勤務先では環境保護のため、アイドリングストップ運動をしている。
住宅地にある工場なので、住民にも配慮しなければならない。熱帯夜で大型トラックが冷房のためアイドリングするのでさえ法律で禁じられている。
これは、すごいことだ。目に見えないものに対して、しかも効果がすぐにあらわれない問題について、国家が権力を行使している。著作権法だって、カラオケ店が違法に音楽を提供していれば、警察が飛んでくる。
しかし、目の前にいる難聴者が選挙の政見放送が聞こえなくても、誰も罰せられない。参政権という基本的人権が侵害されているのに。障害者基本法の他に、障害者差別禁止法を求める所以だ。
障害者の自立どころか、生命さえ奪いかねない障害者自立支援法があれだけの批判を浴びて、またそのまま提出してくると言う。普通は廃案になったのだから、1年やそこらじっくりと構えて審議したら良いのだ。支援費制度の矛盾が吹き出して、社会保障審議会の障害部会で地域生活支援の在り方について検討していた時に、いきなり「グランドデザイン」が発表されて、十分な説明も質疑もないまま、また急に「障害者自立支援法」が出された。
国が焦って出した法律に、国民の利益になるものは少ない。
ラビット 記