それは、彼が本質的に持っている、優しさだと思った。

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音楽レビュー 「プラネタリウム」大塚愛

2012年03月17日 | 音楽レビュー
プラネタリウム (DVD付)
大塚愛,愛,Ikoman
エイベックス・マーケティング

 

色とりどりの感情を感じる。それは、とても繊細な流れだ。穏やかなようでいて、とても激しい。それでも、心根は、とても静謐だ。まるで星空を見上げて吐く一息のように。彼女の感情の根幹には、サラサラとした蒼い寂しさがあるように見える。それは、必死に何かを掴み取ろうとしても、砂のようにこぼれ落ちていくような情景だ。何かを失う哀しみ。それでも、決して悲観したりせずに、穏やかに、そして優しく、この大きな世界を見守ろうとする意思のように。もしかしたら過去に彼女は何か、永遠のような、そんな夢を見ていたのかもしれない。そう、安らかな永遠を。この曲の作名が物語るように、それは、永遠を夢見るという、淋しげな感情のように聴こえる。自分という存在の儚さ。それは、プラネタリウムに映された星空のような幻の姿。そして、いつか風が吹けば砂塵のように散っていくかもしれないという寂しさ。彼女の持つ感情には、このような景色があるのかもしれないと思った。

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