難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

H市の市議会議員への要望 要約筆記派遣事業の有料化

2007年03月06日 18時59分08秒 | 要約筆記事業
2007年2月16日
○○ ○様
いつもご苦労様です。

H市は、平成19年度予算で、障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業を実施し、その中に聞こえない人が利用する手話通訳と要約筆記者派遣事業の利用料を有料化する考えです。先週の2/6頃に予算の内示が出ています。
手話通訳や要約筆記は、コミュニケーションの保障のために必要なサービスでこれまで無償で実施されていたものですが、有料化されると役所に行くにも買い物するにも病院に行くにも通訳料を10%負担になってしまいます。

要約筆記は、手話の出来ない難聴者、中途失聴者が利用するいわば文字で行われる通訳ですが、この派遣は市で養成したものと東京都で養成した要約筆記者がいます。
市の考えでは、市で養成した人はボランティアレベルなので、無償で派遣し、東京都で養成した人は技術も高いので、一部負担してもらうと言っています。
しかし、聞こえない人が通訳を依頼するときはきちんとした人に通訳してもらいたいのが普通で、こっちに頼めば無料、こっちに頼めば有料というのは、みな無料のほうを選択しますが、それでは通訳の質が保証されないというのもおかしな話です。

地域生活支援事業には、車椅子の方が利用する移動支援事業もあり、こちらは障害者自立支援法が出来る前には支援費制度で10%の自己負担がありました。障害者自立支援法が成立し、施行後は地域生活支援事業で実施されますので、そのまま10%の負担があり得ますが、おなじ地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業はそれまで障害者社会参加促進事業で実施されてきて、無料でした。
それまでの制度の違いがあるのに、無料だったものを有料にするのは理不尽です。
コミュニケーションは、生きていく上で不可欠です。しかし、そのために手話通訳や要約筆記者を使う度にお金を支払うのではその利用を抑制してしまいます。病院へ行くのにお金が余計にかかるのでは依頼するのを止めてしまおうと思うことにもなります。そうすると早く治る病気も快速が遅くなることもあります。

どうか、この無料だった手話通訳と要約筆記のサービスを利用する有料化を止めさせて欲しいのです。
すでに、△△議員が聴覚障害者団体等を障害福祉課の課長に引き合わせたようですが、まだ市の考えを聞いたというだけの段階です。
△△議員は、前のH市聴覚障害者協会の会長と親しかったらしいですが、障害者自立支援法の応益負担を間違えて理解しています。法律で10%の負担が決まっているのは個別給付事業であって、地域生活支援事業は事業給付で10%と負担とはなっていません。市町村の裁量に任されています。
地域生活支援事業の中の移動支援事業が支援費制度のときは10%の負担になっていましたが地域生活支援事業となったので、義務的経費にはなっていないのです。障害者の負担も義務ではありません。
まして、コミュニケーション支援事業はこれまで社会参加促進事業で、無料で行われてきたものです。これがより良いレベルの通訳を求めるからといって有料という考え方も許されません。

コミュニケーションは聞こえない人だけではなく、聞こえる人にも必要なのに、聞こえない人だけ負担するのはおかしな話です。


H市の要約筆記事業に対する市長と市議会議長宛の要望

2007年03月06日 18時50分00秒 | 要約筆記事業
2007年3月2日
H市市長
  殿
H市議会議長
  殿
          コミュニケーション支援事業に関わる要望について

 私は聴覚障害2級の聴覚障害を持っています。
 障害者自立支援法により、手話通訳と要約筆記者派遣事業などコミュニケーション支援事業が市町村の必須事業となりました。東京都は,平成19年度から要約筆記者派遣事業は区市に移行することから個人派遣事業は予算化していません。
 H市で、いつでもどこでも手話通訳、要約筆記者派遣受けられるような事業を実施して頂くことを要望します。
1)通訳の派遣をこれまでどおり、無料で受けられるようにして下さい。
 私は会社員ですので、H市内の生活はK駅周辺の買い物の他は、他市で通院や私の所属するNPO法人での会合などに要約筆記を利用しています。これまでは東京都に要約筆記者の派遣を無料で依頼していましたが、4月以降も同様の派遣が無料で受けられるようにお願いします。
 手話通訳等の派遣事業はこれまで障害者社会参加総合推進事業で無料で実施されてきました。障害者自立支援法の地域生活支援事業で実施されるようになっても、コミュニケーション支援事業の性格は何も変わらず、同じ地域生活支援事業の移動支援事業はこれまでサービス提供事業者と利用者の契約で行われていたので、制度が異なる事業ですから、同じ考えを持ち出すことには無理があります。有料化には強く反対します。
2)技術等が担保された要約筆記者等の派遣が受けられるようにして下さい。
手話通訳と要約筆記は高い専門性が必要です。知識、技術、対応の専門性がなければ、要約筆記を利用する人が権利の保障を受けられません。手話通訳、要約筆記は社会福祉法第二種社会福祉事業に指定されており、権利擁護のための公益性の高い事業です。ボランティアの行為とは性格が異なります。障害者自立支援法はこの社会福祉事業である手話通訳、要約筆記者の派遣を市町村の必須サービス事業としたのです。
要約筆記はこれまで東京都要約筆記奉仕員養成事業で養成された人が判定審査、あるいは登録試験を受けて、合格した人を派遣して下さい。
他の区市同様、H市が東京聴覚障害者福祉事業協会と契約をし、手話通訳、要約筆記者の派遣を使えるようにして下さい。
3)H市は、団体(グループ)を対象にした派遣事業を実施して下さい。
 この場合も、きちんと一定の技術等の担保が必要です。聴覚障害をもつ市民が社会との関わる場の違いによって、権利保障に差が生じることはあってはならないことです。

 以上の要望について、3月15日までに、書面でご回答をお願いします。



電気通信のアクセシビリティ 日本発の提案が国際基準に

2007年03月06日 11時47分45秒 | バリアフリー
全難聴から、電気通信アクセシビリティに関するシンポジウムの案内があった。

これは、日本が国際通信連合に提案した電気通信アクセシビリティの規格がITUで採択されたことから、日本での取り組みを進めようというものだ。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/4912761.html

W3Cで、通信・放送も包含するアクセシビリティの研究をしている河村宏先生や仙台でテレビ電話による電話リレーサービスを実施しているプラスヴォイスの三浦浩之氏の報告がある。
聴覚障害者にとって、機器のアクセシビリティからサービスのアクセシビリティの充実は重要な問題である。
総務省にユニバーサルサービスに関するパブリックコメントの提出も進めていた。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=145207017

ラビット 記
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全難聴で参加している情報通信アクセス協議会関連の「電気通信アクセシビリティ・シンポジウム3月26日」の開催案内が来ています。
理事会でお話した電話リレーサービスに関係する内容のシンポです。
参加可能な方は是非ご参加下さい。
下記のWebに参加要領がありますので、参加される方はWebを開いて個人で参加申し込みをするようになっていますので、それぞれ手続きをお願いします。
----- Original Message -----
Subject: 【お知らせ】電気通信アクセシビリティ・シンポジウムの開催案内

国際提案等対応検討委員会・WG 各位
お世話になっております。総務省情報通信利用促進課の岩崎です。

先週、標記シンポジウムの概要をお知らせさせていただきましたが、本日、総務省から報道発表を行いましたので、お知らせいたします。

★総務省ホームページ(報道資料)
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070305_2.html

多数の方の参加をお待ちしておりますので、ぜひ皆様の情報提供ツール等をご活用いただき、広く周知いただけると幸いです。

それでは、引き続き、よろしくお願いします。

以下、署名です。
(省略)