混乱から希望へ

　1巡26位をトレードダウンして2巡36位と3巡87位、5巡157位とドラフト権を増やしました。26位の時点でDEとCBの上位3人、Sの上位4人、LBも上位3人のうち2人まで消えていました。そういう意味ではトレードダウンしたのは正解でしょう。

　そして36位で指名したのはHouston大のQB Kevin Kolbでした。今月2度に渡ってQB指名の可能性について書きました、有るとすれば下位指名であろうという結論に達しました。
　Donovan McNabbがフランチャイズプレイヤーであることは疑う余地も有りません、そしてMcNabbが開幕戦に絶対出場するとインタビューで答えたのもつい最近のことです。そしてバックアップのA.J Feeleyと契約延長してあと4年契約を残している今、次世代のQBを上位指名する必要はまったく無いはずでした。
　しかし、2-3日前のAP発の情報としてEaglesのQB指名の可能性の記事が載りました、同時に今契約している有料HPのTSNとScout.com両方にQB指名についての記事が載り、TSNのドラフト前日ファイナルモックドラフトでは2巡57位指名としてKevin Kolbの名前が載りました。チーム関係者からなんらかの情報が漏れたのに違いありません、それがKolbとの面接などがよほど好印象だったというものなのかMcNabbに何かあったのかは分かりませんが、QB指名を決断するだけの材料が有ったのでしょう。
　絶対に開幕戦に出ると言っていたMcNabbが開幕までに回復しないのだとすれば、ルーキーを加えるよりもベテランのA.J Feeley,Kelly HolcombにMcNabbのQB3人編成で行くべきです。2巡指名のルーキーをPSに置くわけには行きませんしMcNabbをIRに入れる事も考えにくいです、A.JとHolcombのどちらかをカットすることになります。もちろん契約延長をしたばかりのA.Jではなく、Holcombをカットすることになります。
　McNabbがシーズン後半からでも（あるいは来シーズンの開幕でも）復帰できるのであれば、ルーキーを後継者として育成する必要は有りません、A.Jとの契約は4年もあるのですから。12年150ミリオンもの契約をしていて、20ミリオンといわれるサインボーナスがまだ半分くらい残っている筈です、そう簡単にMcNabbをカットする事は出来ないはずです。それなのにルーキーQBを2巡指名した、この事の意味はMcNabbが2度とフィールドに立てない可能性があるのか、KolbにReidが惚れこんでしまったのかどちらかとしか考えられません。
　今のルールで2巡指名の選手とは4年契約しか出来ません、しかも2年経たなければ契約延長も出来ません。つまりMcNabbが無事復帰した場合にはKolbは飼い殺しになり、サイドラインで無駄飯を食わせながら経験を積ませてFAで送り出すだけの指名になる可能性があります。McNabbがもう2度と復帰できないならば、どんなに緘口令を敷いた所で絶対に漏れます。ですからこの最悪の事態の可能性は低いと考えます。
　冷静に考えると、3番目の可能性が浮かびます。McNabbはそれなりに回復しているが完全な状態に回復するか保証は無い。そしてコーチ陣はA.Jに対して全幅の信頼を置いていない。今すぐにMcNabbの代わりを務めるのはA.Jの仕事だがMcNabbの次のエース候補として育成するだけの能力をKolbに見つけたので指名した。これが今考えられるEaglesファンにとって最も都合の良い考え方になるでしょう。


　数日経てば、この指名の裏側が少しづつ明らかになっていくでしょう。今の段階で推測できる事は、Kolbに次期エースの素質を見出したと言う事です。QB指名は成功すればどんな出費をしても正解といわれます。QB育成能力では一流のAndy Reidがその手腕を発揮してくれることを今は期待します。

