難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

聴覚障害者も新しいスタート、会社も制度も。

2009年04月06日 22時03分21秒 | 就労
090406-083144.jpg勤務先では先週異動があり引継も終わり、新人も含めて皆今日から新しい部署での仕事が始まった。

昨年のことか、耳に補聴器をしてリクルートスーツを来て就職試験の本を見ていた若い女性に電車の中で声もかけられず、心でガンバレヨーガンバレヨーと声援を送っていたことを思い出した。彼女は無事に就職できたのだろうか。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6824923.html

今、企業の入社研修で要約筆記者はフル回転だ。企業が要約筆記の費用を負担する派遣だが、研修が終わって職場に配置されてからも引き続き派遣が受けられるのだろうか。
会社の業務は知識と経験の積み重ねで、それはコミュニケーションで得られたり、促進されるものだ。そのため聴覚障害者が仕事に就いたとき、コミュニケーション支援は最初からかつ継続して必要になる。
働く場所では、同僚の個人の配慮で行われるコミュニケーションもおなじように欠かせない。

聴覚障害者は初めて仕事に就くときはどのような会議やコミュニケーションが行われるか知らない。雇用されたばかりで、試用期間中という弱い立場でもある。

どうやって、問題を解決するか。
本人が状況に応じて必要な配慮やコミュニケーション支援を求めたり、選択できるようになるまでは、雇用先が最大限の配慮をしなければならない。聴覚障害者が真に戦力となるように、雇用側も聴覚障害者本人も助言や指導が受けられるような仕組みが必要だ。
聴覚障害者問題に精通したジョブ・コーチを養成したり、制度の活用を国や公的機関が推進すべきだろう。

また、本人が差別や不十分な処遇を受けた場合に、雇用企業内や労働委員会など公的機関に訴えることの仕組みが必要だ。

手話研修センターの就労支援事業は4月12日に開所する。どういう事業をするのだろうか。


ラビット 記




テレビの字幕の遅れを考える

2009年04月06日 12時38分52秒 | 放送・通信
090402-220038TV.jpg090402-220316TV.jpgたまたま見ていたテレビで、昔の漫才師、タレントを紹介していた。

字幕放送の字幕が出ていたが、遅れに遅れて表示されていた。2、3分は遅れていただろう(実際はもっと短かったかもしれない)。前の漫才師の話の字幕が次の映像と音声にかぶっていた。

録画の字幕だったら、音声と同期するように調整されいただろう。この番組は今のタレントが昔の漫才を見てコメントする番組だったが、生放送の字幕だったのだろうか。それともぎりぎりで制作されたので字幕制作する余裕のないままオンエアーになったものか。事前制作する余裕のないときは、放送時に入力するので生放送と同じ形になる。

生放送の字幕はどうしても聞いてから入力するので遅れる。しかし、今回のようにこんなに遅れることは通常ない。

問題は、これをどう見るか。放送局は途中をはしょって字幕を出来るだけ追いつかせることもできただろうに、そうしなかったのはなぜか。早変わりする字幕だけ見ていれば字幕の範囲で分かるかもしれない。

省略すると、漫才師サイドから何故自分のだけカットしたのかとクレームが出るのを恐れたのか、それとも音声をそのまま字幕にしなければならないと思っていたのか。

字幕が必要な難聴者からは映像と音声が同期していることが望ましい。生放送の字幕だから遅れても良いのかというとそうではないだろう。字幕が遅れてはいけないのなら生放送の字幕放送は出来ないと言うのではなく、利用者の声を元に実現を図って欲しい。

映像と音声を遅らせて、字幕放送の字幕に同期する技術がある。2年前の視聴覚障害者向け番組のあり方を検討する研究会でこの技術がある放送事業者とシステムを開発したメーカーとで報告されたが、今の地デジ放送の放送設備を全て変えなければ対応できない、費用の負担ができないという他の事業者の意見もあり、日の目を見ていない。
実は、地デジの映像と音声はすでにアナログのより、数秒間遅れている。地デジで時報の放送は出来ない。

放送事業者は、ユーザーの立場で問題解決する視点が欲しい。


ラビット 記