難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

手話研究シンポジウム2010 in 東京

2010年04月04日 22時49分57秒 | 生活
パネリストの一人から下記のシンポジウムの案内があった。


ラビット 記
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手話研究シンポジウム2010 in 東京
~「わたしたちの手話」発行から40年とこれから~

手話研究シンポジウムについて先日お知らせしましたが、講演の要旨の一部を追加掲載して再度お知らせいたします。
詳細は当日配布のパンフレットに掲載されます。
なお講師のサム氏(ろう者)はこの日のためにアメリカからいらっしゃいます。
またほかの講師群もめったにない取り合わせで、盛りだくさんの内容になることと思います。
また、手話通訳(ASL通訳含む)、PC通訳、磁気ループを用意しておりますので、ろう学校関係者や様々な関連団体など興味がある方はぜひお誘い合わせのうえご参加ください。
日本手話研究所の前身となる手話法委員会が(財)全日本ろうあ連盟に発足し、「わたしたちの手話」が発刊されてから40周年を迎えました。標準手話確定普及研究のこれまでの歩みを振り返り、また今後の日本における手話研究全体の発展を願い、本シンポジウムを開催します。

日時:2010年4月29日(木・祝)10:00~16:30

場所:昭和大学上條講堂
東京都品川区旗の台1-5-8
東急池上線/大井町線旗の台駅徒歩5分

スケジュール
 9:30 開場/受付
10:00 開会のことば
10:05 講演:サム・スパラ氏
11:35 質疑応答
12:00 昼食/休憩
13:00 特別講演:高田英一氏
13:30 基調講演:大杉豊氏
13:50 パネルディスカッション
16:30 閉会のことば
17:00 閉場
※17:30~ 懇親会がございます
※順番は変更になることもあります

講師紹介
【午前の部】
●講演:サム・スパラ氏(Dr. Samuel Supalla)
〔アリゾナ大学(University of Arizona)准教授
手話言語学の成果をろう教育の現場でどう活かすか、逆にろう教育現場での知見を手話言語学にどう還元するか、ろう児への手話による教育の重要さを主張してバイリンガル教育の黎明期を牽引し、現在もなお手話教育の研究と実践を行っています。また、アメリカ手話の優れた語り部として、ベン・バーハン氏と双璧を成す存在です。
≪講演要旨(一部)≫
「ろうの子どもに「読む力」を教えるとは:研究と実践から得られる洞察」
英語であろうと、日本語であろうと、スワヒリ語であろうと、世界中のどんな音声言語であろうと、ろうの子どもたちは「読む力」の難しさを経験している。なぜ一般的な「読む力」のスキルをろうの子どもに教えることが困難であるのだろうか。この問題について何ができるのだろうか。
本講演では、ろうの学生が持っている手話の知識を活用して第二言語としての筆記英語に移行していく形で「読む力」を伸ばすプログラムを開発したスパラ氏の研究が紹介される。

【午後の部】
●特別講演:高田英一氏〔日本手話研究所 所長〕
(財)全日本ろうあ連盟書記長、副理事長、理事長、(福)全国手話研修センター常務理事を歴任。
日本手話研究所初代の所長であり、手話の研究にも情熱を注いできた。現在も日本手話研究所所長として標準手話の研究、日本語ー手話辞典の改訂版編纂に活躍中。「わたしたちの手話(5)」から「新しい手話2010」まで長くにわたり携わっている第一人者である。「歩く手話辞典」という異名をもつのも標準手話の研究に長年力を尽くしてきた称号である。
≪講演要旨(一部)≫
「発展する手話」
1.「障害者権利条約」の定義
2.人類の始まり
3.身振りから手話に
4.昭和40年代の奇蹟 
5.「障害者権利条約」の期待される成果

●基調講演:大杉豊氏〔筑波技術大学准教授〕
米国ロチェスター大学で手話言語学を学び帰国、日本手話研究所事務局長としても活躍中。全日本ろうあ連盟及び47加盟団体の協力を得て実施した「日本手話言語地図の作成研究」の成果を報告する予定。年代による違い、地域による違い、手話単語の多様性をテーマにするパネルディスカッションの司会も務めます。
≪講演要旨(一部)≫
「日本手話言語地図作成研究について」
日本語と同様に日本の手話語彙についても年齢や地域による違いがあることはよく知られている。そこで具体的にどういう違いがあるのか、どういう分布があるのかを全国的に調査し、その結果を言語地図の形で表現しようと試みたのが本研究「日本手話言語地図の作成研究」である。
この言語地図での表現により語彙それぞれについて年代及び地域による違いの存在が確認された。

