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あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

石鹸談話

2013-05-02 | 日記
ここ最近はガイドの仕事はお休みで、その分家事仕事にせいを出している。
昨日は1年ぶりに石鹸を作った。
去年作った石鹸がそろそろ少なくなってきて、作らねばと思っていたのだ
僕の場合、1回にまとまった量を作るのでそれなりの段取りも必要なのである。
油を知り合いのレストランから譲ってもらい、苛性ソーダは近所のケミカル屋さんで業務用を買う。
ホームセンターで買うと1kgで20ドルぐらいだが業務用だと25kgで50ドル。お得である。
ちなみに僕が石鹸を作るのにかかるお金は、この苛性ソーダを買うのだけだ。
石鹸に入れるマヌカは山から取ってくるし、ラベンダーは庭のものを使う。
原材料の油は廃油をいただき、あとは水だけ。
お金はあまりかからないが、手間はかかる。
ちなみにこの苛性ソーダの量でだいたい250kgぐらいの石鹸ができる。
前回買ったのは5年前なので、それから250kgも作ったのか。
我ながらたいしたものだ。



石鹸作りというと難しいのではないかと人は思うが何も難しく無い。
原理はいたって簡単。
水と苛性ソーダを混ぜて、それを油と混ぜるだけ。
シンプルだ。
ただ実際に作業をするとなるとそこはそれ、いろいろなコツがある。
苛性ソーダは劇薬なので目に入ったら失明する。
なので僕は古いスキーのゴーグルをかけて作業をするし、手袋もする。
油の質によったり、又気温などでも出来栄えが違う。
今までに失敗もしたが、失敗しても何ヶ月も放っておけば何とか石鹸になるというのが良い。
そして失敗をすることにより、経験という財産が増え、最近は対処法も身につけてきた。

よく言われることだが、そんなに作っているなら売ればいいじゃないかと。
もしくは作り方の講習をして小銭を稼げば、とか。
僕は自分が作る石鹸を売る気は無いし、この事によってお金を得ようとは思わない。
例外的に去年の日本のお祭りでは売ったが、たぶんこれからも売らないだろう。
商品として作るとなるとそれなりの物を作らなくてはならない。
今のような行き当たりばったりの作り方で、今回はこんなのでした、というわけにもいくまい。
そして石鹸を手にした人は、ほぼ間違いなく匂いを嗅ぐ。
石鹸ににおいをつけるのはエッセンスオイルが必要だ。
マヌカの葉っぱを石鹸に入れても匂いはつかない。
ラベンダーの花は大量に入れてうっすら匂うぐらいか。
それに商品となると見栄えも関係してくる。
大きさや形だって一定でなければダメだろう。
あと売るとなったら値段はいくらにしようかとか。
そういうのがまあ面倒くさいのである。
それならば、いっそのことお金のことは考えないで、欲しい人に使ってもらえばよし。
気に入らなければ使わなければ良い。
シンプルである。



石鹸の使い方だが我が家では食器洗いにこれを使う。
泡立ちがよく油汚れがよく落ちる。
石鹸の中にグリセリンという成分があるので手が荒れない。
市販の洗剤は合成界面活性剤という物を使っているので手が荒れる。
環境に与える影響も石鹸の方が少ない。
合成洗剤を溶かした水の中に金魚を入れると死んでしまうが、石鹸水は濁って見えても中で金魚は生きる。
これは死んだ母が昔実験をして、家では生き残った金魚をしばらく飼っていた。
この自家製石鹸でもちろん体も洗うし、僕は坊主なので頭もこれで洗う。
この石鹸はドロドロに溶けるので人によってはそれが好きでないらしい。
女房と娘は風呂場では普通の石鹸を使う。
これは好みの問題なので、仕方あるまい。
友達なども使って気に入ったという人からはリクエストが来るのでどんどんあげる。
僕がこれを作るのは自分だけでなく、人間が生きていくのに必要なものだからである。
なので自分も欲しい、使ってみたいという人がいたらご連絡いただきたい。
あまり人に強く勧めるのも善意の押し付けみたいなので・・・。



作業はラベンダーの花をすり鉢で粉にするところから。
これは去年収穫したものだ。
そして苛性ソーダとEMを培養した液を混ぜ合わせ、さらに油にそれを加える。
あとはひたすらかき混ぜる。
以前は人力で泡立て器を使いひたすら混ぜていたが、作業を見ていた友達が電動の泡立て器をプレゼントしてくれてかなり効率的になった。
そこにラベンダー投入。
そしてアイスクリームの容器に入れ、上にラベンダーの花なぞ乗せてできあがり。
ちなみにマヌカの石鹸はラベンダーの代わりにマヌカの葉っぱを入れるだけだ。
ラベンダーはうっすら香りがするぐらいだし、マヌカは匂いが全然しない。
それでもマヌカというだけでなんとなくいいな、と思ってしまう。
マヌカの葉っぱにはビタミンが含まれているというので、気休め程度にマヌカ石鹸も作る。
これを一ヶ月ほど熟成させ、手ごろな大きさに切り乾燥させて完成である。
「さあさあ皆さん、熟成して立派な石鹸になってくださいねー」
僕は石鹸に語りかけ、ガレージにしまった。
今回はどんなのができるかな。



コメント
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