Wittenの使い方

　DAL戦で引っかかっていた部分を見直してみました。

　T.OをダブルチームでカバーすればJason Wittenは自動的にシングルカバーになります、サイズとスピードのミスマッチが出来るWittenになぜ投げなかったのかを考えてみます。単純に言えばブリッツが効いた為にパスプロテクトに回されたと言う事になります。しかし同じギャップに2人3人となだれ込むJim Johnson得意のブリッツにはOLの外にもう1人ブロッカーを増やす事にあまり意味は無いと思うのです、あの場合はFBとRBにインサイドを守らせてTEはクイックスラントでブリッツに入ったLBの裏を取るようなルートが有効の筈でした（最後の方で1回有りました）ブリッツがDrew Bledsoeを追い回すより先にWittenが暴れるような展開になれば、あれほど極端なブリッツを入れ続ける事は出来なかったでしょう。基本的にはDhani Jonesがマークに付いたのですが、中盤以降はゾーンで緩く受け渡していた感じになりました。これはJulius Jonesのラン対策でそうしたのでしょう。

　ランが止まらなかった要因で最大のものはT.Oをダブルカバーした為にSを上がり目にセットする事が出来なかったと言う事になります。とはいえ、フロントの7人でランが止まらないのは問題です、特にMike PattersonとMarco Riveraの1対1で完全に負けていました。ここを簡単に破られる事でJeremiah Trotterをピックされてしまい、ランが止まらない結果を生む事になりました。元々Darwin Walkerにランストップは期待できません、Pattersonが押されるようだと今後も苦労する事になります。
　ルーキーBrodrick Bunkleyも今の所オープンフィールドでのスピードは見せていますが、スクリメージで圧倒的なパワーを見せる事は有りません。バルクアップが必要なのか、腕の使い方を磨く必要が有るのかはもう少し見なければなりませんが、1巡指名としては今の所は期待外れの結果になっています。ランプレイでWalkerの代わりにDTに入る事を期待していたのですが、今の所Walkerの方がランでも良いプレイを見せています。

　ランが出なくて、スクリーンパスが面白いように出たのはDALがランを出さない事を重視したディフェンスを敷いてきたからでしょう。Westbrookがボールを持った瞬間全員がスクリメージまで走ってきたのではWestbrookでも抜けるホールが無いのは当然です。そういうディフェンスをすればスクリーンが出るのも当然です、ランが出ないのならばスクリーンを使う、ランが出ない事に慣れている分 柔軟な対応を用意しているのだと思いましょう（ランが出ないのは大きな問題です・・・）
　スクリーンを出してもランに的を絞ったディフェンスが変わらなかったので、ロングパスを多用する様に戦術をシフトした事も良い結果に繋がりました。そう考えると、ロングパスを狙って出したのか、ロングパスを投げるように仕向けられたけれどもPat Watkinsがミスを続けたのか微妙なように思えます。もちろん、Watkinsの能力を測った上でロングパスを多用したのでしょうけど。

McDougｌeはだめそう

　Javon KearseがIRに登録され、チャンスを貰った筈のJerome McDougleですが、サックを量産するDLの中で未だに0サックと良い所が有りません。試合に出場しているDLではBrodrick BunkleyとLaJuan Ramseyも9サックですが、この2人はルーキーでDTですから仕方が有りません。
　キャンプで肋骨を骨折して出遅れ、シーズン当初はアクティブロスターに登録される事すらなかったMcDougleですが、Kearseの離脱で試合に出場するようになりました。主にLEとして出場していますが、ラスラッシュは全く届かずランディフェンスでは押し潰される状態です。もう1人のバックアップJuqua Thomasが3サックを記録してパスラッシュで貢献しているのと比べるとMcDougleの状態の悪さが目立ちます。
　McDougleは軽量パスラッシャー揃いのDEの中ではランディフェンスが出来る方なのですが、現在の状況が続くようだとルーキーDT RamseyをDEに廻してこれまでアクティブになっていないSam Rayburnを試合で使うような措置も考える事になるかもしれません。
　キャンプで良い所を見せていたもののファイナルカットで解雇されPSに居たLB2人がロスター入りしています、この事で今年DEにコンバートされもう一度SLBに戻っていたJason ShortがまたDEに戻っています。ラン・パス・STどこにも使い道の無いMcDougleよりもSTで切り札として起用されるShortがDEで最低限の仕事でも出来ると判断された場合McDougleを外す事もありえるでしょう。
　ドラフト1巡指名のMcDougleですが、Darren HowardのFA加入後は解雇されるのではないかと言われるようになりました。しかも、今年の6月1日までにカットすると今シーズンのサラリーキャップ的には残りのサインボーナスがベースサラリーを上回りキャップの節約どころかキャップ枠を狭める事になるにも関わらずカットした方が良いと言われてしまいました。春のミニキャンプ当時McDougleはカレッジ時代の240ポンド程度まで落としてパスラッシュでチームに貢献したいと言っていたのですが、REではなくLEで起用する方針だった為に実現しませんでした。
　あとどれだけMcDougleを試合で使うのかは分かりません、RamseyかShortがDEのバックアップで使えると判断されれば今すぐにでもアクティブロスターから外れる事になるでしょう。ドラフト時からこれ以上バルクアップする事は出来無い骨格と言われていました、減量してスピードを活かすのが唯一の蘇生方法だと思うのですがそれは来年別のチームで試される事になるのかもしれません。