彦根の歴史ブログ(『どんつき瓦版』記者ブログ)

2007年彦根城は築城400年祭を開催し無事に終了しました。
これを機に滋賀県や彦根市周辺を再発見します。

玄宮園

2006年08月21日 | 彦根城
玄宮園の池に浮ぶ島
こんな何気ない風景にも美しさがありませんか?


玄宮園は、『長寿院大洞弁財天』のお話の時にも名前が出てきた4代藩主・井伊直興によって中国・唐代・玄宗皇帝の離宮になぞらえて造営された接客饗応の為の大名庭園で、玄宗の離宮を略して「玄宮園」と名付けられました。
大きな池を中心に臨池閣、凰翔台といった趣がある建物が建つ回遊式庭園になっています。

その池は、琵琶湖を模しているので、竹生島・沖の白石を表現する為の岩や樹木も置かれているんですよ。
そして、近江八景も表現されています。

近江八景の話も以前書きましたが、もう一度詳しく書くなら。
室町時代中期の明応9(1500)年8月13日に近江守護・六角高頼が近江に居た関白・近衛政家を招き、政家が中国の瀟湘八景に重ね合わせて近江八景の和歌八首を詠んだことが始まりです。
この為、その全てが湖南地域にかたまっています。
その内容は、
石山の秋月(いしやまのしゅうげつ)
勢田の夕照(せたのゆうしょう)
粟津の晴嵐(あわづのせいらん)
矢橋の帰帆(はばせのきはん)
三井の晩鐘(みいのばんしょう)
唐崎の夜雨(からさきのやう)
堅田の落雁(かたたのらくがん)
比良の暮雪(ひらのぼせつ)
全て、季節や時間による限定された期間の美しさを表しているんです。

琵琶湖を模して近江八景を表しただけでも、素晴らしい庭園なのですが、その背景に彦根山の樹林と彦根城天守や櫓を借景として、壮大でありながら、わび・さびのある風景となっていますので、時代劇でもよく使われていますよね。
有名なモノでは『暴れん坊将軍』で江戸城の庭園として登場するのが解かり易いでしょうか?

また、四季それぞれに楽しめる場所で、特に9月に行われる『虫の音を聞く会』は“日本の音百選”にも選ばれているんですよ。
コメント (2)
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