こうなればいいな、と思うことを実現する力を人は持っている。
それは時として予期せぬ形で現れる。
この世に偶然はなく全て必然なのだ。
人が偶然と一言で片づけてしまうような出来事を、ボクは自分が良い状態でいるバロメーターとして見ている。
彼らの存在を知ったのはフジイさんの書き込みからだった。
『我武者羅應援團、NZに上陸します』
はあ?何のこっちゃ?
どうやら、誰でも何でも応援をしてしまう人達らしい。
今回はオールブラックスを応援するためにNZに来るとのこと。
最初の感想は良いものではなかった。
人を応援をすると言っても、自分達で何かを生み出している訳ではないでしょ。
パフォーマンスとしてやっている、新しいお笑い芸人のようなもの。
そんなイメージがわいた。
数分後、彼らのウェブサイトを見てそのイメージは偏見だった事に気が付いた。
http://www.gamushara-oendan.net/
「ずいぶんと面白そうなことをやってるなあ」
ボクは思わずつぶやいた。
ボクの信念でもある、『バカな事ほど一生懸命やらなくてはいけない』という事を彼らはやっている。
30にもなって学ラン着てオールバックで応援団なんて、普通の人から見たらバカな事だろう。
「あんた、そんな事やってないでマジメに就職しなさい」
そんな事を言う人もいるはずだ。
ボクだって若い時に、何回もその言葉を言われた。
だがボクは彼らの自分の信念を貫き通すその姿勢に感動した。
もしもボクが若くて、何もやっていなかったら団員募集に参加しているだろう。そんな勢いである。
『ガムシャラに』、『一生懸命』などは、現代人が失ってしまっている大切な言葉だろう。
「あ~あ、この人達に会ってみたいなあ、生の応援を聞いてみたいなあ」
女房もボクもその時居候していたサダオもすっかり我武者羅應援團の虜となってしまったのだ。
「この人達、結構有名なんじゃない?」
「そうでしょ、これだけのことやっているんだからね」
「うちに来て応援してもらう?」
「応援のプロなんでしょ。お金かかるんじゃないの?」
「う~ん、うちはお金ないからなあ。自家製納豆食い放題はどうかな?」
「だけど会ってみたいよねえ。生で見たいな」
そんな話をしながら酒を飲んでいると、タイムリーな話が。
深雪が通っている日本語の補習校へ彼らがやってくるというメール通信が来た。
ボクは仕事が入っているので行けない。サダオも仕事の都合で前々日にワナカへ行かなくてはならない。女房は大喜びである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/9a/eab8fe6c256b892984c5dbfc92e97c79.jpg)
何日か忙しい日が続き、我武者羅應援團の事も忘れてしまったある日。
当初、泊まりの予定だったのが、仕事が早く終わったので家に帰ることになった。
その日は、友達とベトナム料理を食べに行く事になったので、深雪と一緒にバスに乗って町へ出た。
バスから降りて町を歩いていると、学ランを着た男が二人歩いてきた。
ボクはピンときた。
この人達か。
迷わず声をかけた。
「あのう、応援団の人達ですよね。ウェブサイト見ました。」
最初は軽く声をかけるだけのつもりが、それならあなたを応援しましょう、ということになって深雪ともども応援されることに。
こういう時はどういう態度をとればいいんだろう。
相手は真剣にやるのだから、こちらも真剣に受けとめよう。
ボクは気を付けの姿勢で心をこめて彼らのエールを聞いた。
応援は二人だけで始まったのだが、エールを聞きつけて他の団員も「フレッフレッ」と言いながらバラバラ集まってきて、あっという間にボクと深雪は学ラン集団に囲まれてしまった。
その後、世間話へ。
「ボクはここで山歩きとかスキーのガイドをやっている者です」
「それならネルソンのフジイさんはご存じでしょうか」
「よく知ってますよ。いやいや、ここで繋がるか。世間は狭いですねえ」
ボクがこの地に住むガイドとして言ってあげられることは何だろう?
「あのう、ニュージーランドは良いところですから、皆さんもたっぷり楽しんでいらしてください」
「それはもう。すっかり堪能していますよ」
「それは良かった」
ボクが一番聞きたい答はこれだ。
名刺をもらい、写真も撮ってもらった。
終始、丁寧な態度でなかなかの好青年の集まりである。
こういう彼らをボクが応援したい。
最近、ボクはよく人の『気』を感じるようになった。
良い気を持った人は生き生きしている。何と言っても良い目をしている。
彼らからはとても良い『気』を感じた。
自分を落とすことなく、一生懸命ガムシャラに相手を持ち上げる。
応援という形で彼らのエネルギーが人に伝わる。
それが彼らの愛ではなかろうか。
だからオールブラックスも勝った。
もし仕事が早く終わらなかったら、友達と晩ご飯をを食べに行かなかったら、町にバスで出なかったら、別の道を通っていたら、彼らとの出会いはなかったかもしれない。
イヤ、それより、彼らを追い求めていたら出会いはなかっただろう。
彼らに会いたいという気持ちを持ちつつも、それを忘れ自分がやるべきことをやっている時に、出会いは向こうからやってくる。
本気と書いてマジと読む。
道化師と書いてピエロと読む。
我武者羅應援團と書いてがむしゃらおうえんだんと読む。
自分は我武者羅應援團が好きであります、押忍。
それは時として予期せぬ形で現れる。
この世に偶然はなく全て必然なのだ。
人が偶然と一言で片づけてしまうような出来事を、ボクは自分が良い状態でいるバロメーターとして見ている。
彼らの存在を知ったのはフジイさんの書き込みからだった。
『我武者羅應援團、NZに上陸します』
はあ?何のこっちゃ?
どうやら、誰でも何でも応援をしてしまう人達らしい。
今回はオールブラックスを応援するためにNZに来るとのこと。
最初の感想は良いものではなかった。
人を応援をすると言っても、自分達で何かを生み出している訳ではないでしょ。
パフォーマンスとしてやっている、新しいお笑い芸人のようなもの。
そんなイメージがわいた。
数分後、彼らのウェブサイトを見てそのイメージは偏見だった事に気が付いた。
http://www.gamushara-oendan.net/
「ずいぶんと面白そうなことをやってるなあ」
ボクは思わずつぶやいた。
ボクの信念でもある、『バカな事ほど一生懸命やらなくてはいけない』という事を彼らはやっている。
30にもなって学ラン着てオールバックで応援団なんて、普通の人から見たらバカな事だろう。
「あんた、そんな事やってないでマジメに就職しなさい」
そんな事を言う人もいるはずだ。
ボクだって若い時に、何回もその言葉を言われた。
だがボクは彼らの自分の信念を貫き通すその姿勢に感動した。
もしもボクが若くて、何もやっていなかったら団員募集に参加しているだろう。そんな勢いである。
『ガムシャラに』、『一生懸命』などは、現代人が失ってしまっている大切な言葉だろう。
「あ~あ、この人達に会ってみたいなあ、生の応援を聞いてみたいなあ」
女房もボクもその時居候していたサダオもすっかり我武者羅應援團の虜となってしまったのだ。
「この人達、結構有名なんじゃない?」
「そうでしょ、これだけのことやっているんだからね」
「うちに来て応援してもらう?」
「応援のプロなんでしょ。お金かかるんじゃないの?」
「う~ん、うちはお金ないからなあ。自家製納豆食い放題はどうかな?」
「だけど会ってみたいよねえ。生で見たいな」
そんな話をしながら酒を飲んでいると、タイムリーな話が。
深雪が通っている日本語の補習校へ彼らがやってくるというメール通信が来た。
ボクは仕事が入っているので行けない。サダオも仕事の都合で前々日にワナカへ行かなくてはならない。女房は大喜びである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/9a/eab8fe6c256b892984c5dbfc92e97c79.jpg)
何日か忙しい日が続き、我武者羅應援團の事も忘れてしまったある日。
当初、泊まりの予定だったのが、仕事が早く終わったので家に帰ることになった。
その日は、友達とベトナム料理を食べに行く事になったので、深雪と一緒にバスに乗って町へ出た。
バスから降りて町を歩いていると、学ランを着た男が二人歩いてきた。
ボクはピンときた。
この人達か。
迷わず声をかけた。
「あのう、応援団の人達ですよね。ウェブサイト見ました。」
最初は軽く声をかけるだけのつもりが、それならあなたを応援しましょう、ということになって深雪ともども応援されることに。
こういう時はどういう態度をとればいいんだろう。
相手は真剣にやるのだから、こちらも真剣に受けとめよう。
ボクは気を付けの姿勢で心をこめて彼らのエールを聞いた。
応援は二人だけで始まったのだが、エールを聞きつけて他の団員も「フレッフレッ」と言いながらバラバラ集まってきて、あっという間にボクと深雪は学ラン集団に囲まれてしまった。
その後、世間話へ。
「ボクはここで山歩きとかスキーのガイドをやっている者です」
「それならネルソンのフジイさんはご存じでしょうか」
「よく知ってますよ。いやいや、ここで繋がるか。世間は狭いですねえ」
ボクがこの地に住むガイドとして言ってあげられることは何だろう?
「あのう、ニュージーランドは良いところですから、皆さんもたっぷり楽しんでいらしてください」
「それはもう。すっかり堪能していますよ」
「それは良かった」
ボクが一番聞きたい答はこれだ。
名刺をもらい、写真も撮ってもらった。
終始、丁寧な態度でなかなかの好青年の集まりである。
こういう彼らをボクが応援したい。
最近、ボクはよく人の『気』を感じるようになった。
良い気を持った人は生き生きしている。何と言っても良い目をしている。
彼らからはとても良い『気』を感じた。
自分を落とすことなく、一生懸命ガムシャラに相手を持ち上げる。
応援という形で彼らのエネルギーが人に伝わる。
それが彼らの愛ではなかろうか。
だからオールブラックスも勝った。
もし仕事が早く終わらなかったら、友達と晩ご飯をを食べに行かなかったら、町にバスで出なかったら、別の道を通っていたら、彼らとの出会いはなかったかもしれない。
イヤ、それより、彼らを追い求めていたら出会いはなかっただろう。
彼らに会いたいという気持ちを持ちつつも、それを忘れ自分がやるべきことをやっている時に、出会いは向こうからやってくる。
本気と書いてマジと読む。
道化師と書いてピエロと読む。
我武者羅應援團と書いてがむしゃらおうえんだんと読む。
自分は我武者羅應援團が好きであります、押忍。