CBとDE、Sは3巡か2日目

　今年のFA補強は例年同様に高額選手を放出し、安価なベテランを集める形を取りました。ドラフト当日に予定のポジションを取り損なっても大穴が開かないような補強だけはしています、単年契約で呼んだベテランに大きな期待をしていないのは例年と同じでしょう、逆に単年契約で呼んだポジションはドラフトで指名する準備が有ると考えても良いです。
　今年の場合、KRのBethel Johnsonは2年目Jeremy Bloomの保険でしょうが、William Jamesと再契約したCBは指名候補のポジションになります。去年1年見てきて、単年契約というのが怪しいと考えるべきでしょう、ニッケルバックとしての能力を持っているならば2-3年の契約をしても良い筈です、単年0，6ミリオンの契約なのですから他チームから高額のオファーも無かったのでしょうし。それにCB4番手のJoselio Hansonも今年で2年契約が終わります、Williamsと安価な3年契約をしてそこにドラフトでもう一人加えるのが（そしてHansonカット）Eaglesらしいやり方です。Williamsに期待していないのならばCBは上位指名するべきポジションです。
　1巡指名候補のCB4人の誰が26位に落ちてくるのかは分かりません、誰も落ちてこなかった場合にMarcus McCauley等2巡上位候補を取るのか、別のポジションを取るのかも分かりませんが、個人的にはMcCauley1巡指名でも良いからCBをもう一枚入れておく事を希望します。Lito Sheppardは足首と肘で2年連続シーズン途中で戦線離脱しています、スターターの代役が務まる能力と、DBのサイズアップ、両方を叶えられる能力の持ち主を下位指名で見つけるのは難しいです、1巡指名を使ってでも良いと思う理由はそこにあります。
　
　Javon Kearseの膝が軽症であろうと、2008シーズンには居ないでしょう。個人的には6年30ミリオンの働きはしたと思っているDarren Howardに対するコーチ陣の評価は低いようです（4サックと数字は伸びませんでした）。そういう所から考えても次に必要なのはDEと考えていいでしょう。2巡57位でDEの誰が残っているのかは予想のしようも有りませんが、260ポンド程度のパスラッシャーも280ポンドのランパス両用のDEもそれなりには残っていると思います、残った中から当たりを引けるかどうかは分かりませんが。6-4　270ポンドくらいのサイズが有るDEを取って欲しいと個人的には思います、DE-OLBはTrent Cole,Joqua Thomasと長期契約が残っていますから。

　3巡はRBかTEに使って欲しいと考えています、Brian WestbrookとCorrell Buckhalter,共に怪我に弱いですから3番手の能力は重要です。L.J Smithの契約が今年で終了します、後継者を用意するとすれば3巡辺りを使うことになるでしょう。また、Sの指名も考えられます、2-3巡候補のSga3巡90位まで落ちてきた場合には指名するかもしれません、もともとSはドラフト前の予想よりも当日低い順位に誰かしら残る事が多いです。ただ、TEとRBの3巡程度評価のレベルは例年より低いようです、4巡も無いですしここはチームニーズ重視の指名になると予想します。

　4巡が無いのはバックアップを厚くしたいチームからすれば痛いですか仕方がありません。5巡以降は宝くじを引くようなものでしょう、下位指名からスターターを出す事の多いチームですし、当たりくじを引く事を期待します。

　1日目の3個の指名権でCB（DB）とDEを指名する事になると予想します、もう一つは3巡の最後になりますし残った選手で一番良い選手を取る事になるのでしょう。1巡、2巡くらいまではチームニーズ重視で、それ以降はタレント重視で選ぶのが良い結果を生むと考えています。下位指名はロスターに残る能力があるかどうかが問題なのですから。

2008年のロスター

　ルーキー時に活躍することよりも、1年後にポジションを奪う事を前提にドラフトをするEagles,2007シーズン終了時のロスターを考えてみます。（）付きの選手は契約終了・サラリーキャップ増大により2008年のチームには居ないと考えている選手です。

　QB　Donovan McNabb　A.J. Feeley　（Kelly Holcomb）
　契約上は3人とも2008シーズンもチームに居る事になりますが、Holcombがチームに居る可能性は低いでしょう。McNabbの膝の状態を危ぶむ声が出てきています、個人的には後継者はFeeleyで良いと思っているので上位指名を使う必要は無いと思います。

