難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障がい者制度改革推進会議の国民的公開を

2010年01月09日 18時29分13秒 | 日記(つぶやき)
12日には初めて「障がい者制度改革推進会議」が開催されるが、この障害者当事者が委員を過半数を占め、障害者施策に造詣の深い学識者もメンバーに入っている。

この歴史的な推進会議の模様は障害者はもとより国民に広く公開して、障害者の理解を得られるようにすべきだ。
事業仕訳ではないが。
聴覚障害者も参加するので、要約筆記者や手話通訳者の配置も当然だ。


ラビット 記
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2010年1月7日
内閣総理大臣
鳩山 由紀夫 様
内閣府特命担当大臣
福島 みずほ 様
日本障害フォーラム
代表 小川 榮一


「障がい者制度改革推進会議」における参加
並びに情報保障等に関する要望


平素より障害者の権利の向上ならびに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意を表します。

さて、昨年12月15日に、国連の障害者権利条約に沿ってわが国の障害者施策を障害当事者並びに関係者の参画の下で抜本的に見直していくという目的に基き、「障がい者制度改革推進本部」が設置されました。同21日には民間から東俊裕弁護士が担当室長に正式に就任し、今後条約批准に中心的に取り組んできた障害当事者等が過半数を占める標記推進会議が立ち上がり、本年1月12日には第1回の改革推進会議が開催される運びとなっております。

これは、私どもJDFを初めとする全世界の障害者が「私たち抜きに私たちのことを決めてはならない」というスローガンを掲げ条約交渉に臨み、条約が成立したことを新政権が受け止めたものであり、私たちは心から歓迎するものであります。さらに、障害分野のみならず、様々な分野における民間・当事者の政治参加という点で、わが国の歴史に記録される画期的なことであり、全国の障害者並びに関係者は非常に大きな期待を持っております。

そこで、第1回目の会議から今後全ての会議並びに将来設置されうる専門部会におきまして、全ての障害者並びに関係者に会議の内容等の情報保障が確保されるとともに、傍聴等の参加やマスコミ取材につきましても最大限保障される必要があると考えております。そのことは、障害者問題を全市民的な課題にしていき、多くの人々の関心をさらに高めていくことになります。
 以上の認識に基づき、私たちは下記のことを要望いたします。



1.会議において、全ての障害者への情報保障を行い、議事進行において全ての構成員が発言できるように配慮すること。

2.会議において、構成員以外の者が傍聴等を出来るようにすること。さらに、インターネットでの同時中継や「目で聞くテレビ」等のテレビでの同時中継により全国の障害者を含む国民等が外部から会議の内容を知ることができるような方策を取ること。その際、手話通訳や字幕表示、テキスト等多様な形での情報保障を行うこと。

3.会議について、マスコミ等の取材に対してフルオープンにすること。

以上

【JDF構成団体 13団体】
日本身体障害者団体連合会
日本盲人会連合
全日本ろうあ連盟
日本障害者協議会
DPI日本会議
全日本手をつなぐ育成会
全国脊髄損傷者連合会
全国精神保健福祉会連合会
全国社会福祉協議会
日本障害者リハビリテーション協会
全国「精神病」者集団
全国盲ろう者協会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会

問合せ先 日本障害フォーラム(JDF)事務局
TEL: 03-5292-7628 FAX: 03-5292-7630

テレビメーカーは3Dテレビ発売の前にすることがある

2010年01月09日 13時28分50秒 | バリアフリー
1月7日の日経夕刊に、アメリカの家電見本市で、テレビメーカーが一斉に3D(立体)テレビを展示し、日米ほぼ同時に発売する模様と伝えた。
    
テレビメーカーは、視聴覚障害者がテレビにアクセス出来ない問題があることを知っていて、それを放置したまま新しいテレビを開発し、販売するなんて絶句。

聴覚障害者のテレビ視聴は字幕を見ていても映像とのずれ、遅延がひどい。地デジは電波産業会ARIBの規格で字幕放送のようなクローズドの手話放送が出来ない。
5.1チャンネルサラウンドで番組を作ったら視覚障害者の解説放送が出来ない。

字幕と手話、解説音声をきちんと受信できるような機能の規格を制定して、新テレビから順次搭載すべきだ。
一部関係者からはARIB基準はそう簡単に変えられないと聞くがそんなことはない。3Dテレビの規格はどうやって作ったのか、障害者当事者不在のまま作られたことはおかしい。
障害者権利条約の第2条の定義にユニバーサルデザインが掲げられている。あらゆる設備、製品、サービスに共通する原則だからだ。


