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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 624 週間リポート・広島東洋カープ

2020年02月26日 | 1976 年 



いったいどうしたというのだ
予想外の黒星続きにファンもウンザリ
4月12日現在、昨年初優勝したチャンピオンチームが開幕から6試合が経過しても未だ勝ち星なしの5敗1分けという体たらく。古葉監督は口を開けば「打てない…」を繰り返す。ヒットが繋がらないばかりか、たまに走者が出ても併殺。6試合で11併殺では古葉監督もお手上げだ。試合中にリードしたのは巨人3回戦の一度だけとあっては勝てないのも当然だ。6試合合計で得点は僅かに13点。昨季の首位打者・山本浩選手の打率は1割に満たない上に三番・ホプキンス選手が山本以上の不調で投手を除いた8人のレギュラーの内、5人が打率1割台では赤ヘル打線ならぬ赤貧打線だ。

10日の巨人戦の前には「新浦にウチは昨年4連勝したし、ヒットの出やすい人工芝だからチームに勢いをつけるにはもってこいだ」と首脳陣は余裕を見せていたが結果は新浦投手に散発4安打の完封負け。翌日も小林投手に完投勝利を許し3連戦3連敗を喫した。調子が悪いのは投手陣も同じ。昨季のチーム防御率はセ・リーグトップの2.99 だったが現在は4.94 でリーグ最低。総失点は33点で総得点(13)を大きく上回っている。とにかく先発した投手で2回まで無失点に抑えた投手がいないのでは話にならない。昨季18勝した池谷投手に至っては二度の先発で2試合とも2回終了時点で4失点では勝てるわけがない。

エース・外木場投手も2試合に先発して2試合とも4失点。相撲に例えれば負けてもともとの平幕力士が勢いだけで優勝した次の場所で、大関や横綱のように受けて立つような気取った相撲を取っても勝てないのと一緒と言うのがネット裏の多くの声だ。巨人に3連敗した後に古葉監督が発した「去年と違う野球をやっている」はまさにそうだ。投打共に絶不調で浮上の兆しは見えないがシーズンは始まったばかり。過去には開幕6連敗を喫しながら優勝した昭和35年の大洋の例もある。勝負はこれから、と言うカープナインの言葉を信じよう。



男は黙ってハムには行けん!
一方的なトレード通告にいささかオカンムリの佐伯
まさか、まさかの佐伯投手のトレード。古葉監督は常々「外木場と佐伯は絶対に出さない」と公言していただけに今回の日ハムとの交換トレードは佐伯にとってまさに青天の霹靂であっただろう。「日ハムへ行けと言われてもハイそうですかというわけにはいかんよ」と佐伯の怒りは治まらない。11月19日のトレード発表の当日にいきなり球団から聞かされたのも癇に障ったようだ。「球団がいらないと言うなら仕方ないけど事前に一言あってもいいでしょ?昨年の初優勝には微力ながら僕も貢献したんだから」と怒りの矛先は球団フロント陣に。

「人にはそれぞれ事情があるから黙って日ハムへ行くか分かりませんよ(佐伯)」これは大好きなカープから放出される事へのシッペ返しなのか。「事前にトレードの打診が無かったことで感情が高ぶってしまったのかも。でも佐伯はクレバーな男だから一連の発言は単に感情に流されてのものとは考えにくい。少しでも自分に有利な条件を引き出そうとしているのでは?(球団幹部)」という声もある。「まだ24歳だから野球をやめるわけにもいかない。ただね東京は地震が多いでしょ。何か起きてもカープは保証してくれないですからね(佐伯)」。なるほど、だから放出される前に貰うものは貰う腹づもりなのか。



期待裏切られて喜ぶ外木場
気前いいフロント?本人予想を下回る減俸にニヤニヤ
昨季は悲願の初優勝を果たしたことで契約更改では日本一となった阪急ナインがビックリ腰を抜かさんばかりの大盤振る舞いだったカープ。何と1千万プレーヤーがホプキンス選手、シェーン選手の両助っ人を含めて7人も飛び出す華やかさだった。MVPの山本浩選手は倍増の2千万円台にアップするなど、これまでのカープを知る人には考えもつかない気前の良さだった。もっとも当時の重松球団代表は「もし来年がダメだったら厳しく減俸します」と釘を刺すのも忘れていなかった。それだけに今季は3位に終わっただけに大荒れの契約更改になると予想されたが意外や意外の展開となった。

更改は若手から始まり1千万円プレーヤーの一番手は外木場投手。今季は四度の故障もあって登板回も激減し昨季の20勝から半減の10勝に。本人も「15%から20%のダウンは覚悟している。15%だったらサインするつもり」と話していた。結果は球団側の温情で13%ダウンの1千7百万円(推定)の提示。外木場は二つ返事で即サインした。「球団に感謝している。来年は怪我なくフルに働きたい。その為にも明日とは言わず今日からでも筋力強化の練習をするよ」と満足顔。果たして残りの不振だった1千万プレーヤー達が揃って球団の温情を受けられるかは疑問だが、少なからず光明を見出した気分であろう。

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