難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者権利条約ノート:合理的配慮とユニバーサルデザインの理解

2009年04月23日 22時24分36秒 | 権利
090419-170650赤.jpg090419-170510赤2.jpg「ITのユニバーサルデザインの発展と国連障害者権利条約」の河村宏氏の講演で、障害者権利条約の重要なポイントが解説されている。ノートした。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/pcv_seminar/080216_kawamura.html

障害という定義はない。何が障害者に対する差別かはある。
「実はこの権利条約は、定義のところを読んでも「障害って何だ」という定義はありません。定義のところに「障害」の定義が書いてないというふうに私には読めます。その代わり「何が障害者に対する差別なのか」ということが書いてある。というのが定義のところの特徴だと思います。」

○合理的配慮を否定することは差別になるのではなく、合理的配慮を行わないことが差別になるというのは?
「私の言葉の理解では「否定する」というのは意識的な行為。知った上で「いや」というのが否定だと思うのです。「行わない」というのは知らなくて、「そういうことが必要だということがよく分からなくて行っていなかった」ということも含まれるように思います。」

○合理的配慮は、一人一人の障害者に対する適合のことを指す。ユニバーサルデザインがあって、その上にさらに個人個人に適合するようにしなければならない措置のことを指す。
「その「合理的配慮」というのは、実体は、調整や変更、そういったものなのですね。つまり普通にあるものだけでは足りない。だから環境を調整したり変更したりして、障害のある人が困らないようにしないといけない。」

○どこまでが合理的配慮なのかは、技術や環境によって変化していく。
「実はこの合理的配慮というのは「過度の負担でない」ということが前提になっているのですね。非常に曖昧です。この「過度の負担でない」調整や変更というものは技術の進展によってどんどん変わっていくものですね。それからそこがどういう環境なのかによっても変わっていくわけです。」

○ユニバーサルデザインは、国連の世界情報サミットに多くの障害者が参加する中で確立された考え。ITが普及していく時に利用が妨げられないように開発する必要性が認められた。
「国連の障害者権利条約の中に、ITあるいは情報コミュニケーションに関わる部分というのは、非常に色濃く、その世界情報社会サミットに障害者のグローバルな参加があったということが反映されていると思われます。そこで「ユニバーサルデザイン」という、非常にこれまでなかなか技術の世界でも合意することが難しかったような概念が、そこで定義の中に登場してくるようになってきたと思われます。」

○国連のいろいろな分野に、マルチステークホルダーの一人として障害者が参加する機会が断然増えていく。その参加が保障されるということだ。
「そこで大きな変化、一番先に起こるのは国連そのものであろうと。機関としての国連そのものが大きな変化を受ける。つまり国連は発効した国際条約を遵守するという義務を当然負うわけです。これは国連への参加を障害のある人たちが考えるときに大きな影響を持ちます。」

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障害者の権利条約の定義に、合理的配慮が先でユニバーサルデザインが後に記述されている意味はよく分からないでいる。

周囲の人は、「合理的配慮」が何か汎用的配慮、バリアフリーのことのように受けとめている節がある。
合理的配慮というのは、同じ聴覚障害者でもろう者と難聴者は違うし、難聴者でも補聴器の聞こえ具合が違う人がいる。それでも、その人に必要な配慮を求めることが出来るのであり、うるさいところでは視覚的情報や磁気ループを静かならば磁気ループの他に拡声器とか個人と環境に合わせた「配慮」を求めることが出来るという理解だ。

その思想とするところが一人一人に合わせることこそが個人の尊厳そのもの、障害をもっていることが社会で差別されないことと言い切るにはなにかまだ考えが及ばないところがあるのかと自問している。

もっと障害の多様性を見るべきなのか。あまり他の障害者を理解していないからか。なにか。


ラビット 記