難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

国と基本合意文書を調印について

2010年01月11日 19時30分23秒 | 日記(つぶやき)
1月7日の障害者自立支援法自立支援法違憲訴訟団と国との基本合意文書を交わしたことを伝えたが、報道にあるような訴訟取り下げというものではないので、改めて確認したい。
以下、きょうされん東京支部小野事務局長からのメール。一部字句修正。

基本合意文書より
「本基本合意の締結により訴訟は終結のための手続に入るが、これは自立支援法の廃止と新たな総合的福祉法制に向けた新たな出発にすぎない。」


ラビット
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きょうされん 「運動が勝ち取った基本合意」より

http://www.kyosaren.or.jp/commentomo/2009/91.htm

 準備期間も含めると約3年余に及んだ本訴訟はこれで一応の区切りを迎え、今後の選択肢としては和解・取下げ・放棄の3つがあるという。これから原告・弁護団・めざす会の三者でどの道を選ぶのかを議論することになるが、原告の思いを尊重するならば、取り下げや放棄はあり得ない。政府との合意事項を司法の場でも確認するという意味で、14地裁すべてで和解を目指すべきだ。和解となれば、判決と同等の効力を原告と被告の双方に及ぼすことになり、今回の基本合意の内容から言えば原告サイドの勝訴的和解と言ってもよいとのことだ。

「筆談ホステス」と社会の対応

2010年01月11日 19時25分45秒 | 福祉サービス
斉藤里恵さんの書いた「筆談ホステス」がドラマ化されて、昨夜放映された。

この番組が放送された自体が難聴者、中途失聴者、ろう者の置かれた厳しい状況を物語っている。
例え番組が「感動秘話」として放映されたとしても、障害者福祉行政に関わるものはその状況を今に至るまで放置してきた責任が問われる。

感動秘話になるだけの厳しい現実があるからだ。聞こえないことに対する無理解と直接的、間接的差別を放置してきた政治と行政の責任が問われているのだ。
心ある関係者は番組を直視できなかったのではないか。

聞こえないだけ、声が出せないだけで人格すべてが否定されてしまう辛さは、悔しさを通り越して、自分の将来、可能性に対する絶望から周囲の人に対する敵意へさえも転化する。

これは、難聴者、中途失聴者、ろう者のいかんを問わない。あれこれのコミュニケーション方法、手段の問題ではない。

青森市が彼女を観光大使にしたことも耳にするがそれは自治体にとってとても恥ずかしいことだと気が付かないのだろうか。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/091123/trd0911230801005-n1.htm

聞こえない彼女にそうした公的な役割を与えるならコミュニケーションの保障を青森県が責任を持つべきだ。市長は彼女と筆談すべきだし、周囲の人もそうだ。周囲に飛び交う音声情報は彼女に伝えるべきだ。
そういうことをしてこなかったことを反省せずに、観光大使に任命することが恥ずかしいのだ。

当然、たくさんの斉藤里恵さんが県内に日本中にいる。彼女とそれらの人たちの人権に何の差もない。対応に差があればそれは「差別」という。

要約筆記者派遣事業は青森県内全市で実施されているのか、養成事業に十分な予算を組み、要約筆記者に十分な報酬が予算化されているのか。
難聴学級、ろう学校にいる聞こえない子供たちの受ける権利は十二分に保障されているのか。
社会に聞こえない人たちの抱える問題と県民の取るべき理解を広める施策を実施してきたのか。
県内至る所に聞こえない人たちの相談を受ける施設があるのか、相談を受けることの出来る人たちが配置されているのか。
セルフヘルプ活動を展開する当事者組織の中途失聴・難聴者協会、ろうあ団体を支援してきたのか。

テレビや新聞は聴覚障害者の生活と実態を知らせる報道、キャンペーンをしてきたのか。


ラビット 記

ハーレクイン・イマージュに人工内耳の女性が。

2010年01月11日 16時25分25秒 | 日記(つぶやき)
ハーレクインは、有名な恋愛ストーリーの新書の出版社だ。

部屋の本を片づけようとしたら、たまたまハーレクイン・イマージュシリーズの「あなたの声が聞こえる」(ルーシー・ゴードン、三好陽子訳、I-1450)が目に入った。
いつか古本店で購入したらしい。奥付けに鉛筆で100とある。折り目もないまだ誰にも読まれていない本だ。

裏表紙を見ると「ジーナは耳が聞こえなかった。今だって障害がなくなったわけではない。
皮下に埋め込んだ器具を外せば、すぐに聞こえなくなってしまう。」とある。

これは人工内耳のことだ。ページを繰ってみると19ページに人工内耳の装置を皮下に埋め込んであると、女性主人公が語っている。

ストーリーのあちこちに人工内耳の聞こえの様子や限界、人によって効果が違うこと、リハビリに時間がかかることが書かれているが正確な情報だ。
調べると、邦訳で漫画化もされている。

ハーレクインシリーズは全世界で何億冊も発売されていると聞くが、人工内耳をしたロマンスの女性主人公がいるとは思わなかった。


ラビット 記