ラビット 記


訴訟団と国との基本合意文書

2010年01月09日 09時49分05秒 | 権利
一昨日、障害者自立支援法訴訟団と国との基本合意文書が交わされた。

裁判取り下げの調停との報道もあるが、これまでの施策が誤りだったことを国が認め新法作成に当たってのポイントを確認したもので、即、取り下げに至るわけではない。

取り下げになると裁判そのものがなかったことになってしまう。国の施策形成の過程と内容を見て、裁判所の調停を経て、和解になるのではないか。

発表された予算案には、障害者総合福祉法制定に関わる予算が組まれていた。障害者の実態を把握するための費用などが含まれている。

聴覚障害者の問題もコミュニケーション支援や相談支援、就労支援、機能訓練等の実態をきちんと把握することを要求しなければならない。


ラビット 記
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障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と
国(厚生労働省)との基本合意文書

平成22年1月7日

 障害者自立支援法違憲訴訟の原告ら71名は、国(厚生労働省)による話し合い解決の呼びかけに応じ、これまで協議を重ねてきたが、今般、本訴訟を提起した目的・意義に照らし、国(厚生労働省)がその趣旨を理解し、今後の障害福祉施策を、障害のある当事者が社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために最善を尽くすことを約束したため、次のとおり、国(厚生労働省)と本基本合意に至ったものである。

一 障害者自立支援法廃止の確約と新法の制定
国(厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止し、遅くとも平成25年8月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。そこにおいては、障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。

二 障害者自立支援法制定の総括と反省
 1 国(厚生労働省)は、憲法第13条、第14条、第25条、ノーマライゼーションの理念等に基づき、違憲訴訟を提訴した原告らの思いに共感し、これを真摯に受け止める。

2 国(厚生労働省)は、障害者自立支援法を、立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる。

3 今後の新たな障害者制度全般の改革のため、障害者を中心とした「障がい者制度改革推進本部」を速やかに設置し、そこにおいて新たな総合的福祉制度を策定することとしたことを、原告らは評価するとともに、新たな総合的福祉制度を制定するに当たって、国(厚生労働省)は、今後推進本部において、上記の反省に立ち、原告団・弁護団提出の本日付要望書を考慮の上、障害者の参画の下に十分な議論を行う。

三 新法制定に当たっての論点
 原告団・弁護団からは、利用者負担のあり方等に関して、以下の指摘がされた。
① 支援費制度の時点及び現在の障害者自立支援法の軽減措置が講じられた時点の負担額を上回らないこと。
② 少なくとも市町村民税非課税世帯には利用者負担をさせないこと。
③ 収入認定は、配偶者を含む家族の収入を除外し、障害児者本人だけで認定すること。
④ 介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。
⑤ 実費負担については、厚生労働省実施の「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」(平成21年11月26日公表)の結果を踏まえ、早急に見直すこと。
⑥ どんなに重い障害を持っていても障害者が安心して暮らせる支給量を保障し、個々の支援の必要性に即した決定がなされるように、支給決定の過程に障害者が参画する協議の場を設置するなど、その意向が十分に反映される制度とすること。
  そのために国庫負担基準制度、障害程度区分制度の廃止を含めた抜本的な検討を行うこと。

国(厚生労働省)は、「障がい者制度改革推進本部」の下に設置された「障がい者制度改革推進会議」や「部会」における新たな福祉制度の構築に当たっては、現行の介護保険制度との統合を前提とはせず、上記に示した本訴訟における原告らから指摘された障害者自立支援法の問題点を踏まえ、次の事項について、障害者の現在の生活実態やニーズなどに十分配慮した上で、権利条約の批准に向けた障害者の権利に関する議論や、「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」(平成21年11月26日公表)の結果も考慮し、しっかり検討を行い、対応していく。
① 利用者負担のあり方
② 支給決定のあり方
③ 報酬支払い方式
④ 制度の谷間のない「障害」の範囲 
⑤ 権利条約批准の実現のための国内法整備と同権利条約批准
⑥ 障害関係予算の国際水準に見合う額への増額

四 利用者負担における当面の措置
 国(厚生労働省)は、障害者自立支援法廃止までの間、応益負担(定率負担)制度の速やかな廃止のため、平成22年4月から、低所得(市町村民税非課税)の障害者及び障害児の保護者につき、障害者自立支援法及び児童福祉法による障害福祉サービス及び補装具に係る利用者負担を無料とする措置を講じる。
 なお、自立支援医療に係る利用者負担の措置については、当面の重要な課題とする。

五 履行確保のための検証
以上の基本合意につき、今後の適正な履行状況等の確認のため、原告団・弁護団と国(厚生労働省)との定期協議を実施する。