静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

漁師の学校に来ることを例(たと)えると...1

2017年07月31日 10時33分55秒 | 所感

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

夏休みに入って一週間。生徒がいないとブログもネタ切れです。
何と言っても、ブログの主役は生徒たちですからね!

この機会を利用して、漁師になることを考えている方に、私の思うことを書きたいと思います。
これから自分の進む道に、少しでも参考になればと思います。
ぶっちゃけ、通常は最下部にある「園長のつぶやき」に書いてあるようなことです。
その代わり、「つぶやき」はお休みです。

漁師になりたい人は、大自然を相手に、自分の体を使って働きたいと思っています。
見かたを替えると、人間相手だったり、頭を使ったりの作業は好きじゃないと言えるかも知れません。
今までの学校生活で人間関係や勉強でイヤな経験があったのかも知れません。
「漁師になるために1年間、学園に来るよりも、さっさと漁船に乗って漁師になる」と思う人が多いのも、分かる気がします。

静岡県で漁船員になろうと漁業会社に行くと、
「学園を卒業してからの方が良い」
と言われることがほとんどです。
人材難の漁業会社が、なぜこんなことを言うのか?
1年後に自分の会社に来てくれるかも分からないのに...
それは、すぐにやめる人がほとんどだからです。
本当にもったいないことだと思います。
漁業会社の人もそう思うからこそ、目の前の金の卵に学園に行くように言うわけです。

それでは、例えに入ります。
魚は1匹でたくさんの卵を産みます。
4kgのマダイなら100万粒の産卵をします。
生まれたての小さなマダイは、泳ぐ力も弱く、ほとんど他の魚の餌になります。
そして、ほんの数匹が大きくなって卵を産みます。
マダイに限らず、多くの魚はたくさん卵を産んで、ほんの少しだけ生き残ります。
漁業の発展にともない、マダイの漁獲量も激減しました。

なら、産まれた直後の魚の赤ちゃんを守ることで、魚を増やしたらどうでしょう。
それが栽培漁業。つくり育てる漁業とも言います。
マダイなら6cmになるまで人間が守って育てます。
その大きさになれば、他の魚に食べらることがとても少なくなります。
6cmまでに育てたマダイを放流することで、日本の沿岸はマダイが多くなりました。
その放流数は100万尾前後。つまり、親1尾分の数なのです。
(写真は放流する魚をつくる温水利用研究センターを5月に見学したときのものです)

仕事をする上でも、その世界にデビューした直後が一番大変です。
漁師という大海原に産み落とされたのです。
楽に生き残れる人はいません。
学園では1年かけて、漁船の世界で生きていく方法を学びます。
卒業はマダイで言えば6cmに育ったところです。マダイとしては、まだまだ子供。
だから学園の卒業生だって、始めは苦労の連続です。
でも、その苦労は小さくなっているはずです。
そして、本当につらいときに漁師になった苦労を分かってくれる同期生や、学園の職員がいます。

6cmで放流したマダイも、自然の海で卵から生き残ったマダイも、大きくなれば同じマダイです。
市場に上がれば、同じ値段がつきます。つまり、同じ価値です。
マダイは自分の生きる方法を選ぶことはできません。
でも、若いあなたは学園に来ることを選ぶことができます
選ぶのは、あなたですよ。

8月19、20日は模擬授業も体験できるオープンキャンパスを行います。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/harunokengakukai.html
加えて、8月の学園見学会平日版も14日から18日まで開催します。
土曜、日曜は来ることができない方は、こちらへご参加ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/kengakukai-aug.html
なお、どちらも事前に申し込みが必要です。
詳しくはホームページをご覧ください。

お問い合わせ、お申し込みは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする