難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

いわき市市民から、「情報とは何か。」

2011年06月08日 08時02分20秒 | 東北地方太平洋沖地震
福島第一原発の問題は、改めて「情報」とは何か。また、「信頼たる情報とは何か」を考えさせてくれます。その象徴が福島・いわきの問題でしょうか。
いわき市は人口35万人で、都内23区よりも大きい面積の土地です。
そのいわきが、15日の政府発表で、放射能の危険があるエリアとして枝野官房長官が会見で「いわき市」と話したことから、ある意味で情報の信憑性が崩壊してきたように思います。
「いわきは危ない」ということで、物資輸送にトラックがいわき拒否となったと報道されています。事実、いわき市の夕刊紙を発行するいわき民報社の野沢社長は「物資不足は深刻になり、街から人がいなくなりました。コンビニも本部の指示でシャッターを下ろしたそうです」となったそうです。翌日の会見以降、「いわき市の一部」と言いましたが、情報は最初の鮮度で決まり、それが走りました。

いわきで薬剤師を営む方から、こんなメールをいただきました。
被災した方が求めているのは何か。また、必要とする情報とは何かを考えさせてくれる意見です。これがすべてではないにしても、一つの大きな意見として受け止めたいと思いました。
少しご紹介します。

●いわき市民として考えること
原発災害は今は心からやってきます。
安全だと思います。いまは・・・・
でも安心できません。
なぜか?
安全100%とは言えない
東電、政府と被災地域、周辺地域の連帯感の欠如
原発被災地への最大限の配慮が感じられない
政府は被災地、周辺地域を受け入れていない
自立・自治を認めず、避難所、仮設住宅などに押し込む
自分たちの故郷であり生活拠点である
住居地の近未来の行く末を自ら決定できないし、
これを決定できる会議に参加できない
今まで隠してきた重要な情報が小出しにされ、
政府・東電の発表 に信頼感がない

だから、この地から生活の拠点を移そうとしている人が多い。
働く若者、幼い子供を持つ親、です。
当然、薬剤師も例外ではない。
社会的責任と安全・安心のはざまで悩む
妻と子供は関東、関西や東海に移動させ、
自分は単身といった方が増えてきてます。
単身はつらいので、どこでも働ける医療資格を持つ人
借金のない人は単身赴任から、家族の待ついわき以外のところへ

薬剤師の不足だけでなく、看護師、医師医療従事者の不足
医療崩壊のメルトダウンも始まっています。
この危機は自分たちではどうしようもない。
こころの安心というハードルの高いものの課題を
クリアしなければならないからです。

マスコミは政府・原発の非を見つけること、に終始してます。
被災した住民に安心をもたらすことを社会正義として訴えてくれないのでしょうか
政局明け暮れる政治やたちとどこが違うのか?と思います。
この原子力災害は既存の行政・政府・マスコミなどの社会の仕組みのあり方を
考えさせられると思います。


⇒ニューメディアという雑誌は、メディアの端くれにいる業界専門誌ですが、情報の信頼はどこから感じていくのか、を考えています。テレビ受信機だから、いやPCだから、ケータイだから・・・・というようなハードにはないことは明瞭です。
信頼は、誰が話しているか、その主体にこそあるのだと思います。
そういう意味で、政府や保安院、東電が放つ「情報」という名の礫に、国民は心を寄せきれない事態になってしまっているように思います。
国民の命を守る――この瞬間に、情報クライシスが広がってきている事態。メディアの端くれにいるものとして、その中でも変化している動きを、メディアの視点から訪ねていくことが役割かな、と思っています。できることは小さいのですが、クライシスに万能薬はないようにも感じます。

■さて、Xデー勉強会ですが、6月23日(木)13時30分~3時間半の長時間もの勉強会開催を準備しています。
テーマは、災害に強いニュース報道システムづくり です。
東日本大震災は、テレビやラジオ、ケーブルテレビ、ケータイなどなど、すべても被災したわけです。ハード面も被災します。そういう意味でフィジカル面での強さが必要です。
そして何を伝えるか、という条件のもとに置かれるわけです。
そんな中で、ファイルベース化は大災害時の報道で強かったのか。それを実体験したのが、フジテレビの新報道システムでした。その経験から学びながら、各ベンダーからのニュース報道システムの提案を聞きます。
ポイントは、大きなキー局ではなくローカル局規模で、どう対応していけばいいのか。そして、現行システムからどういったステップでファイル化していくかを見定めるための勉強会です。
各社のカタログを聞く勉強会ではなく、より実践的な導入をイメージした内容にしていきたいと準備しています。
詳細は後ほど、ご案内します。
ローカル局の方はもちろん、ケーブルテレビのコミチャンで災害にも耐えるニュースシステムを考える上でも役立つのではないかと考えています。

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聴覚障害者用火災警報器がユニバーサルデザインでなければならない理由

2011年06月08日 06時51分00秒 | 東北地方太平洋沖地震
昨日、聴覚障害者用火災報知器のメーカーと協議した際、消防庁の報告書では振動による通知が補助的な機能になっていることが問題視された。
しかし、他のメーカーは振動機能は必要とする人が少ない(マーケットが少ない)として製造販売に乗り出さない。
光や音では刺激が強すぎる認知症や統合失調症の患者の人たちも含めれば十分大きな数字になる。
消防庁の報告書では「(聴覚障害者は)就寝時の火災通知には有効」という書きぶりですが、火災の死亡事故が起きるのは就寝時の火災がトップだ。
「聴覚障害者の就寝時の火災通知にもっとも有効」という書き方でなくてはいけない。

ラビット 記