静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

焼津市歴史民俗資料館

2016年05月24日 13時33分05秒 | 研修・見学
学園の履修期間は1年ですが、そのわずかな期間内でも生徒諸君の見識を広げるように色々な施設に見学に行きます。
ここは、焼津地域の民族史を縄文、弥生時代から古墳、奈良、平安、中世までを学べます。
民族史は漁業と直接関係ない勉強ですが、さまざまな焼津の歴史の上に、現在は遠洋漁業の基地となっているのを知ることも重要です。

さて、ここの資料館ですが焼津ならではの展示もあります。
一つには、1954年にビキニ環礁でアメリカの水爆実験に遭遇しました第五福竜丸の模型、そのほかの関連資料が展示されています。マグロはえ縄漁船の乗組員23人が被爆しただけなく、放射能汚染で魚が売れなくなり、漁業は甚大な被害を受けました。

生徒諸君はどのような感想をもったでしょうか。
さらに、カツオ節製作道具や八丁櫓などの漁船模型も展示されています。



【高速漁船の八丁櫓】
八丁櫓とは名のとおり櫓が8つある漁船です。
江戸時代は、軍事上、漁船などの漕ぎ手(=最大スピード)は七丁以下と幕府が決めており、それより櫓の多い船はなかったようです。
しかし、徳川家康が焼津から久能にカツオ漁船に乗って出帆したとき、家康公は速度を上げるよう命じたそうです。
そこで、焼津の船だけに八丁櫓が許可されたそうな。
つまりは、日本最速の漁船ですよ。
興味のある方は「焼津八丁櫓」で検索してみてください。

カッター訓練で生徒は頑張っていますが、江戸時代の漁師も一生懸命、焼津八丁櫓を漕いでいた訳です。
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カッター訓練2

2016年05月23日 14時27分49秒 | 実習
ご紹介しているように、5月はカッター訓練を行っています。
連日やっているので、徐々に息が合ってきました。

訓練前は、指導教員が直前の海の状況を確認して、実施の判断をしています。
学園は海が近いし、頻繁にカッター訓練ができます。
さらに、少人数なので「天気が悪いから、ロープワークに変更!」と言うことも臨機応変に対応出来ます。
しっかり漕げるようになってきたので、今回は港の外まで行ってみましたよ。


【少人数教育】
私の出身高校は1クラスが48人のでした。
当時の学校側の説明は「教師の目の届く最大数」だったと思います。
クラスの人数が増えるほど、成績や理解力の差が大きくなります。教員は平均レベルを狙って教えることになるので、簡単すぎたり、難しいと思う生徒増えます。ですから、生徒にとってはクラスの人数が少ない方が良いと思います。
漁船員になりたい、あなた!!
ここは贅沢な環境だと思いますよ。

「教員も生徒が少ない方が楽だろ?」
と思われるかもしれませんが、そう簡単ではありません。
中学や高校では「学校事務職員」が配置されていて、授業以外の事務処理をしてくれます。
学園では、総務職員は研究所と兼務のため、1日に何時間か来てくれる感じです。
そんな状況ですから、カッター訓練などの校外実習では私が留守番です。
私以外の教務職員も、普通なら事務職員がやってくれるような多くの雑用を抱えています。
教員側からすると、小さい学校が良いことばかりではありません。
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実習船「わかたか」で

2016年05月20日 13時15分29秒 | 実習
カッター訓練と生徒を分けて、「わかたか」での乗船実習をしました。
今回は生徒数が半分なので、操船についてを詳しく説明です。

しかし、この日は風があって船酔い続出でした。

「わかたか」の実習も、これから刺網、はえ縄など実際の漁業に使うものになります。


【乗り物酔い】
私も水産技術研究所にいたとき、海洋調査で乗船の機会がありました。
ちょっと風吹くと船酔いで這いつくばったのを覚えています。
毎日船に乗るようになると、ほとんどの人は慣れて酔わなくなります。
でも、漁師でさえ正月の休み明けは酔う人がいます。
また、「小さな漁船では、いくら揺れても平気」な人も、大きな船に乗ったらダメ...
ってことも良くあります。
それから重油などの臭いで気持ちが悪くなる人もあります。
全然酔わない人もいますが、船の場合は少数派だと思います。
クルマの場合は、「自分で運転すると酔わない」という人は多いと思います。船も同様で
「いつも船酔いしていたが、操船するようになったら酔わなくなった」とも聞きます。
このへんの仕組みは謎です。私の場合は、ブリッジで舵を操る船長の隣に立っていても、
しっかり酔います。
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卒業生が来てくれました

2016年05月19日 13時39分51秒 | 卒業生の活躍
二人の卒業生が来てくれました。
二人は卒業年度は違いますが、今は同じ遠洋カツオ船に乗っています。
仕事とでの苦労や、楽しみを話してくれました。
当学園が焼津漁港のそばにあるせいか、卒業生が頻繁に来てくれます。
元気に活躍している姿を見るのは、我々スタッフにとって、大きな喜びです。
47期生に漁業現場の話をしてくれるようにお願いしました。

今年、まだ来園していない卒業生の皆さん、ぜひ遊びに来てください。


【ロープワークの重要性】
何人かの卒業生から、学園で学んだことで、何が一番仕事で役に立っているか聞きました。
ロープワーク実習と答える人が多いようです。
このブログでも紹介しましたが、当学園の実習はロープワークに始まります。そして、卒業まで嫌になるくらい繰り返して体に叩き込みます。
漁船員なら誰もがやる、基本的な作業の重要性が卒業生も現場に出て実感するようです
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カッター訓練

2016年05月18日 13時21分48秒 | 実習
海上でのカッター訓練が始まりました。
この時期は、屋内の実習より、海の上の方が気持ちが良いってもんです。
さて、カッターは構造は簡単な船ですが、それを漕ぐのは大変です。
櫓(オール)はやたら重たいし、並んで漕ぐので息を合わせなければ櫓と櫓がぶつかります。


指導教官の笛に合わせて、大きな声を出して漕ぎますが...うーん...

想像以上に大変だったと思います。

【カッター訓練の意義】
カッター訓練は水産系の学校ではお馴染みであることをはご紹介しました。さらに言えば、防衛大、あるいは海洋スポーツ少年団でも行います。
実際の海難事故の際に、この訓練がどれだけ役に立つかは、いろいろな考えがあると思います。でも、カッター訓練が広く行われているのは、それなりの意味があるからです。
気持ちを一つにして、成果を出すことにより人間的に成長するために、適した素材だからではないでしょうか。

小学生を対象にした、30人31脚の大会があります。
あれも、クラス全員が努力したことが、個人の成長につながる意義があるんでしょう。
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