　RB　Brian Westbrook　Correll Buckhalter　Ryan Moats
　Buckhalter,Moatsの契約はあと2年あります、契約上は今年取る必要はありませんが、Moatsが信頼されていない事を考えれば2人しかロスターに居ないと考えることもできます。一人は指名するでしょうが上位を使うか下位を使うかは分かりません。

　FB　Thomas Tapeh　Jason Davis
　Tapehの契約は最終年度ですが、他所のチームが取りに来ることはないでしょう。ルーキーだった去年腕を骨折した状態でもプレシーズンゲームに出場していたDavisの評価が高かった事も有り、指名しないと考えます。

　WR　Reggie Brown　Kevin Curtis　Hank Baskett　Greg Lewis　Jason Avant　（Bethel Johnson）
　単年契約のJohnson以外契約はたっぷり残っています。契約面から考えれば指名の必要はありません、ディープスピードを持つWRを指名する可能性は有ります。

　TE　（L.J. Smith）　Matt Schobel　（Mike Bartrum）
　L.Jが契約最終年度です、Bartrumも首の怪我から復帰できるか分かりません。契約から考えれば上位指名の可能性も有るでしょう。

　OL　（Tra Thomas）　Jon Runyan　Todd Herremans　Shawn Andrews　Jamaal Jackson
　Winston Justice　Max Jean-Gilles　Nick Cole　Scott Young　Pat McCoy
　インサイドの3人は契約延長をしています。Traは2008年が最終年度な上に5,4ミリオンのベースサラリーです今年が最後でしょう。後継者はJusticeがすでに用意されています。RunyanもAndrewsのコンバートを考えているでしょう、指名の必要はありません。

　DE　（Jevon Kearse）　Darren Howard　Trent Cole　Juqua Thomas　（Jerome McDougle）
　Kearseは契約上今年が最後でしょう、McDougleはドラフトでDEを指名した瞬間カットされるはずです。そう考えるとDE指名があってもおかしくは無いです、残る3人も高額契約ですから4人目5人目は安い若手を入れたいでしょうし。

　DT　Mike Patterson　Montae Reagor　Sam Rayburn　Brodrick Bunkley　LaJuan Ramsey
　契約に問題は有りません、ランストップDTを入れる必要がある他はBunklreyの覚醒を待つしかないですし補強の必要は無いです。

　LB　Omar Gaither　Jeremiah Trotter　（Dhani Jones）　Takeo Spikes
　Chris Gocong　Matt McCoy　Torrance Daniels　Tank Daniels
　Spikesの加入でJonesがカットされるでしょう、そのSpikesも今年4,5ミリオン来年5ミリオンの高給取りです、今シーズンのプレイ次第ではカットされるでしょう。Trotterもあと2年契約は残っていますが膝の状態はかなり悪いですから2008シーズンチームに居るかは分かりません。これらベテランを追い出す能力を持つルーキーを上位指名する可能性は有ります。

　CB　Lito Sheppard　Sheldon Brown　（William James）　（Joselio Hanson）
　バックアップ2人の契約最終年度です、最低一人は指名することになるでしょう。上位を使うか下位を使うかは考え方次第です。

　S　Brian Dawkins　Sean Considine　Quintin Mikell
　4番手のSを入れる必要があります、Dawkinsの後継者は来年でも良いとは思いますがConsidineのレベルアップを考えるならば今年上位指名でしょう。

　K.P　David Akers　Dirk Johnson　　KR　Jeremy Bloom　（Bethel Johnson）
　Akers、Johnsonは契約延長済みですが2人とも30歳を過ぎて下り坂です。KR候補のJohnsonも単年契約です。ドラフトで指名はないでしょうが、Pに7巡を使う可能性はあります。

　2008年のチームから考えると、必要なのはRB,TE,DE,LB,CB,Sになります、6つの指名権をこのポジションに使うのが自然です。今年のチームニーズ・来年のチームニーズ共にこの6ポジションでしょう。

