「過去に感謝 未来に希望」●帯広の野外彫刻(13)～2024年12月、釧路へ(19)

(承前)

　帯広の野外彫刻を紹介する記事をアップするのは2014年1月の「育くめ青少年」以来、10年余りぶりとなります。

　十勝を拠点とするスーパーマーケットのフクハラの本部が帯広市の西郊にあり、社屋の北側にこの彫刻があります。　

　創業の地である鹿追町に福原記念美術館を建て、神田日勝を生前から応援するなど、美術に関心の深い福原治平さんが社長を退任する記念に建立したもののようです。
　
　
　台座にはタイトル「過去に感謝 未来に希望」が刻まれ、左右に、新旧のマークが添えてあります。

　この像で2人が掲げている、〇に治のマークは、赤い大きな円の下部に
「昭和二十二年より平成元年までの商標」
と書かれています。
　右が現在、各店舗の塔屋などにデザインされているマークです。

　下の碑文には次のようにあります。

　昭和二十二年創業以来
　四十七年間に 株式会社福原が
　今日の成長と繁栄を
　見ることが出来たのは 在職中の
　從業員の方によるのみならず
　既に退職された幾千人もの
　人達の力にもよるものであります。
　今回、株式公開を機に
　社長の職を辞するにあたり、
　これら過去に退職された
　多くの方に感謝の誠を捧げ、
　從業員が希望多き
　未来に向かって
　力強く前進されんことを願い
　この像を建立しました。

　　平成六年九月吉日
　　　株式会社　福原
　　　　会長　福原治平

　
　ただし、今のところ彫刻の作者はわかっていません。
　なかなか手堅く、左右の男女を造形しています。

　植え込みがあるので、背後にまわって確かめることなどはできませんでした。


　フクハラの本部は、地図で見ると国道38号に面していますが、国道から入れるのは歩行者のみで、自動車の出入りできる門は、この彫刻がある南側の一般の道路にあります。

　国道を右左折する際に事故を起こしたり、他の車の通行の妨げになったりすることを考えると、あえて国道側に出入り口をもうけずに裏道から出入りするようにしているのは、なかなか良い作戦だと思います。

　社屋の玄関は、この彫刻と国道のちょうど中間に、西側に面して在ります。
　その玄関前にも彫刻が1基設置されているので、次項で紹介します。

(この項続く)