実習船やいづが帰ってきました。
通勤途上に市場の前を通ったら、ちょうど水揚げ中でした。
47期生も全員、元気な笑顔を見せてくれました。
写真が準備できてないので詳しくは、また明日。
今日のブログは沖縄から焼津に帰港するまでの状況です。
なお、乗船実習は明日の下船式で終了です。
それでは、昨日までの専攻科生による主直日誌を紹介します。今回、2日分です。
主直日誌も本日で終了です。
専攻科生のみなさん、実習生の乗組員の皆様、水産高校の先生方、大変ありがとうございました。
【12月16日 主直日誌】
今日の朝から沖縄の那覇港を出港しました。沖縄に入港して5日間とても有意義な時間を過ごせたと思います。一番印象に残っているのはバス研修です。バス研修では沖縄で起こった戦争のことについてのツアーをしました。平和公園にはたくさんの碑石があり、そこには戦争でなくなった方達の名前が刻まれており、その碑石の数ももの凄く多くて戦争の悲惨さを物語っていました。この出来事は忘れてはならないことだと思います。
五次航海も残り三日となりました。最後の水揚げが当初遅れるとの事でしたが、通常通り19日の06時からとなり安心しました。そして片付けも含め残された時間を有意義に使っていきたいと思います。
残りの航海も三航海になってしまいましたので漁船に乗る上で何をすべきかなどを残りの航海でいろいろと見つけていきたいと思います。
先生の報告書から
・沖縄出港が1日遅れたが、何事もなく無事に出港することができた。焼津入港まで残り僅か、出港後直ぐに時化模様となったが、学園の生徒と専攻科生ともに頑張っている。
【12月17日 主直日誌】
一日の感想
今日で出港してから23日が経過しました。もうすぐ第5次航海が終わってしまいます。この航海が終わったら、残りは6次航と来年度の1次航の2航海を残すのみとなります。思い返すととても長いようで短いようでもある1年でした。専攻科に入学してから今航を含め5回の航海をしましたが、僕は正直入学当初からあまり成長したようには思えません。しかしこのままでは専攻科に入った意味がないので残りの2航海で少しでも成長出来るように日々考えて行動するようにしたいです。
昨日、漁業高等学園の園長先生から激励のメッセージを頂きました。2月の海技試験はこの1年間の成果を出す場です。僕達のことを応援してくださっている人が多くいることに気づきました。とても嬉しく、またその期待に応える為にも全合格目指し残りの日々頑張らなくてはならないと強く感じました。
また今日進路希望調査をしました。年明けには海技者セミナーという合同企業説明会もあり、春休みにはインターンシップを行ってくださる企業もあります。もう少しで1年生が終わりますが、すでに就職に向けての準備が始まっています。僕は商船希望なので漁船希望の人よりも早く動き出しどの船種にするか、どこの会社が良いかを考えなくてはなりません。よく考え早めに準備していきたいです。
今日は漁業学園との兄弟制度の下、ペアで刺し継ぎ実習を行いました。3本刺しアイスプライス、7本刺しアイスプライス、バックスプライスの3種類を教わりました。漁業学園の生徒さんは慣れた手つきでやっていましたが、僕達は慣れていないせいか指がとても痛かったです。明日は僕達がボンデン作りを教える番なのでしっかり教えて良い物を完成させたいです。
先生の報告書から
・毎年恒例の刺し継ぎ合同実習は、漁業学園の生徒が専攻科生へ感謝の気持ちを込めて、色々な刺し継ぎの方法を教えてくれる。下船間近で大分慣れ親しんでおり、とても良い雰囲気で行われた。明日は逆に専攻科生と学園生徒が一緒にビン玉作製を行う予定。
なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。
【ボンデン】
漁業用語です。皆さん、ご存じですか?
一般に「浮き玉」と呼ばれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E3%81%8D%E7%8E%89
網の浮きや、海面上の目印に使われます。
かつてはガラス玉が多く、網に包まれた大きなガラス玉を見たことがある人も多いのでは?
「ビン玉」と呼ぶ地域もあるそうです。
最近はガラス製は減って、樹脂製のものが主流です。
ガラス製はインテリアとして人気。
http://www.asaharaglass.com/goods01.html
漁業の現場では、浮き球に漁師が網を作って包みます。
最近は、初めから網に包まれたものを購入することが多いようですが、専攻科生は作った経験があるようですね。
学園では3学期にやる予定になっています。
ボンデンウリに似ているためボンデンと呼ぶみたいですが、由来は諸説あります。
園長のつぶやき
先週も学園見学がありました。
保護者の方からのご質問に対しての、私の回答です。
(質問)学園に来ないで、いきなり漁船に乗ることはできますか?
(回答)未経験者を積極的に歓迎はしませんが、漁業者は著しく不足しています。
探せば乗せてくれる船もあるし、斡旋してくれるところもあります。
ただし、すぐに辞めてしまう人がほとんどです。
(質問)技術を身につけてからでないと、漁船ではやっていけないから?
(回答)必ずしも、そうではありません。
ロープワークにしろ、海技士資格にしろ、漁船員になってから身につけることはできます。
しかし、漁師になった初期が一番大変で、大きなストレスがかかります。
ほとんどが初めての仕事で、道具の名前や置き場所も知らない。
他の船員にどうってことない仕事も、簡単にはできない。
知らない船員たちと寝食を共にする。人によっては船酔いもする。
船という限られた空間が何日も続く。土日の休みもない。
学園で学び、訓練することで、最初の苦労を軽くすることができます。
そのために、全寮制になっています。
技術や資格はもちろん大事です。
でも、漁師になる心構えが最重要。学園では心構えを育てます。
(質問)いきなり漁船に乗るのは無謀ですか?
(回答)人によると思います。
しかし、若い人には、年配の漁船員とコミュニケーションを取るという課題もあります。
これができないと、最初の大変さを乗り越えても、漁師を続けていくことができません。
技術や資格を持っていても、ここでつまづく人は多いです。
ですから、漁師に必要な心構えだったり、他の漁船員と付き合っていくコツを学園で身につけれもらえればと思います。
学園は漁師になる専門の学校ですから、これが水産高校や海員学校と違うところです。
さて、漁師をめざす人の参考になったでしょうか。
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