ドラフト実況チャット開催

　ドラフトが今週末に迫りました、4月28日土曜日と翌29日日曜日の深夜から朝にかけてドラフト実況チャットを居酒屋アメフトで作りたいと思います。両日とも午後10時ごろから部屋は作っておきます、毎年雑談をしながらドラフト開始を待つ形になります。
　Yahoo!メッセンジャー　チャットのスポーツ・レジャーのユーザールームに「居酒屋★アメフト」で部屋を作る予定です。（ドラフトっぽい名前になるかもしれませんが居酒屋アメフトは必ず入れます）
　当日までにYahoo!メッセンジャーの準備をして頂きますようお願いします。


　日曜日　21：20更新　今日も ☆居酒屋★アメフト☆でスポーツ・レジャーのユーザールームに部屋作っています。
　気軽に入ってみてください、ドラフトを楽しみましょう。2日目はサクサク進みますよ。

SとLBを取るらしいですよ

　モックドラフトの集計をしてみました、4月10日以降に更新したモックドラフト50個調べました。

　1巡だけのモックから7巡全部のモックまで有りますが、とりあえず1巡だけ集計を取りました。　1巡指名の票数の多い方から並べてみます。

10票　S 　Michael Griffin
　6票　S 　Brandon Meriweather
　6票　LB　Jon Beason
　4票　LB　Lawrence Timmons
　4票　CB　Aaron Ross
　3票　CB　Chris Houston
　3票　WR　Dwayne Bowe
　3票　DE　Jarvis Moss
　2票　DE　Anthony Spencer
　2票　CB　Darrelle Revis
　1票　 S　Eric Weddle　
　1票　CB　Eric Wright
　1票　DT　Justin Harrell
　1票　DT　Alan Branch
　1票　LB　Paul Posluszny
　1票　DE　Adam Carriker
　1票　 C　Ryan Kalil
　以上50票です
　
　ポジション別に見ると
　 S　17票
　LB　11票
　CB　10票
　DE　 6票
　WR　 3票
　 C　 1票
　こうなりました。

　圧倒的にS指名予想が多いのは26位で取れるタレントとチームニーズの両方を考えれば当然といえるでしょう。SS/FS両方出来そうなGriffinとFS/CBのMeriweatherどちらもチームニーズに合います、Brian Dawkinsの後継者とSean Considineからのレベルアップ両方をGriffinは期待できるでしょうし、Dawkinsの後継者とニッケルバック候補としてのMeriweatherもチームに貢献できそうです。
　次にLB予想が続きます、Takeo Spikesが入りましたしChris Gocongが回復していますがもう一人LBを入れる事が今シーズンも将来的にも必要と考えるのは理解できます。1巡候補のLB3人はLB3ポジションどこでもやれるでしょう。
　CB指名もニッケルバック兼バックアップの補強という意味で重要です、FA流出の穴で一番大きいのはRoderick Hoodの穴でしょうから。
　DE指名が予想よりも少ないのは4番手5番手のDEしか26位では取れないと考えての事でしょう、ライン収集が趣味のAndy Reidですから1巡DLの線は捨てられません。
　WRとCは無いと思います、特にC指名はありえません。本職のCではないJammal JacksonをGに戻すと言うのでしょうが、OGも充実しているので使い所が無いです。

　Eaglesのポジションニーズと26位に残っている選手の質両方を考えた時に、DE,CBよりもS,LBを取ると考えられていると言う事です。安全な指名をするのであれば1巡下位ですしS,LB指名になるのでしょう、しかしAndy Reidはこれまで8回のドラフトでLBは2巡を3回使っただけで3回とも外れを引いています、Sは1日目に指名したのはMicheal Lewisただ一人です。DLは1巡を4回使っていますし、CBもLito Sheppardで成功しています、こういう傾向を考えればS,LBの指名は可能性が低いのかもしれません。誰が26位に落ちてるのかは当日まで分かりませんから欲しい選手が落ちてくる可能性は有りますが、落ちてこないと考えた時にS,LBを1巡指名する用意が有るのか無いのか、今年は例年と違うドラフトになるかもしれません。