●パネルディスカッション
◆北海道/金原輝幸氏
北海道出身/室蘭ろう学校、旭川ろう学校、札幌ろう学校卒。
札幌聴力障害者協会青年部や東京都聴覚障害者連盟青年部、北海道ろう連盟理事を経て、現在札幌聴力障害者協会東区支部監事、日本手話研究所標準手話確定普及研究部研究員北海道班。
◆東北/那須英彰氏
山形県出身/山形県立山形聾学校、筑波大学附属聾学校を経て青森大学社会学部卒。
NHK教育テレビ「手話ニュース845」キャスター、日本手話研究所標準手話確定普及研究部研究員関東班。
趣味はスキューバダイビング、温泉巡り、グルメ巡り、ドライブ。
◆関東/岩田恵子氏
東京都出身/埼玉県在住。
東京教育大学附属ろう学校(現筑波大学附属ろう学校)を経て淑徳大学卒。
埼玉県ろうあ者相談員として24年間勤務後、特別養護老人ホーム「ななふく苑」の施設長として2年間勤務。
現在、熊谷市障害者相談支援センターの非常勤専門援助員(聴覚障害担当のピアカウンセラー)、埼玉県身体障害者相談員、熊谷市ろう者協会役員。
◆中部/河合依子氏
岐阜県出身。
岐阜ろう劇団いぶき代表。
全日本ろう者演劇会議会長、岐阜市聴覚障害者福祉協会手話対策部長、岐阜市手話講師団代表など活動中。
趣味はスキューバーダイビング。
◆関西/高塚 稔氏
奈良県在住/奈良県立ろう学校、大阪府立生野ろう学校を経て近畿大学理工学部卒。
日本手話研究所標準手話確定普及研究部本委員/関西班班長。
竹中工務店勤務後、念願の1級建築士獲得。
平成8年「コンクリート」から「人」へと決意、竹中工務店を勇退し大阪のろう重複障害者授産施設「なかまの里」へ援助員として転職。平成21年、手話研究を専念するためになかまの里を退職。現在に至る。
温泉旅行(海外旅行はだめ)と映画鑑賞と読書とドライブなど多趣味。
◆九州/穐田綾子氏
長崎県出身/長崎県立ろう学校卒。
兄弟6人中3番目の次女。
現在熊本県在住。熊本県ろう者福祉協会女性部長、九聴連女性部長、熊本県立熊本聾学校寄宿舎臨時指導員を務める。


主催:社会福祉法人全国手話研修センター日本手話研究所
共催:昭和大学病院
後援:
(財)全日本ろうあ連盟
全国手話通訳問題研究会
(社)日本手話通訳士協会
(福)聴力障害者情報文化センター
関東ろう連盟
NPO法人全国聴覚障害者情報提供施設協議会
NPO法人CS障害者放送統一機構
NPO法人日本ASL協会
日本手話学会
日本聾史学会
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
(社)東京都聴覚障害者連盟

懇親会
・時間:17:30~19:30
・場所:タワーレストラン昭和(帝国ホテルグループ)昭和大学病
院入院棟17階
・会費:6000円(立食ビュッフェ/飲み放題)
・定員制ですので申し込みはお早めに。
・当日申込は基本的に受け付けません。
・サム・スパラ氏によるアトラクションもあります!

申込方法
(1)申込
以下の項目を忘れずに書いて、A~Cどれらかの方法でお申し込みください。
名前|住所|TEL/FAX|懇親会参加の有無
A.往復はがきで申込
〔※返信のほうにご自分の住所と氏名を書いて下さい〕
〒350-2292 埼玉県鶴ヶ島市大字三ツ木16番地1
鶴ヶ島市社会福祉協議会事務局内 鶴ヶ島市聴力障害者会
小出真一郎宛
B.メールフォームから申込 http://newsigns.jp/s2010
C.Emailで申込 shuwaken40@mail.goo.ne.jp

(2)振込
以下の参加費を申込と同時にお振り込みください。
お手数ですが、振込手数料はご負担下さい。
シンポジウム 2000円〔当日プログラム込み〕
懇親会 6000円
ゆうちょ銀行 店番038(ゼロサンハチ) 普通貯金
口座番号8449398 小出真一郎〔コイデシンイチロウ〕

注意事項
・申込〆切
  往復はがき:4月25日(日)必着
  メールフォーム&Email:4月28日(水)12:00まで
  ※参加費は4月27日(火)までにお振り込みください。  
・当日申込は受けつけません。
・昼食はご持参ください。近くにコンビニや飲食店もございます。
・手話通訳(ASL通訳含む)、PC通訳、磁気ループを用意しております。

問い合わせ先
手話研究シンポジウム2010 実行委員会
Email shuwaken40@mail.goo.ne.jp
FAX049-285-0005
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「聴覚障害・加齢等による難聴に対する理解~コミュニケーションに関する・・」のレポート

2010年04月04日 17時02分54秒 | PHSから
経済レポートドットコムkeizai report.com 発表元:第一 生命経済研究所
というところから、難聴者に関するレポートが発表されている。
http://www3.keizaireport.com/report.php/RID/108442/

「聴覚障害・加齢等による難聴に対する理解~コミュニケーションに関する一般 生活者の知識・意識と対応」
http://www3.keizaireport.com/jump.php?RID=108442&key=3217
掲載日:2010-04-03 総アクセス数:6 PDF
※各レポートは作成時点での意見・分析結果とお考えの上、読者自身の判断でお読み下さい。

参考・関連レポート:
• 高齢社会における聞こえの問題 ―難聴者の周囲の人が感じるコミュニケーションの悩み...-08-09-02
http://www3.keizaireport.com/report.php/RID/77665/
• 聴覚障害者の職場におけるコ ミュニケーション~聴覚障害者・企業対象の調査にみる現状と課題...-07-11-02
http://www3.keizaireport.com/report.php/RID/62781/


ラビット 記

何というのか、難聴者のコミュニケーション。

2010年04月04日 02時12分08秒 | PHSから
今日は、NHKの「無縁死を追跡する」というテレビを見て、また木村晴美の手話教師センターblogの「ナチュラルアプローチ教授法ビデオ講座シリーズ」を見て、夜の要約筆記者との会話で、いろいろなことを考えた。
http://www.youtube.com/watch?v=JnzRQ0OWAaY&NR=1

忘れないうちに順不同に記しておきたい。

○現代のに本社会が血縁・地縁社会の崩壊、家族力の低下の中で30代、40代の男女が「無縁死」を自分のこととして受けとめているという。
これこそ関係性が社会構造、経済構造の変化の中で断ち切られていく姿だ。
難聴者等が聞こえないために、失聴したために関係性が持てなくなっていく、持てないために孤立するのと似ていなくはないかと考えた。

○ろう運動は手話の普及とそれを自らの人権の確立と一体に取り組んできたと言って良いだろう。
手話は言語であるということが障害者権利条約に記述されたことにとても意義を強調している。
ろう者自身によって手話は言語学からも研究されている。日本手話研究所創立40周年記念シンポジウムの案内が来ているし、日本手話学会も活発だ。

○手話が言語だとすると言語としての機能は幾つもある。その中に同一性を醸成するというのはないだろうか。
難聴者、中途失聴者が手話を学ぶ中で自立する力を身につけていくのだが、それは言語としての手話の力を借りている。
視覚的コミュニケーション方法であること、日本語を母語とする難聴者であっても手話の表現の力を学習の初期から取り入れることが出来ている。手話の力だろう。
手話を学ぶ過程で難聴者はその役割を自覚した講師、受講生とのコミュニケーションを体験するなかでコミュニケーションや難聴者の障害の意味を考えていく。それが障害の受容、権利意識の誕生につながる。

○難聴者、中途失聴者自身がろう者の手話同様、聞こえの問題に取り組んで然るべきだろう。実際に取り組んでいる人は各地にいる。

※ちょっと息切れか。ここまでに。


ラビット 記
夜中にカレーを作り始めた。